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第1章 資格で実現した大逆転人生

資格でつくる戦略的人生ロードマップ
2009年、インデックス・コミュニケーションズより刊行された「ごく普通の人でも資格を取ってきちんと稼げる本」を全文無料公開中。横須賀輝尚の著作の中では、初めて「これから資格を取る人」に向けられた書籍。2019年全文無料公開。

23歳、社会人経験なし、お金なし、人脈なしを救った資格

まずは、私自身が資格でつくった実績をお話ししておきましょう。

29歳で著作10冊以上。会社の売上もおかげさまで、この不況下に毎年伸びています。行政書士業は3年目に1500万円を突破。またコンサルティングを中心とするビジネスも年商3000万円を超え、増収増益を重ねています。

これが、現在の私の状況です。

行政書士という資格を中心に仕事を積み重ねて、はや6年。現在では士業・資格者向けの経営指導スクール「経営天才塾」を主宰させていただき、コンサルタント活動も事業の柱になっています。

大成功とはいかないまでも、ある程度のレベルの成功には達することができたのではと、少しだけ安堵しています。

大不況と言われるこの時代に、なぜこれだけの成果を出し続けることができるのか。結論から言えば、「戦略的に資格を使った」からです。

私の場合、はっきり言って、資格がなければこのような結果は絶対に出せませんでした。それは、「絶対に」です。

世間では「資格なんて取っても意味がない」と言う人もいるようですが、私にとって資格とはこれ以上ないほど大きな武器であり、感謝してもしきれないものです。

もちろん、資格がなくてもフリーランスで仕事はできますし、独立開業もできます。しかし、まったく何もない状況から仕事をつくり出すというのはとても難しいもの。そこで、資格を取るという選択はひとつの合理的な判断と言えます。

最初に断言しておきます。本書をお読みのあなたも、資格を戦略的に考えて選び、取得すれば必ず成功できます。そして、その道を歩むことが、漫然と自分探しをしながら会社勤めを続けるよりも、よほど安定して収入を増やすことができるようになるでしょう。

もう少し言ってしまえば、これからは会社勤めをしている・していないにかかわらず、フリーランスで仕事をし、稼ぐことができる能力を身につけておくことはきわめて重要だと宣言しておきます。

終身雇用の時代が終わったどころか、どんな企業も生き残りをかけ、人員の整理を始めています。つまり、職がなくなるというのは、本当に他人事ではなく、明日あなたにも降りかかってくる可能性があるのです。

これからは、会社からもらえる500万円の年収よりも、自分でコントロールして稼ぐ300万円のフリーランス収入のほうがより重要になってきます。どんなに高い給料をもらっていたとしても、リストラされてしまえばそこまで。再就職できればいいですが、今後はわかりません。

そうした非常事態のときに、自分ひとり、フリーランスで稼げる能力を持っているかどうかはきわめて重要なポイントになります。

そこで、役に立つのが「資格」です。もちろん資格がなくても、フリーランス能力を身につけることはできますが、資格をうまく使えばフリーランスとしての活動は何倍もの効果につながります。

ぜひ、本書を使い、戦略的に資格を選び、最強の人生戦略をつくってください。少なくとも、私ができたことはあなたにもできるはずです。

さて、こういう話をすると「それはあなたが優秀だったからできたのではないですか?」と聞かれることが多いのですが、そんなことはまったくありません。

たとえば学歴。行政書士の資格は大学在籍時に取得したものの、学歴はいたって平凡です。最終学歴は専修大学法学部卒業。中堅クラスの大学です。

では、どこか有名企業で経験を積んだことがあるのかといえば、就職活動のときには大手企業は軒並み全滅。何十社も就職試験を受け、最終的に1社のベンチャー企業になんとか内定。優秀どころか、平均以下の人材だったのです。

まだまだあります。今度は新卒で入った会社をリストラされました。理由は、能力不足と人間関係。

「お前、明日から会社にこなくていいよ。手続きはこっちでやっておくから」

ある朝、入社したベンチャー企業の社長にそう告げられた私は、順風満帆どころか職を失ってしまい、途方に暮れてしまいました。

23歳、持っている資格は行政書士のみ。これが私のスタートラインでした。はっきり言って、よいところを探すのが難しいくらいのスタート。こういう状態から始めました。

ですから、資格を取るという向上心があって、勉強熱心であれば、本書にあることはほとんど実現できるはずです。

1年で月収100万円を突破!

