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ゆびで創られた世界に誘われて

みなさんこんばんは。(読まれる方は、ほとんど朝でしょうから、おはようございますかもしれません。急な仕事明けで目が冴えて、変なテンションでお送りします。)
「春ピリカグランプリ」の結果発表が昨日行われましたね。

まず、「春ピリカグランプリ」を主宰してくださったピリカさん、今回も素敵な企画を催してくださり本当にありがとうございました。
そして、運営・ご審査くださったみなさん(お名前省略お許しください)、ありがとうございました。
「ゆび」というテーマは、今回の受賞作はもちろん、111作品の多様性を生んだ、素敵なテーマだと思います。パソコンにしろ、スマホにしろ、手書き文字を起こされたにしろ、「ゆび」なしに創作はありえません。創作に欠かせない「ゆび」で綴られる「ゆび」がテーマの作品群は、みなさんの個性と熱意と努力が結集した素晴らしいものばかりだと、まだすべて読めていないものの、読ませていただいた作品を通じて確信しております。
春ピリカグランプリのマガジンは、「ゆびで創られた世界」が詰まった宇宙だと思っております。
私自身、自分では思いつかないテーマをいただき、創作意欲を掻き立てられました。
素晴らしい企画を運営してくださり、心より感謝申し上げます。

ピリカさんのお声と記事もぜひ。
あぁ、ピリカさんだなぁと思ったのは、正直にへとへとだと吐露してくださったこと、そして、まず、受賞しなかった私たちに心を寄せてくださったこと。
だから、応援させていただきたくなるんです。参加したくなるんです。

ピリカさんもおっしゃる通り、いぬいさんの朗読、カニさんのバナーも素晴らしいです。
副賞というにはあまりに大きい贈り物、たった1ヶ月ほどのための大切な看板。
文字だけでは読みにくい方への配慮もあるのかなと勝手に想像し、胸が熱くなります。

そして、ご審査。上記の「講評」を読めば、熱意と本気度はお分かりかと存じます。心からの講評です。忌憚のない、でも愛ある講評です。1ヶ月向き合い、講評発表まで、みなさんきっとドキドキなさっていたと拝察します。
運営については、もう、光のような速さでマガジンに作品を追加され、すかさずコメントを入れられる。大変ですよ。目を皿のようにして、朝も夜もなく111作品を見守り続けるのは。

大変個人的なことで恐縮ですが、前回から今回で、私自身に変化がありました。
朗読をたまにするようになったことです。
また、前職、現職ともに仕事でデザイナーさんと関わって依頼したり、企画を同僚と協力して動かしたりしてきております。
だから、「ピリカグランプリ」プロジェクトがどれだけ大変か、すごいことなのか、ほんのすこしだけわかるというのもおこがましいですが、想像にかたくありません。
続けてくださり、続けて関わってくださる運営、ご審査、デザイナーさん、ナレーターさんがいるというのは、ピリカさんの人望が厚く、支えられるみなさんがお優しいからですね。
関わられているみなさんに改めて、感謝申し上げます。

そして、受賞されたみなさん、本当におめでとうございます!!🎉✨
読んだ作品、すべて素晴らしかったです。それは、受賞されたものも、されていないものも。私の敬愛するフォロワーさんたちも受賞されていて、勝手にうれしくなりました。
まだすべての作品を読めておりませんので、これから少しずつ拝読したいと思います。
まだお読みになっていないみなさん、珠玉の作品が集うマガジンをぜひ✨

受賞された作品はさすが!と言うべきものばかりです。
また、受賞していない作品にも、個人的にとっても好きな作品がたくさんあります。
こんな素敵な作品、作家のみなさんに出会え、読むことも書くことも楽しませていただき、感謝の念に堪えません。

*

では、感想を書かせていただきます。
※ここまでで既にめちゃ長なので、運営、審査員ほかみなさんは、ここまででかまいません。
私の作品の裏側が知りたい方だけ読み進めていただけましたら…

