多田容子

作家、武芸家。剣の道と古代心理学の探究者。源満仲(多田満仲)、織田信長、徳川家康の子孫…

多田容子

作家、武芸家。剣の道と古代心理学の探究者。源満仲(多田満仲)、織田信長、徳川家康の子孫。著書『新陰流サムライ仕事術』ほか多数。【公式サイト】http://www.yokotada.com/ 講演のご依頼▶http://yokotada.com/saishin/main.html

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最新のつぶやき、投稿2024

【2024.4.22】「論争」の時代から「悪人退治」の時代へ このところ、善と悪ということについてよく述べている。今の社会には様々な対立があるが、それが意外と、善と悪について論じていないということを指摘してきた。 近年、目立つ論点として「グローバリズム(全地球主義)」 VS「 ナショナリズム(国家主義、民族主義)」というものがある。 ナショナリズムの問題点は、戦後、長く語られてきた。自国や自分の民族を愛しすぎたり、国家という枠組み、単位にこだわりすぎることは危険だ。過度な

    • 「口伝」で受け継ぐ古代の知恵と近代心理学の違い──『自然和合エニアグラム 心を癒し、あなたを成長させる古代心理学』#2

      第一回はこちら 秘伝、相伝の厳しさ 約二千年もの間、秘伝であったエニアグラムが広く世に知られたことは、ある種の大事件といえるだろう。極少数の賢者のみが学び、身につけていた深い知恵に、誰でもアクセスできるようになった。 特に、多くの科学的、近代的な心理学者が研究を始めたことは、エニアグラムに様々な変化をもたらしたと考えられる。古くからの秘伝が、近代心理学の影響を受けたのだ。 「秘伝」というのは、師が弟子の中から、これぞという人物を選んで奥義を明かすという伝承の仕方である

      • 剣の神と鹿と正道古流の復興【4】時代劇と個人主義、中央集権、腐敗した国家像

        第一回からご覧になるにはこちら 前回の記事はこちら 昭和の時代劇の構造 戦後、敗戦国の日本では、剣術がほとんど過去のものとして葬られ、武士のイメージも大きく歪められた。 そんな時代に、何とか武士の「カッコよさ」を表現しようとしたのは、時代劇だろう。 江戸時代も多く取り上げられ、剣術もチャンバラという形で描かれた。 筆者が侍や剣に興味をもったのも、時代劇がきっかけである。 時代劇のヒーローは、自分のできないようなことを何でも実現してくれる。 非力な私たちの代わりに暴れ

        • 剣の神と鹿と正道古流の復興【3】正義、大義とは何か

          第一回からご覧になるにはこちら 前回の記事はこちら 武士が示した慎ましさと、国を守るための勇気 日本の庶民は頭が良くて勤勉。中には、豊臣秀吉のような天才、傑物もいた。そんな侮れない民を統治する武士は、厳しい法を守り、油断なく知恵を深め、己を磨かねばならなかった。 多くの武士が、高い意識と能力で公に尽くし、平和の維持に貢献した。 日本の武士は、愚かで非力な民から一方的に搾取していたのではない。 武士の中には貧しい者も多く、彼らは私利私欲を捨てて国に奉仕していたのである

        最新のつぶやき、投稿2024

        • 「口伝」で受け継ぐ古代の知恵と近代心理学の違い──『自然和合エニアグラム 心を癒し、あなたを成長させる古代心理学』#2

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        • 剣の神と鹿と正道古流の復興【3】正義、大義とは何か

          剣の神と鹿と正道古流の復興【2】戦後に作られた武士のイメージ

          前回、第1回はこちら 敗戦国、日本と剣術 最近、戦後に習った日本の歴史が本当に正しかったのか、という疑問の声が高まっている。 昭和の大戦後、敗戦国となった日本はいろいろな制限を受け、それまでの伝統をかなり捨てざるを得なかった。 この過去が今、強く認識されるようになり、戦後の日本人の思想の偏りや不自然な教育、管理システムの是正が求められている。 昭和の時代、剣の世界も、もちろん敗戦の影響をもろに受けた。 日本人と剣は、昔から切っても切れない関係にあり、日本人の戦いがいく