私が資格を使って人生戦略を考え始めた当時のことを、もう少しお話しします。

まわりに伝えた「実は会社を辞めることになった」。これが独立起業するとか、家業を継ぐとか、そういう前向きな理由で自主退社したのであれば、格好もつきますが、なんといっても解雇です。あとで専門家に相談したところ、違法性のきわめて高い解雇だったそうですが、職がなく収入もない現状は変わりません。

まさか23歳という若さで会社をリストラされるなんて、夢にも思いませんでした。当時は再就職する気力も起きず、田舎に帰る度胸もなく、東京で茫然自失としていました。

しばらくは手持ちの資金で食いつないだものの、リストラされたことによって、あることに強い抵抗感を抱いてしまったのです。それは「雇用されること」です。

また再就職しても同じように雇用されていたのでは、同じ結果になってしまう可能性があります。私は身をもってリストラされることの恐怖を味わってしまいました。

雇用されて給料のみに頼るということに恐怖を覚えた私は、会社に勤めるという形でなく、なんとかひとりで仕事を得て生きていけないものかと、当時住んでいた東京にある6畳一間のアパートで考えていました。つまり、フリーランスで仕事が取れないか、ということです。

ところが、考えれば考えるほど自分自身があまりにも何も持っていないことに気がつきました。お金もない。人脈も当然ない。社会人経験はたったの1ヶ月……。ビジネスマナーもろくに知らない状況。フリーランスで仕事をするにも、営業力がないどころか営業をしたこともない。

こんな何もない状態で、いったいどのように生きていけばいいのか。そんなとき、たったひとつだけ自分の武器に気がついたのです。

それが「資格」です。

幸いにも大学3年のときに取得していた「行政書士」という資格をもとに、フリーランスで活動することが可能な状態でした。何もなかった私に、資格が仕事の方向性を与えてくれました。

いろいろな資格の性質の違いについては、第3章で説明しますが、この「仕事の方向性を持てる」ということは想像以上に大きいものです。

たとえば、独立起業やフリーランスで活動したいという気持ちだけがあっても、多くの方は自分自身の方向性すら決まりません。

これからはウェブデザイナーがいいのか? それともワードやエクセルのレベルを高めればインストラクターになれるのかなど、いざフリーランスで動こうと決意しても、方向性が決まらないことが多いのです。

その点では、最初から仕事の方向性が持てる「資格」というのは、フリーランス初心者にはもってこいなのです。ただし、使い方を間違えると大失敗しますので、そこは気をつける必要があります。詳しくは第2章で説明します。

このような経緯があり、私は資格を使ってフリーランスで活動することをまわりに宣言。しかし、まわりの人は「行政書士で独立開業? 23歳の若造がそんなことできるわけがない」と、きわめて冷ややかでした。

フリーランスで活動し始めた最初のころは、うまくいかないこともあったのですが、フリーランスで活動することを宣言して約1年、まわりの評価が変わってきました。

月収は100万円を突破。上場企業から講演依頼もあり、処女出版が決定……。これらは戦略的に資格を使った結果ですが、想像以上の結果となりました。

それにしても、なぜ23歳の若造が、このような結果を出すことができたのでしょうか。

資格には「信頼」という圧倒的な威力がある

ここで、資格の最大のメリットについてお伝えしておきましょう。それは、多くの会社がのどから手が出るほどほしがっている「あるもの」を、資格は最初から持っているのです。

