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岡崎カメラがっこうに参加して感じた、ローカルフォトというローカルに住んでいるからこそできる写真を通じたまちの魅力の伝え方

カメラを持ってまちを歩き、写真を通じてどのようにまちの魅力を伝えるのかを考える「写真でまちをもっと知ろう!岡崎カメラがっこう」の第1回目が2018年12月8日に愛知県岡崎市の二七市通りにある wagamama house で行われました。

「ローカルフォト」でまちの魅力を発見・発信している写真家のMOTOKOさん、岡崎市出身で「小豆島カメラ」という活動をされている三村ひかりさん、途中から岡崎でまちの魅力を Instagram などで発信している山本倫子さんも参加して、トークライブが行われました。

ローカルフォトとは

MOTOKOさんによるローカルフォトとは何かというところから、トークライブはスタート。ローカルフォトとは何かを自分なりに整理すると「ローカルに暮らしているからこそ発見できるまちの魅力を見つけ、まちの人たちと交流を深めながら、写真を通して人と人とが繋がり、自分たちのまちに誇りが持てるようになる活動」だと思いました。MOTOKOさんは、個人的なプライベートな写真でもなく、仕事的なパブリックな写真でもない、その中間ぐらいの、まちのためになる写真がローカルフォトだということも話されていました。

MOTOKOさんは、全国9カ所でローカルフォトに関する活動をされていて、そのうちの1つが、三村ひかりさんと活動をされている「小豆島カメラ」です。

小豆島の日常を発信する小豆島カメラ

岡崎市出身の三村ひかりさん。小豆島で農業を営み、金土はカフェを運営。高校まで岡崎で暮らし、大学から名古屋へ。2012年に「生きること自体を働くことにしよう」と旦那さんのおじいちゃんの地元小豆島に移住されたそうです。(参考:小豆島の里山から|「colocal コロカル」ローカルを学ぶ・暮らす・旅する

小豆島カメラがはじまったきっかけは、2013年夏にMOTOKOさんが島に来て、デザインの地産地消をしようと話をされたことから。瀬戸内国際芸術祭終了後は外部のアーティストは不在になってしまう、暮らしているからこそ見つけられる島の魅力を発信する地元のアーティストが必要ではないかと話をされたそうです。行政の取り組みではないのですが、MOTOKOさんは絶対島のためになる活動だから協力をしてくださいと町長にも話をしに行ったそうです。

小豆島カメラは、観光地とかではなく、小豆島の日常の暮らしを発信しています。メンバーは7人。曜日ごとに担当を決めて、毎日Webサイトで更新しているそうです。この毎日続けていると、さらりと話されていましたが、本当にすごいなと思いました。活動は5年間続いているので、少なくとも1500枚以上の写真がWebサイトにアップされているそうです。5年間の活動を通して、島の人にも認知されるようになり、カメラをさげていると小豆島カメラの人ですかと声をかけられるようになったのだとか。続けるって本当にすごい。

具体的に発信しているものは「見たい、食べたい、会いたい」をキーワードにした写真。特に大事なのは「会いたい」が伝わる写真。見たい、食べたいだけだと、北海道や沖縄など、国内でも絶景や美味しいものはいくらでもあります。会いたいが加わることで、小豆島に行かないと会えないとなる。そのために、人の写っている暮らしの中の風景を意識的に撮っているそうです。三村さんは写真を撮らせてもらうために、活動の説明から、1時間〜2時間色々話をして写真を撮らせてもらっているのだとか。そして撮った写真をプリントして持っていったりしながら地域の方と関係性を築いているそうです。本当にいい写真をちゃんと撮ったらみんな喜んでくれると話されていました。

小豆島カメラとして活動を続けていくためには、7人のメンバーで役割分担をしながら、仕事ではないので自分たちがいかに楽しむかが大切と話されていました。小豆島カメラは FacebookページInstagramもやっているのですが、Facebookページに関してはいいね!の数が1万超えてます。毎日続けていることと小豆島の日常の暮らしという切り口が、多くの人の心を惹きつけているわかりやすい実績だと思いますし、これだけの反響がメンバーの続けていくためのモチベーションに必ずなっているのだろうなと思いました。

カッコ良いと信じて撮るとまちは変わる

MOTOKOさんは、「くるり」の京都タワーのジャケットの撮影を手がけられています。撮影当時、京都タワーは運営も厳しい閑散とした場所だったそうです。「くるり」から京都タワーをまっすぐの目線で人のようにカッコ良く撮って欲しい依頼があり撮影。京都タワーは「くるり」のアルバムのジャケットがきっかけでファンが押し寄せるようになり復活したそうです。撮影対象を心からカッコ良いと思って撮ることで、状況がこんなにも変化するのかと印象的な話でした。

岡崎の魅力を発信する michinomachi

岡崎のまちの魅力を Instagram などで発信する山本倫子さん。岡崎市で行われたリノベーションスクールやトレジャーハンティングという取り組みに刺激を受けて Instagram で michinomachi というアカウントを開設。岡崎の魅力を発信してきて一番の変化は、岡崎が好きという漠然といた思いから、より具体的に愛着や愛情が湧いてきたこと、わかっていなかった岡崎らしさが見えてきたことだそうです。不動産のお仕事をされていて、岡崎を案内した友人から「みっちゃんに岡崎を案内されたら岡崎に住みたくなる」と言ってもらえて、それを形にしていけるようにしたいと話されていました。

まちの魅力を写真を通して伝えていきたい

MOTOKOさんは、三歩先(ちょっと先)の未来を想像して写真を撮って欲しい、皆さんの三歩先の未来を教えてくださいと話されていました。

僕自身、今岡崎の中心市街地で行われている取り組みに興味を持ち関わるようになりました。もともとカメラは趣味で好きだったので、機会があれば撮るようにしていましたが、最近いろいろな場面でまちの人たちの活動の様子をカッコ良く撮って伝えていくことの大事さを感じていたところで、この岡崎カメラがっこうの話は本当に腹にストンと落ちる内容でした。

今岡崎市は中心市街で行われている取り組みがきっかけで魅力的な人たちがたくさんいます。そしてその人たちは自分たちがほしい暮らしを実現するために活動をしていてめちゃくちゃカッコ良いです。ローカルに住んでいるからこそできるカッコ良い人たちを写真に撮って、まちの魅力として発信し続けていければと思っています。

会場の様子の写真は当日撮影したもので、京都タワーの写真はMOTOKOさんより提供していただきました。