          剣の神と鹿と正道古流の復興【2】戦後に作られた武士のイメージ

          自立した人々による主体的な協力の時代───分野を超えて今を表現する

          今日、2023年8月22日は何の日でしょう。 夏休みの一日だと答える人もいるでしょう。 伝統的な暦や吉凶などに詳しい人なら、一粒万倍日(一粒の種が大きく実る吉日)と言うかもしれません。 世界情勢に関心のある人は、どこかで、ある大きな出来事が始まることを知っていて、注視しているところだ、と言うかもしれません。 どのような分野の人にとっても、大きな意味でも小さな意味でも、今に共通するキーワード。それは「自立」だと感じます。 これと似た意味で「主体性」という言葉も重要だと思いま

          自立した人々による主体的な協力の時代───分野を超えて今を表現する

          自然和合エニアグラム 心を癒し、あなたを成長させる古代心理学 #1──性格タイプを知るための25の質問

          世界の古代心理学と「秘伝」エニアグラム 心理学というと、近現代の学問であり、欧米が発祥だと考える人が多いかもしれない。 しかし、これは誤解だ。 人間は古代から「心」というものについて探究しており、そこに一定の理や法則があることを知っていた。一部の賢者や学術者は、現代人の常識を遥かに超えるような深い叡智を身につけていた。 東洋では紀元前に孔子が儒学を創始し、二千年以上前から仁義礼智信という言葉や概念、感覚が定着していた。 こうした古代の東洋思想は、現代においては「心理学

          自然和合エニアグラム 心を癒し、あなたを成長させる古代心理学 #1──性格タイプを知るための25の質問

          剣の神と鹿と正道古流の復興

          はじめに 今、日本人は、本来の心と歴史を思い出すべき時だと感じている。 過去150年ほど否定されてきた武士の時代を正統に評価し直し、古代から続く自国の長い伝統を誇るべきだ。 そのための一つの鍵が「武道」であり、「剣」であると思う。 日本人は、剣とその心をずっと大切にしてきた。 剣は武器であっても、ただの武器ではなかった。 それはとても神聖なものであり、通常の刀の意味を超えた役割を有していた。 日本の剣の神は、かなり独特である。 力自慢の武神を倒し、最強の神といわれるが、

          剣の神と鹿と正道古流の復興

          日本式サムライ経営術 序論

          はじめに 皆さんは、職場で何か変だな、と感じていることはないだろうか。 学校や家庭なども含めた社会の中で、長年、疑問をもっていることや、違和感を覚えていることはないだろうか。 皆の言っていること、していることが、不自然だ、と感じることはないだろうか。 自分の本心を偽っている、と思うことはないだろうか。 それでいて、何となく「仕方がない」という諦めのような気持ちと空気に包まれてはいないだろうか。 この違和感やストレスは何なのか。 一つは、心と身体に無理がかかっているというこ

          日本式サムライ経営術 序論

          歌う自力整体──気分に合わせて心も癒す

          最近、原稿を書き過ぎて、机にかじりつき過ぎて非常に疲れた。 気分も落ち込み、何もやる気がしない。 仕方なく長時間、寝てみた。 少し回復したが、寝過ぎてもまた身体が弱る。 そしてまた、何もする気がしなくなる。 食糧を買ってきて、料理をして食べることすら、したくない。 典型的な悪循環だ。 しかし、筆者はこの状態に慣れている。 いろいろと、自分を治す方法を知っているのだ。 少し外を散歩するか。 おシャレな場所にでも行って気晴らしをするか。 どちらもよい考えだ。が、暑い季節とな