その「あるもの」の解説については、私の創業のころのエピソードを少しお話しします。

行政書士として活動することを決めた私が、まず起こした行動は「営業」でした。

「行政書士も仕事を取るわけだから、営業する必要がある」

早い段階でこのことに気づけたのは、非常に大きかったと言えます。多くの場合、資格を取った方は「自分が資格を取ったことをたくさんの人に知ってもらおう」という視点が抜けがちです。

私自身も、自分が資格を取ったことを知っているのは両親と友人数名くらいであることに気がつき、もっと自分を知っている人を増やさなければと思いました。

言うまでもなく、自分が資格を取っても、自分のことを知っている人がひとりもいなければ、仕事も当然来ませんし、意味がありません。

営業経験のなかった私ですが、多くの人に話を聞き、まずは「名刺を配ること」から始めました。ビジネス系のセミナーに出席したり、異業種交流会に出たりして、名刺を配るのです。

そのとき、驚くべきことに気がつきました。私は当時23歳。当然、そんな年で独立起業などしている人のほうが少ないわけですから、まず誰も信用してくれないだろうと考えていました。

ところが、まったく逆だったのです。「その若さで資格を取って活動しているのか、実に立派だ」「行政書士の資格をお持ちなのですね、優秀なんですね」、そんな声をいただきました。

もちろん、若いということから信用していただけない場合もあったのですが、おおむね信用してもらえました。

このように、資格は「信頼」という点で圧倒的な威力を持ちます。つまり、「あるもの」とは「信頼」です。資格は最初から相手に信頼を与える力を持っているのです。

開業するのに資格なんていらない。たしかにそういう面もあります。

しかし、たとえばウェブデザイナーとして開業した人で「DTPエキスパート」という資格を持っている人と持っていない人がいたら、技術的なことに関しては、どちらに仕事をお願いしやすいでしょうか。

もちろん資格がすべてではなく、人柄や実績なども当然加味されるでしょう。長い時間かけて自分のことを話すことができれば、相手に信頼してもらえる確率は上がります。

しかし、もし時間がなかったら、どうでしょう。ウェブサイトの制作実績などを見てもらえなかったら、能力は伝わりません。

このように、小さな会社になくて資格にあるもの、それが「信頼」です。

小さな会社は大手に比べて信頼度やブランド力が低いと言われます。その信頼を勝ち取るために、実績をつくり、大手法人と取引するために頭を下げ……ということをしているわけです。これに比べて資格は、一度取ってしまえば一生使える「信頼」になるのです。

このように、フリーランスで活動する際、資格は「短時間で圧倒的な信頼を得る」ことができます。私は資格の絶大な信用力に気がつき、さまざまなところで営業活動をおこなうようにしました。若くても、経験がなくても、資格は自分という人間に「信頼」を与えてくれるのです。

これはフリーランスで動くようになったら、大きな差になります。「すぐに信頼を得られる人」と「いつも信頼を得るまでに時間がかかる人」、あなたはどちらを目指しますか? 答えは言うまでもないはずです。

資格で成功できる人と成功できない人

ところで、同じ資格を持っていても、成功している人とそうでない人がいます。私と同じ行政書士を持っていても、まったく仕事が取れず廃業してしまう人もいます。この違いはいったいなんなのでしょうか。

ひとつは、資格を取ったら「資格がなんとかしてくれる」と思っているから。こういう人がまだまだ多いのです。

「行政書士を取ったのですが、これで食べていけますよね?」

そんなのわかりません。資格は使い方によっては絶大な力をもたらしてくれますが、自分がどうしたいという戦略がなければ効果は半減以下になります。

資格を取ってどのような状況を実現したいのか? そういったことを考えて活動していかなければならないのです。

ここが、資格の恐ろしいところで、無意識に「不成功マインド」がつくられてしまっています。資格を取って成功できないほぼ100パーセントの人が、この不成功マインドに陥ってしまっていますので、このマインドは完全に取り除く必要があります。

