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利益率の高い業種×低い業種の有機的コラボレーション

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利益率の高い業種×低い業種の
有機的コラボレーション
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この2週間ほどでいろいろ考える機会があったので、頭の中を書き出してみるのですが、

今ぼくの中で高まっている関心事のひとつとして「いかに利益率の高い業種と低い業種とが手を取り合い、社会的なサステナビリティを獲得していくか」という小難しいテーマがあります。

(「利益率」という指標がこのテーマに適しているのかについてはまだ検討中ですが、ひとつの切り口として。)

もちろん細かな職種によって利益率に差はあるのですが、例えば、前者はWEBを主戦場にして無形商材を販売しているようなバーチャルな職種、後者は実店舗を構えたり有形物を売買するフィジカルな職種をイメージしていただくと、この差は明らかに存在していることを想像いただけるかと思います。

「同じ売上なのに、あの会社の方が手元に残っているお金は多いし、実際に働いた時間も少ない」ということが起こり得る現状に対して、今まで当たり前だと思っていましたが、ここ数日の間に違和感を持つようになりました。

(決してこれは職種による優劣をつけたり、分断を想起させる意図ではないことは先に断っておきます。)
 
 

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この2週間で得た気づき
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図らずも、たくさんの方とお会いさせていただく機会をいただきまして、

・南伊豆でペンション経営をはじめる先輩夫婦
・海水浴場にグランピング施設を作る方
・養鶏場の6次産業化を進めて、千葉県から圧倒的日本一を目指す方
・沖縄最北端の村の農業を発展させて地域の所得増を実現するための取り組みを行う方
・かき氷の素晴らしさを広める「かき氷協会」会長(かきごおりすと)
・生でも食べられるこだわりのスパイスを中東から仕入れて絶妙な調合を行うマダム
・主に西洋野菜を扱い、有名ホテルにも卸している、天才的な価値付けを行う農家の方

など、(普段なかなかお会いしていなかった)フィジカルなフィールドで闘う方々とたくさんお会いさせていただき、皆さんの溢れるビジョンと情熱から、ぼくの中にある憧れと好奇心が掻き立てられたのですが、

同時に、現場の問題もたくさんお聞きする中でシリアスな現状をヒシヒシと感じ、「ぼくはなんてリスクのない安全な場所から仕事をしているんだ」と、クリエイターとしての仕事の仕方や立ち位置についてとても考えさせられたことが、今抱いている違和感の発端になっています。
 
 

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例えば、クリエイターはもっとリスクを負うべき
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先ほど書いた違和感を解消するために、ぼくたちクリエイターにできることは何かをずっと考えていたのですが、具体的な話をひとつ挙げると、

例えば、先に出た農業や宿泊業のように、設備投資や人件費で毎月の支出が多いにも関わらず、薄利多売な競争に巻き込まれて、売っても売ってもお金があまり手元に残らない、みたいな方々に対して、

ぼくたちデザイナーやエンジニアたちは「初期費用を抑えてクリエイティブを投資する仕組みをつくる」なり「売上連動のインセンティブで報酬をいただく仕組みを採用する」なり、リスクを一緒に背負う姿勢をそろそろ見せてもいいのではないかと思うわけです。

(制作するものに対してもクリエイター自身に「いいものを作らなければ」という責任が生まれますし、長く併走しながら事業をよりよい方向に導くモチベーションが発生するので、基本的には良いことが多いと思っています。)
(売上に貢献できないクリエイターは淘汰されてしまうのと、売上が上がる見込みのない事業プランは後回しにされてしまうかもしれない、という懸念点はあります。)

結局、集客を目的にしているはずなのに、問い合わせの入らないホームページだけが手元に残ってしまい、その業者はまともに更新もしてくれない、もしくはタイムラグがあって困っている、みたいな問題を抱えている事業者さんに会うことがめちゃくちゃ多いので、

そうした不幸が起きない仕組みをつくり、チャレンジしやすい環境をつくることは、まずは社会的機能として必要だよな、とイチクリエイターとして思っているところです。

 
 
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利益率の高い業種×低い業種の可能性
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冒頭に書いたような「いかに利益率の高い業種と低い業種とが手を取り合い、社会的なサステナビリティを獲得していくか」という話に戻りますが、

例えば、利益率の高いクリエイターが、利益率の低い生産者が抱えるリスクの一部を背負うことで、サステナブルな事業展開を実現しやすくなるような気がしています。

最近聞いたところでは

【日本酒ラベル×外資高級アパレルブランド×NFT】

の話が案として進んでいることもお聞きして、これもまた「利益率の高い業種(ブランド)×利益率の低い業種(日本酒)」で事業のサステナビリティを高めていく構図だよなと思って、動向を見守ってます。

そう言えば今書きながら思い出したのですが、

大学生の頃に海外での途上国開発や日本国内での地域おこし(今で言う地方創生)的な活動の現場に関わらせていただく機会が多く、たくさんの事例を学び、実践を繰り返す中で

「社会的な活動を持続させるためには、経済活動としても成立している必要がある」

つまり、営利活動が伴わないと、事業として持続しない(サステナブルではない)ことを確信した瞬間がありまして、

有名な二宮尊徳(二宮金次郎)の格言のひとつ「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」がまさに指しているところだと思うのですが、

そんな営利×非営利の関係性も「利益率の高い業種×利益率の低い業種」がサポートし合う構図と同じだよなと、ふと思いました。
 
 

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利益率が高い=優れているわけではない
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利益率の高い業種が低い業種を一方的にサポートするような、立ち位置に優劣が付くような類のものではないことは声を大にして言っておきたいのですが、あくまで役割分担のようなイメージであり、持ちつ持たれつの関係性として手を組むことが前提になるものだと認識しています。

例えばうちは、今後クリエイティブを投資するクリエイティブキャピタルとでも言うべき働き方にシフトしていくつもりです。

そもそもクリエイティブ制作という仕事は、労働集約型としてスキルを切り売りしながら食いつなぐ生活になりがちなので、長期で継続的に報酬が発生するスキームをつくることは、クリエイターにとっても必要なワークスタイルになると言えます。

 
生産だけを行なっているため利益率が低く、ジリ貧になっている農家さんのお話などもたくさん聞きました。安全圏にいるぼくたちクリエイターがそんな現場の人たちのリスクを背負いながら、生産されたものを流通させるお手伝いをし、生産者の売上向上にコミットする。これは、社会的に意義深いことだと思うのです。

他にもいろんな事業者同士の組み合わせによって社会に価値を生み出していけるはずだと思ったので、「関係性のデザイン」をテーマにした弊社だからこそできるアプローチをたくさん仕掛けていきたいと考えています。

 
 
 
いろいろ考えながら書いてみましたがまだまだこのフレームワークに対する言語化が浅いのと、眠たくてまとまりきらなかったので、もう少し深掘りしながらリライトしていきます。

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コンテンツ会議

多くの人の個性や表現が埋もれてしまわないように、クリエイターとして、価値を掘り出し、届ける活動を行ってまいります。ブランドづくりに軸足を置いていますが、メディアでの発信や書籍展開など、活動の場の創出ができるようにも努めてまいりますので、どうぞご支援のほどよろしくお願いいたします。