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ラージオムニは高域がオムニじゃない

マイクの収音の基準位置は、
筐体の先端とかではなく、
ダイヤフラムの中心で考えます。
ダイヤフラムはある物理的な直径を持ち、
当然その周りには何かしらの構造体を持つため、
90度からの音は、
回り込んでダイヤフラムの中心に
到達しなければならないので、
回折しづらい高域ほど落ちます。
180度からの音は、
回り込まなければいけない距離が増えるので、
更に高域が落ちます。

これはオムニでもカーディオイドでも、
ダイナミックでもコンデンサーでも起こりますが、
別の要素の影響でわかりづらかったりもします。
オムニのラージダイヤフラムの場合は特にわかりやすく、
口径が大きいほど半径分の距離が増えるので高域が落ち、
「オムニなのに高域はオムニじゃない」という状態になります。

なのでオムニのコンデンサの場合、
ラージダイヤフラムを選ぶ理由は、
高いS/Nと独特の音質くらいかなと思います。
その他の点で言えば、
スモールダイヤフラムの方がメリットが多いので、
満足いくかもしれません。

おまけ

スペックシートで言うところの指向性は1kHzの指向性なので、
「カーディオイドなのに低域や高域はオムニっぽい」
なんてこともあり得ます。
通る経路は同じなのに周波数ごとに波長が違うため、
干渉や回折や吸音や共振などの振る舞い方が異なってしまうのが
主な理由だと考えられます。

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