もっと怯えるべきリポバッテリー
皆さんは大事な車や家が突然燃えたことがありますか?
僕はあります。
今日はそんな原因となったドローンのバッテリーのお話。
DJI製品のドローンバッテリーの充電は、基本的に専用チャージャーにバッテリーを接続すれば自動的に充電が始まります。また利用しない時間が一定時間経過すると、自動的に充電されたバッテリーを放電(電気を使う)してくれる機能を持っています
FPVドローンで利用するバッテリーはNon inteligentなので、自分で充放電を管理する必要があります。そこで必要になるのが機能性充電器で僕が使ってるISDT D2はパワーもあり使い勝手も良いチャージャーでおすすめです。
『ISDT D2 バッテリー充電器』
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充電するときには、気にする点がいくつかあります。
1.バッテリーの種類を意識する
ドローンに搭載するリポバッテリー(Li-Po)は定格電圧が3.7Vと決まっています。マックス4.2Vです。他にも身近な電池だとアルカリ乾電池などは公称電圧が1.5Vです。エアコンのリモコンなど2つの乾電池を使って動かしていますが、1.5Vの電池を直列で2本動かすので3V前後で動作させていると考えることができます。
例えばプロポ=コントローラーに使っているバッテリーはニッカドバッテリー(Nicd)やLi-feバッテリーなどがありますが、それぞれ使用できる電圧が異なります。
ここで重要なのは、異なる種類のバッテリーは最小電圧値や最大電圧値がそれぞれ異なるため、充電方法と充電されるバッテリーは必ず合わせないといけないということです。以前、私も無知なときにLi-FeバッテリーをNicdバッテリー用充電器で充電されてしまい、コントローラーごと破裂しました。(まずはバッテリーが膨張し本体が割れた時点で気づきました)一歩間違えば火事になる惨事です。
充電器によっては自動的に満充電を検知して、それ以上充電させない場合もあるのですが、Non Inteligent(=プログラム内蔵して管理できる)な充電器はそんなことをおかまいなしに必要な電圧になるまで永遠と充電し続けるものもあります。
2.バッテリーの「セル=Cell≒S」を意識する
リポバッテリーは複数のセルを直列につなげることで電圧を上げています。リポバッテリーのラベルをみると「4S 1800mAh 100C」など書いてありますが、この4Sというのが4セルというふうに置き換えることができます。
直列に対して並列という概念がありますが、並列の場合は電圧をかえずに電気容量(ここではmAh)を増やすことができます。直列で動作するかは先に説明したエアコンのリモコンの電池を1つだけ外してうごくか動かないかで判断することができますね。
ちょっと話がそれましたが、ドローンの場合はモーターのサイズや回転数(KV値)によって利用するバッテリーのセル数、つまりは動作させる電圧を変えます。このモーターは2207サイズの2500kvだから4Sのバッテリーで動かそうという具合です。4S=4.2V×4=16.8Vの電圧で動作するということです。
充電するときはこのセル数ごとに充電をする必要があります。バランスコネクタを接続するとセル数を管理しながら充電することができますので、充電器にまずはバランスコネクタを接続します。するとISDT充電器上に各セルごとの電圧が3.7Vとか4.1Vとか出てくると思います。正常なバッテリーであれば自動的に充電器側でセル数を認識してくれますが、他のチャージャーの場合は自分でセル数を明示的に指定する場合もあるので注意してください。
3.電流(A)値を指定する
バッテリーの種類(Li−Po)やセル数(4S)の指定ができていることを確認したら、電流値を設定します。これはAという単位で画面上表示されています。この電流値は充電のスピードに影響します。身近な例で考えるとスマフォの急速充電はこのAの値を大きく上げることを意味しています。
では、いつでもAを高く設定するのが良いのかというとそうではないです。バッテリーメーカーの公式説明は、1C-2C充電せよ、と書かれていることが多いのですが、これは1800mAhのバッテリーであれば、1.8A-3.6Aで充電せよと読み替えることができます。つまり、バッテリー容量のmAを1000かけてAに置き換えた値で充電するということです。
バケツに水を勢いよく出すと、水が外に飛び散りますよね?また満タンになったと思って水を止めても漏れてしまった分、嵩が減りますよね?
バッテリーの充電も同じように高い電流値で充電すると思った以上に容量が入らないことがあります。電圧だけが上がっても容量が正しく入っていないなら、実際に使ったときにいつも以上に電圧の減りが早いといったことも起きるのです。
もちろん急いでいるときなどは高い電流値で5C充電!などすることもありますが、基本的には1C充電くらいをこころがけて充電しましょう。
ラジコンヘリユーザーには高いCで充電する方がパワーが出るという意見があります。僕は感じたことはないですが、そういうこともあるのなもしれません。
4.便利だけどよくショートさせる並列充電
また、並列充電することで同時に複数のバッテリーを充電することもできます。
○並列充電ボード
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このときは、同じ種類、同じセル、同じメーカーのバッテリーを一緒に充電するようにしましょう。同じ種類・セルのバッテリーなら同時にもできますが放電レート(C)が変わる=充電時の推奨レートも変わる可能性があるためです。
よく並列充電ボードのバランスコネクタを挿入時に異なる電圧のコネクタを指してしまって発火するケースを多く見ているので(ゆうに20回以上!!)、確実に事故すると思って取り扱ってくださいね。
最後に。
昔海外のレースで一緒になったことがあるパイロットでこんな人がいました。FPVフライトを終えて、家に戻り充電を行い、そのまま外出して帰ってきたら家が燃えていた、という事例が実際にあります。クラファンして資金を募ってた彼はいまどうしてるんだろう。
皆さんの家も燃えませんように🔥
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