見出し画像

『スラムダンク』世代の私。胸踊るバスケットボール日本代表戦

 高校時代、とある県のバスケットボールの国体強化選手に選ばれたことがある。その頃はマイケル・ジョーダンというスターが現れ、エア・ジョーダンが人気すぎて“ナイキ狩り”という物騒な言葉が流行っていたし、何より漫画『スラムダンク』が始まった時期でもあった。バスケ漬けだった私は、それから数年経ても下の世代のスーパースター田臥勇太選手のプレー(能代工業高校時代)を観るために代々木体育館まで足を運んでいたりもしていた。つまり、青春時代はバスケボールと共にあった。

生観戦で見事にハマる

そして、2015年にバスケットボールのプロリーグBリーグが始まった。私のまわりの何人かは熱くご贔屓チームの話をする。サッカーのJリーグが始まった時の空気よりはだいぶ落ち着いてはいると感じるけれど、当時のバブル景気という異質な浮かれパワーをさっ引いたら、きっと同じくらいの潜在的熱量なのかもしれない(なんてたって、世界的に見たらサッカーより競技人口が断然多いスポーツなのだから!)。


私はなぜかBリーグに足を運ぶことはなく今にいたってしまっていたけれど、スポーツ観戦好きの知人に誘われ、日本代表戦を観る機会に恵まれた。今年の6月に全体の9番目でNBAでドラフト指名された八村塁選手や田臥選手に続き日本史上2番目にNBA入りを決めた渡邊雄太選手のエントリーもあり、かなりのプレミアチケットだったらしい(結果的に、この日は八村選手は欠場だった)。

結論から言うと、もう、それは見事にハマッてしまった。

当時バスケ漬けだった私が想像もしなかった“スラムダンク”を日本人選手が試合中にバシバシ決めることなどまるで夢の中の出来事のよう。その迫力もさることながら、選手ひとりひとりのプレイに個性があり、それがうまく連動してシュートが決まった時の気持ち良さは格別。昔取った杵柄(?)で、試合を観る能力はそこまで衰えておらず、フォーメーションやゾーンプレス、スクリーンプレイ……など、細かくプレイを読み解けたのも存分に楽しめた理由かもしれない。

人が集まる場所の演出方法

そして、会場を盛り上げる音楽やDJなどの応援演出が気になって知人に質問すると、そこはソニーミュージックエンターテインメントが入っているとか。ソニー本体はサッカーに食い込んでいるし、こういう方面にソニーは力を入れているんだ、と冷静に観察してしまったりも。とはいえ、練習中やタイアウト中にアドレナリンが高まりそうなEDMがガンガンかかりまくるのは、「時代だな〜」と感慨深くも。終始慣れなかったけれど(苦笑)。

スター選手をいかに排出し続けるかが鍵

こちらは、今回の国際試合で見せた選手たちのダンクシュート。

八村選手の大学時代の“スラムダンク”!

『スラムダンク』著者の井上雄彦先生を前に、「(アニメは観ていたけれど)漫画は読んだことない」と普通に答えているところには思わず笑ってしまった。忖度なんて、八村選手には無用(笑)。「連載当時は生まれていなかったんだもんな〜」と井上先生はおっしゃっていたが、確かにそういう世代がNBAで活躍し始めているんだな、とこれまた感慨深い。

Bリーグが始まって、日本の子供たちのバスケットボール人口は順調に増加していると知人は言った。演出面での盛り上げはもちろん必要だが、結局は、八村選手や渡邊選手に続く選手をどんどん育てていくことがマーケット拡大にいちばん影響を与えることだろう。卵が先か、鶏が先か。もはや、そんなことは言わずもがなだけれど、フィギアスケートの浅田選手、羽生選手やテニスの大坂選手など、世界的なスーパースター選手が登場する度にそう思う。

オリンピックは、その面で果たす役割がバスケットボールに限らず、各スポーツの未来にとって、本当に大切なイベントなのだ、と来年に思いを馳せつつ。9月の上海で行われるワールドカップはしっかりテレビ観戦しようと会場を後にした。

【余談】

NBAのドラフト指名選手が一堂に会している動画。こんなに個性的でファッショナブルなのは観ていて楽しい。こういうところから、余計なお世話だけれど日本野球界も何かを感じとったほうがいいと思う(日本の少年野球人口は急激に減っているらしい)。


今回の国際試合のシューティングセレモニー。鶴龍関の3ポイントシュート! お見事! 


この記事が参加している募集

コンテンツ会議

Bリーグ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?