          歌う自力整体──気分に合わせて心も癒す

          「英雄たちの選択」 家康 絶体絶命!金ヶ崎の退き口 の真実──カット部分&言い残し

          先日、2月15日にNHK BSプレミアム「英雄たちの選択 家康 絶体絶命!『金ヶ崎の退き口』の真実」が放送され、筆者はスタジオゲストとして出演した。 【番組内容の説明】 「金ヶ崎の退き口」とは、1570年、織田信長が朝倉攻めを行なった際、浅井長政の裏切りにより、突然、窮地に陥り逃亡した撤退戦のこと。徳川家康は29歳で信長に従っていた。大将の信長が逃げたため、徳川軍は前線に取り残され、危険な撤退戦を行なうこととなる。織田軍の中では、豊臣秀吉(当時は木下藤吉郎)が最後尾におり、

          「英雄たちの選択」 家康 絶体絶命!金ヶ崎の退き口 の真実──カット部分&言い残し

          「相似」で観る現代──混乱する社会で武士のように生きるには

          近年、世の中は大きな不安に覆われている。いろいろと疑わしいことが多く、何事においても慎重に判断し、行動する人が増えた。 よく言えば、皆が真面目で堅実になったといえるかもしれない。 若い人なども、大体、優等生的な言動をし、社会的規範から逸脱しなくなった。 マナーが良く、潔癖といえるほど、きちんとしている。

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          「相似」で観る現代──混乱する社会で武士のように生きる…

          広い世を観て、新しい世を創る──不変の法則「相似」

          世界は多くの類似点や共通点をもち、「相似形」で成り立っている。 自然界に「相似形」が満ちていることは、すでによく知られている。木の葉の形と、木の概形はそっくりである。葉の中心を貫き、分かれていく葉脈は、まるで木の幹と枝だ。 人体においても、例えば指紋はずっと同形または相似形である。子どもが大きくなり、手が大きくなっても、基本的な指紋の特徴は変わらない。太っても、指の皮が古くなって再生されても、その個性的な模様は変わらないのだ。 「相似形」や「相似性」に気づけば、何らかの「不

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          広い世を観て、新しい世を創る──不変の法則「相似」

          私はゲストの一人としてスタジオ出演をし、徳川家康について熱く語ってきました。 兵法についてもいろいろと話しましたので、番組で採用されていることを祈ります。 https://www.nhk.jp/p/heroes/ts/2QVXZQV7NM/episode/te/WW284XJNY1/

          私はゲストの一人としてスタジオ出演をし、徳川家康について熱く語ってきました。 兵法についてもいろいろと話しましたので、番組で採用されていることを祈ります。 https://www.nhk.jp/p/heroes/ts/2QVXZQV7NM/episode/te/WW284XJNY1/

          本日20時~放送の『英雄たちの選択』NHK BSプレミアムに出演します。テーマは「金ヶ崎の退き口」。織田信長の朝倉攻めに従った29歳の家康は、浅井氏の裏切りをきっかけに危機に瀕する。この撤退戦についてかなり具体的な調査が行われ、興味深い内容の番組になっていると思います。

          本日20時~放送の『英雄たちの選択』NHK BSプレミアムに出演します。テーマは「金ヶ崎の退き口」。織田信長の朝倉攻めに従った29歳の家康は、浅井氏の裏切りをきっかけに危機に瀕する。この撤退戦についてかなり具体的な調査が行われ、興味深い内容の番組になっていると思います。

          ですから、あなたは格別、知恵の深い人物となるに違いない。今は苦しくとも、学問に励み、立派な将となりなさい。母は楽しみにしています。 竹千代は母の文を何度も何度も読んだ。────『大樹の心』引用、以上。

          ですから、あなたは格別、知恵の深い人物となるに違いない。今は苦しくとも、学問に励み、立派な将となりなさい。母は楽しみにしています。 竹千代は母の文を何度も何度も読んだ。────『大樹の心』引用、以上。