居酒屋🏮3
「なぁオヤジ」
「なんやねん」
「このお品書きな、高いところまで貼って
るから見上げるやろ?」
「そうなるな」
「それでな、首が凝るんや。何とかして〜な」
「よく云うわ。ハムカツとポテトサラダが
鉄板やないか。お品書きは見てないやろが」
「そんなことないで、ほらワイの首、見て見て。上ばっかり見てるから伸びたやろが」
「大吉、人差し指、伸ばしてみ」
「人差し指?こうか?」
「そこにワシも人差し指を伸ばして、指先をくっつけて、【ET】。な?」
「何が、な?なんや、分からんわ」
「ETも首が伸びたやろ。大吉も今まで隠れてた首が見えたんだらエエがな」
「ETって、また古い映画を持ってくるな、オヤジは」
「大吉、首を精一杯、伸ばして一番上にあるお品書きを読んでみ」
「一番上。え〜と。『サイコロステーキ200g 。4500円』。た、高いがな!」
「大吉も男なら、たまにはステーキでも食って見せて」
4500円……
「ほらな。心配せんでも首は縮むがなw」
おしまい
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