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保護者の集まりがクールすぎる Ⅱ

今年もやってきた。小2の娘のクラスの保護者が一同に集まる、保護者会ならぬ保護者パーティーである。

保護者パーティーは、学校の行事というわけではなくて、クラスメートの親の数人が毎年ボランティアで企画しているイベント。食事やお酒の手配やら、誰かの自宅での会場セッティングやら、あれこれと熱心にやってくれてありがたい。この保護者パーティーは以前にも紹介したが、今年は、後半にあっと言わせるサプライズ企画もあって、私は大いに楽しんだ(楽しみすぎて、翌日がとんでもないことになった)。

デンマークに来てよく思うのは、みんなパーティー慣れしているなあ、ということ。hygge(ヒュゲ)の国の人たちなので、自宅に友人を呼んで食事会をする、ということを、よくやっているからなのだろう。今回はまず、参加者約30人が2つのテーブルに分かれて、タパスのディナーからスタート。そもそも、よくそんなにお皿やグラスがあるね、と感心していたら「マックスで50人までいける」とのことだった。いやはや。

パーティー開始前。皿もグラスもよく揃っているなあと感心する

それにしても、学校の保護者同士の関係は、日本とはだいぶん勝手が違うと感じる。我々は毎年夏に日本に一時帰国していて、娘は日本の小学校に通わせてもらっているのだが、クラスの子と仲良くなりたいと思って連絡先を聞こうとしたら、「個人情報になるので、クラス名簿は作っていない」と言われてびっくりしてしまった。

デンマークでは、友達と放課後に遊ぶことを「プレイデート」と呼んで、積極的にプレイデートをして仲良くなるよう、幼稚園や小学校の担任から勧められている。親同士で連絡が取れるよう、幼稚園や小学校からの連絡に使われるアプリには、クラスメートのリストと、両親それぞれの名前、電話番号、メールアドレスが掲載されている。子どもが「⚪︎⚪︎ちゃんと遊びたい」と言ったら、それぞれの親に連絡して、アレンジするわけだ。

子どもだけでなく親同士も仲良くしようとするのは、それが、クラス内でのいじめを防いだり、クラスの雰囲気が良くなることにつながる、と言われているからでもある。デンマークの学校は小中一貫で、0年生から9年生までの10年間、クラス替えがない。娘のクラスには児童が22人いるが、転出・転入がない限り、このメンツは中学校卒業まで変わらないのである。学校の授業がうまく進むかどうかは、仲のいいクラスかどうか、学級崩壊が起きたりしないかどうかにかかっているところがあるので、親も必死なのだ。

だから、どの子の親が誰で、何の仕事をしていて、兄弟は何人いて名前は何で…というデータも、みんなよく把握している。私は親の中で唯一の日本人なので、覚えるのは簡単だろうが、私からすると、両親合わせて40人近くのデンマーク人たちの名前に顔に職業に、と覚えるのが大変。パーティーに行く前には名前と顔が一致するように復習して、アンチョコのメモも持参して臨む。

さて、パーティーの話に戻ると、まずは、主催者が決めた席順に着席。両親そろって出席している場合は、別々のテーブルにつくようになっている。

タパスの食事
どれが誰のグラスかわからなくならないように、ペンで名前を書いておく

ディナーの席のお酒は、自分で持ってくるスタイル。とってもおいしいシャンパンと赤ワインを持ってきた人たちが隣に座ったので、ラッキー。この時点で、もうけっこういい感じにほろよい状態だ。

デザートには、アイスクリームケーキに花火がパチパチ。大人だけのパーティーなんだけどね。遊び心のある人たちである。

花火つきアイスクリームケーキ

そして食事が終わったころ、今度はカクテルコーナーで、自分でカクテルを作る。レシピをパウチしてあるあたり、慣れているなあと思う。このころには、すでに音楽はかなり大音量になっていて、声を張り上げないと隣の人とも会話できない感じである。

カクテルのレシピ。ご自分でどうぞ、のスタイル

さてこの後が、今年のサプライズ企画。外に行くから準備して、と言われて、ほろ酔い加減でしばらく歩いていたのだが、そこで見えてきたのは….。

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