もうひとつ。資格を適当に選んでいることも成功できない理由なのです。要は、やりたくない資格を取ってしまっているということ。

「そんなことってあるの?」と思われるかもしれませんが、実際には少なくありません。資格系予備校のパンフレットの「年収1000万円確実」といううたい文句をそのまま信じてしまったり、動機が「その資格の仕事をしたい」ではなく、「独立起業」が目的だったりすると、「自分がやりたい仕事」を選べていないため、モチベーションが上がらないのです。

よく考えて見れば当たり前ですが、自分がやりたくないことは、当然やる気が上がりません。

最後にもうひとつ。やはり戦略がないこと。私は、資格を選ぶ段階にある方、または資格取得後にどうしていいか悩んでいる方から相談のメールなどをいただくと、必ず「資格を取ってから、どういう状況を実現したいのですか?」と聞きます。

実はほとんどの場合、これに答えられないのです。つまり、自分の未来設計ができていない。ですから、資格を取ってからも宝の持ち腐れになってしまうわけです。

資格は取る前から戦略を練る必要があるのです。

誰でもできる資格でつくる戦略的人生

はじめに書いたとおり、本書は資格を取る前に読む、あるいは資格取得後に使いこなせていない方のために書いた資格の戦略の本です。戦略的に資格を選んで、ステップを踏んでいけば、必ずあなたも思うような人生を歩むことができるはずです。

そのために重要なのが、まずは資格の謎を解き明かすこと。実は、資格にはあなたを失敗のスパイラルに落とし込んでしまう謎が隠されています。これに侵されてしまうと、資格で成功どころか、ドツボにはまってしまうのです。

次に重要なのが、資格の選択と試験対策。資格の選び方をほとんどの人が間違えています。

間違った資格の選び方をしてしまうと、とても不幸です。やりたくない仕事のために、必死で仕事をする……そんな生活を送ってほしくありません。

そして試験対策。間違った試験対策によって多くの方が受からない、落ち続けるというスパイラルに入ってしまっています。

重要なのはテクニックではないのです。資格選択と試験対策。これを戦略的に考えていくことが成功の秘訣と言えます。

最後のポイント。資格取得後を明確に描き、戦略を練ったあとで戦術をしかけていくこと。そして多くの成功事例に触れて実践すること。これが重要なのです。

資格を取って人生を積極的に彩ろう

いかがでしょうか。資格を使ってフリーランス能力を高めていくことの重要性、そして資格の持つ「信用」という威力はご理解いただけましたでしょうか。あなたも資格を取って、戦略的に人生計画を考えれば、必ず成功できます。

資格を取って、社内で昇進する、転職するというのもひとつの方法です。しかし、本当の意味で自分らしい人生をつくるには、自分の力で仕事を生み出し、収入を増やしていくことが重要だと思うのです。

資格を取って、すぐに会社を辞めろということではありません。何が起こるかわからない現在、安易に会社を辞めることはしないほうが賢明でしょう。いまお勤めの方は、勤めながら資格を使って人生戦略を練るチャンスなのです。

自分の収入は自分で決めましょう。誰かに評価してもらい、そこで決まる給与より、自分で収入をつくり出す積極的な人生を私はお勧めします。そして、今後はよりそうした選択をした人が勝ち残っていけるはずです。

次章からは具体的な内容を解説していきます。成功する資格人生の幕開けです!

※掲載されている内容は、作品の執筆年代・執筆された状況を考慮し、書籍販売当時のまま掲載しています。

本書「ごく普通の人でも資格を取ってきちんと稼げる本」は、当初「なぜ、人は資格に恋してしまうのか」と改題し、POWERCONTENTSPUBLISHINGより加筆編集の上再出版される予定でしたが、現在の刊行が未定となったため、現在は横須賀輝尚オンラインサロン四谷会議でその改変原稿を読むことが可能になっております。

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四谷会議は横須賀輝尚が考えていることの公開と実践と結果、検証、問題勃発などを一番近くで見られるところです。リアルタイムの舞台裏とでもいいましょうか。そのうえで考える力を身に付けてもらえるよう、毎日記事を投稿しています。コンセプトはGet "Think more."です。



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