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30歳以上の人間を信じるな⁉︎ デジタルネイティブとカウンターカルチャーと

「PCのキーボードが使えないって言うんだよ。卒論も携帯で書いたと言ってる!」と知人は呆れたように言っていたが、携帯でこと足りている世代に、PCキーボード使用を強要するほうが、何年後かから振り返った時には笑い話になるかもしれない。音声認識どころか、脳波で文字を起こすことも研究が進んでいると聞いたこともあるし。

自分たちの“当たり前の感覚”が通用しないときに、「本当に信じられないよね!」「けしからん!」と簡単に片付けるのは踏みとどめるべきなのだろう。デジタルネイティブ世代がこれからの世界をつくっていく。

スタイリングゲームアプリ「ドレスト」

プレーヤーは、ファッション誌のスタイリストとしてアバターにスタイリングを施す。他のプレーヤーのスタイリングもチェックすることができ、他者からの評価が高いとプレゼントがもらえるという。また、アプリ内に登場するアイテムは実際に購入することもできる。
「グッチ」の2019-20年秋冬コレクションがアプリに登場するほか、「グッチ」のアンバサダーで、2018-19年秋冬コレクションでは自分の顔にそっくりな“生首”を持ってランウエイを歩いたことで知られるロシア人モデルのウニア・パホモワ(Unia Pakhomova)がアバターとして登場する。

このニュースを知った時に、「ついにきた!」と思った。いつか、買い物はゲームやインタラクティブなドラマに組み込まれていくだろうな、と考えていたから。ヴァーチャル空間で物を買うことへの抵抗感の無さ。もう、本当の意味で自分は「買い物の現在」を理解できないのかもしれない。そういう時代への突入を予感させる。

女子高生の4割が広告に不快感

さらに、興味深かったのが、女子高生の4割が広告に不快感を示しているというニュース。

広告の登場人物を見て「美しい・可愛い」(83%)「理想的」(44%)と感じる若者が多い一方で、「親近感が持てない」(34%)「劣等感を感じる」(16%)と回答した人も少なくなく、広告が拡散する画一的な美しさと、自身の理想との間で葛藤している若者の姿が浮かび上がった。

今まで以上にマス広告はどんどん失速していくのかもしれない。画一的な価値観を無作為にバラまかざるをえないあり方では、自分好みの情報を受け取ることに慣れた世代には理解されがたい内容が含まれるのは必然。無意味どころか、不快。それくらいに感覚の差異が生まれ始めていることを私たち大人は理解せねばならない。

30歳以上の大人を信じるな

これは、60年代後半に体制に毅然と立ち向かったシカゴ8(民主党党大会が開催されたシカゴで、ベトナム反戦を掲げる諸団体がデモを敢行。その首謀者とみなされた8人)が発していたメッセージ。カウンターカルチャーというものは、たいてい大人世代(既成概念)と若者世代(新しい価値観)の間のズレから生まれる。

余談だが、世に言うイケメンの判別ができなくなってきた。皆、同じ顔に見える。昔、母親とテレビを見ていて「お母さんには皆同じ顔に見えるわ」と言われ、「まじで、信じられな〜い」と心底驚いていたのだが。どうやら、私もそういう年齢になっている。

先日のグレタさんの呼びかけによるデモや香港のデモ。ヒッピーやパンクスなどが生まれた1960年代後半から70年代のムードが、今、再び世界中を取り巻いていると感じている。

若者の意見に耳を傾けよう。常に意識するようにしている。


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