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陰と陽のマジックワード

ずっとnoteのアカウントの処遇を悩んでいましたが、なんとなく仕事寄りメモとして守秘義務に障らない範囲で綴ることにしました。

私は今はメーカーにいますが、IT系企業や広告会社を経験し、何かしらのプロジェクトを形にすることが、人生でとても多いです。自分が旗を振る立場もあれば、誰かが振った旗に協力する立場もあり、幸いなことに「遊び」「楽しさ」「課題解決」といったことが目的の「企画」要素が常にあります。

ディスカッションの際、可能性を広げる「陽のマジックワード」とその逆の「陰のマジックワード」が必ずあって、それぞれの使い道について今日はまとめておこう、そうしよう。

陽のマジックワードリスト

「それいいね!」「ここまで広げてみたら」「こういうのもあるよね」「こうなったら楽しい」「こんなシーンだと」「詳しく教えて!」「将来的には?」「なるほど!」「すごいね!」「こうしてみたらどうだろう」

基本的に拡張と肯定、相手の意見を理解して味わう、未来志向です。良いものだからもっと広げたいという善の感覚で動いたら出やすい。相手も自分もフラットで対等な世界です。ブレストするのにはマストです。

陰のマジックワードリスト

「どうせ」「いや違うでしょ」「そうじゃなくて」「要は」「昔はこうだった」「ずるい」「理解できない」「いやだ」「そんなもんでしょ」「無駄だ」「危ない」「怖い」「やめよう」

基本的に縮小と否定、相手の意見を己の範囲で検証する、過去&リスク志向。時として何か大きい物に対し小さな己を設定する世界。現実的に着地させたり撤退を決める時には役立ちます。

基本的に企画を立案するときには、「陽」のスタンスが必要。何かをそぎ落とさないといけないときには、「陰」のスタンスが必要だなと思っています。

陰の威力は、強い。

ただ、陰のマジックワードは必要でも強すぎる。特に、プライベートでは要注意で、心配や相手を思う気持ちとセットでもない限り、何の説明もなく不安をかきたて生きるエネルギーや希望を容易に破壊できてしまいます。

ムーミン谷の住民に「ジャコウネコさん」というキャラクターがいます。口癖が「無駄じゃ無駄じゃ」で、読んでいる本がいつも「すべてが無駄であることについて」なのですが、ある日「飛行おに」のいたずらでその本が「すべてが役に立つことについて」に強制的に書き換えられてしまったというエピソードがあり、洋の東西問わず、「陰のマジックワード」はお取扱い注意なのだなーと思いました。

陽の言葉は、10倍伝えても足らない。

陰と陽の言葉は、ブリザードと春の日差しです。

陰の言葉を悪用すると、Twitterのクソリプ同様、ブリザードのように相手を一瞬で凍らせることができる上、脊髄反射で容易に生み出せます。

陽の言葉は、厄介なことに、「なんとなく良い」「陰ながら」じゃ永久に伝わらず、無責任になりがち。丁寧な表現が求められ労力がかかる、遅効性です。

それでも、木々や花々を育てる春の日差しのように、受け取った人の心を強く支えて、成長をさせてくれます。

ですので、日ごろから具体的な表現で、「賞賛」「感謝」「応援」を口に出し、伝わると思う10倍以上の労力で伝える必要がある。

ちゃんと伝わってそのぬくもりを力を分けてもらった人は、悪意の瞬発力に負けにくくなるし、誰かに分けてあげらるようになる。何よりその人の心の基礎体力に繋がります。

陰と陽のさじ加減はいかほどか?

まとめると…

・陽は拡大・発展、陰は縮小・収拾

・陰の方が即効性があり威力が強い

・陽の方が遅効性だが心の基礎体力になる

と考えています。

そのためのさじ加減を今まで取り組んできた中で考えると、

◆プロジェクトのディスカッションをどんどん広げる時→陰1:陽9

◆まとめて方針を軌道修正するとき→陰3:陽7

◆撤退と縮小のゾーンを決める時→陰5:陽5

◆若い人の意見へフィードバックする時→陰1:陽9

◆何かを生み出す人を応援するとき→陰0:陽10

◆生命や事業継続の危機を回避するとき→陰9:陽1

と心がけると、物事が前に進みやすいです。

大事なのは、絶対に陽を0にしないこと。ビジネスの責任が自分にあれば、たくさんの選択肢から選んで収束案を決めれば良いし、案を出している段階で収束だけさせると、最終的に広がらず、空中分解しやすい…。

陽を1残しておくことで、他人の失敗に寛容になれるし、最後のかじ取りは自分次第だと割り切って色々と臨めます。

ただ、シーンに応じて用法容量を正しく使えるようにしたくても、参加メンバーの性格や経験によって全然うまくいかないこともあります。

自分ひとりだけじゃなくて複数人でも、適切な配分ができたら良いなと切に願いつつ、最初のノートにしました。

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