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「だれ」が「どこ」で「どんなふう」につくっているのか? デニム工場見学へ

ジャパンメイドのデニムと言えば「EDWIN」。そのフィロソフィーを体感できると誘われたエキシビジョン「The LIVE -MADE BY EDWIN-」に足を運んだ。なんでも、秋田県の自社工場からミシンを会場に移設し、ジーンズが誕生する過程をライブ形式でお披露目するそうな!

秋田の自社工場を完全再現

天王洲アイルにある倉庫のような展示会場が本当にファクトリーと化していた! オペレーターさんたちも、エンジニアさんたちも秋田から出張してきたのだとか。

秋田に自社工場があることも知らなかったけれど(デニムブランドではとてもめずらしいかと思います)、1日に約1万本製作され、日本国内だけでなく、海外、主にヨーロッパへ輸出されているのだとか。これまた、知らなかった! “ジャパンメイド”製品のクオリティへの信頼は、やはり確固たるものがあるのだな〜。

使用するコットンの説明を受けたり。

工場内での工程表を説明いただいたり。基本的に今回のエキシビジョンを観覧している方は、クラウドファンディングに参加した方たちなのだそう。服好きな方、服飾関係で働く方たちはもちろん、服飾関係の専門学校に通われている学生さんたちが多く来場しているとのこと。

「サスティナビリティ」への取り組み

もちろん、「サステイナブル」や「エシカル」に関するブースも。工場から出される年間400トンを超える裁断屑をリサイクル業者を通じ、反毛という行程を経て、リサイクルフェルトにし、車の内装や吸音材として再利用されている。それでも全量が再利用されているわけではないため、環境負荷を軽減する意味でも、来年から裁断屑を原材料かとして再資源化するプロジェクト「CO:RE」と名付け、シリーズ化。ジーンズやTシャツなどに幅広く使用していく予定とのこと。

上→下。このように糸に戻していく。

緯糸(よこいと)に使用したり、天竺素材を開発していくのだそう。

日本の「伝統素材=大麻」を使う

そして、もうひとつ私が注目したのは、「大麻」布ジーンズ! 日本で古来から広く普及していた素材「麻=大麻、苧麻(ちょま)」に着目(綿は江戸時代に普及)。※現在、普及している麻は「リネン=亜麻(あま)」であり、日本での栽培は明治時代以降。それ以前の麻の主流は大麻や苧麻。

文明が発展していない時代に広く普及していた(つまり、土地の特性に合っているということ!)大麻や苧麻に着目して、「もしも綿が普及する以前にデニムが作られていたら』という仮説をコンセプトにしたシリーズを発表。洗うごとに柔らかく身体に馴染み、味が出ていきそう。ちなみに、日本では麻は夏素材のイメージだが、寒冷の北国であっても古来から麻素材は年間を通して着用されていたとのこと(夏限定素材ではないということは、昔、イタリア人にも力説されたことが!?)。

まとめ

今後、ブランドの製作過程をしっかりと把握してもらうためのトレーサビリティ(追跡可能性)の仕組みづくりや自社のフィロソフィーに共感してもらうストーリーづくりがとりわけ大切な時代になってくると言われている。ファッションだけではなく、コスメも、インテリアも、車も、……そして何より私たちが口にする食べ物や飲料も(このジャンルのトレーサビリティ向上が個人的には急務だと思っています)……暮らしを取り巻くモノたちすべてに感度を上げて消費をすべき次の時代へとギアを変えていくべきではないだろうか。

今後、このエキシビジョンのような企業側からの発信がどんどん増えていくと思う。



【おまけ】ノスタルジックルーム!

私がいちばんはしゃいでしまったノスタルジックルームの展示。1970年代後半から80年代前半のイメージ。昭和の匂ひがプンプンと。たしかに、この頃、EDWINはジャパンメイドではなく「アメリカ推し」だったな〜。日本がアメリカに憧れている時代に青春期を過ごした男の子の鬱屈がよく現れているかと思います(笑)。

ペナントってなんでウケたんでしょうかね? たしかに、兄の部屋の壁に飾られていた。

キャビンのゴミ箱! 未成年で喫煙していなかったにもかかわらず、兄の部屋にもあったような!?

これは完全に兄の愛読誌だった『GORO』。“柳沢きみお”先生が第一特集というのがいいですね〜。調べたところ、私が生まれた1974年に創刊され、バブルの終焉(1992年)とともに休刊したようです。

棚の小物も逐一観てしまいますよね……いや〜、本当に我が家の兄の当時の本棚のようです(笑)。

広告ヴィジュアルも粋ですね!

で、ずっとテレビではEDWINの当時放映されていたテレビCMが流れていたのですが、とりわけこの宮沢りえさんのCMは色濃く覚えています。本当に、当時は天使だと思っていました。

こんな神がかったCMをまた観てみたいものです。




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