私が書いたのはこちらです。

今回も、参加前に審査員のみなさんの心構えを拝読し、大変勉強になり、熱意も伝わってまいりました。この思いにしっかりお応えしたいという気持ちと、前回の反省を生かして臨みました。
どんなゆびの作品にするか、とっても悩みました。いくつもの案が浮かびました。これらもネタ帳にすべて残しているので、いつか形にしたいと思っています。特に、本当はこのテーマで書きたいというものが、明確に一つあったんです。でも、私の力量では、期限までに、1200字で書くことはできませんでした。これだけは、ちゃんと本気で形にして、このnoteでいつか公開したいと思っています。
「指輪」なんてありきたりかな、オリジナリティ出せるかなとも思ったものの、他にうまくまとめられず、「指輪」にまつわる話でいこうと決めたのが、ゴールデンウィーク直前。そこから、ざっくりプロットと主人公、店員、職人の人物造形を考え、ちゃんと書き始めたのは5日(金)。一晩置いて出そうと朝読んで、本当に一晩置いてよかったと思いました。翌日手直しして提出。

応募作品については、テーマに即したものになるよう入念に推敲したつもりです。「指輪」が軸だけど、作品全体を通して「指」を感じられるようにしようと努めました。
本当は、ここをもっとこの記事で掘り下げようかと思いましたが、とんでもなく長くなりそうなのでやめておきます。そんな解説がいらないのが一流の作品ですから、解説がいる時点でまだまだだなぁ、精進せねばと思っています。とはいえ、やっぱり悔しい!ちゃんと、ネタ帳にびっしり書き残していますので、次への反省にしたいです。
でも、70人以上の方がスキをしてくださり、コメントもたくさんいただけたこと。これだけでありがたいです。春ピリカグランプリに書いてなかったらこんなに読まれていませんでした。
1200字でどこを残してどこを削るのか、非常に悩みながら推敲していったのでした。
ルビをどの程度つけるべきなのかも迷いました。前回は「点ける」が少し特殊かなとつけました。また、特殊な名前、地名などの場合はつけたほうが読みやすいかなと。今回、そういう特殊なものはなく、ただやや読みづらい字もあって。表外読みにつけるかと調べると結構あり、全部つけてたら逆に読みづらい?と迷走していき、調べてみると、人によってルビがほしい漢字がずいぶん違い、私も結構その感覚とずれており私の感覚も信じられなくなり、一周回って今回はつけないことにしました。

今回も、やはり人の営みが感じられる作品にしようと思いました。AIやオートメーションが求められるこの世の中で、オーダーメイド、手仕事にこだわる人に焦点を当てたくなりました。
人間でしかできないことが、まだまだあると思っています。他のいろんな仕事も。AIに取って代わられることも、効率化や人材不足で削減されることもあるでしょう。それでも、時代に合わせ、機械と共存し、効率化を図り、育成を行いながら、矜持を捨てない。そして、思いやりを持ち、お客様、同僚を大切にする。そういう人が、いい仕事をするんじゃないかと思っています。
前回に引き続き、仕事(家事労働も含みます)をされているすべてのみなさんへの敬意を込めて、執筆いたしました。

作品としての完成度に言及すると、ショートショートとしては、ラストが弱いなと思っております。前回もそうでしたが、ショートショートはまだまだ苦手です。

なぜ私たちは書くのか。書かずにいられないのか。
別企画に、川柳を一句寄せました。

AIに書けぬものをと筆を執る

人間が人間たる特徴のひとつ、それが「ことば」を司ること。指で「筆」を持つこと。
私たちは、ことばを通じて(非言語も使いながら)、コミュニケーションを行います。考えます。そして、行動します。
スイスの言語学者ソシュールは、「言語が世界を分節する」と考えていました。
まず「言語」があって、「言語」が「概念」を構築するという考えです。
たとえば(適切かは専門的には自信がありませんが)、日本語では、「水」「湯」と、温度の違いで異なる言葉がありますが、英語には「water」しか存在しません。お湯を表すには「hot」をつけなくてはなりません。兄と弟、姉と妹も、英語は区別していません。「older」「younger」がついていなければ、文脈で判断せざるを得ません。逆に、英語では、「tree」(生えている木)「wood」(伐られた木)と、木の状態で異なる言葉がありますが、日本語では「木」で表します。「あそこに木がある」と言ったとき、それは、そびえ立つ大樹かもしれないし、丸太の材木かもしれない。この差異が、言語圏の違いによる文化的差異を生んだのかもしれません。国内でも、方言が違えば、考え方に影響を及ぼしているかもしれません。敬語表現のあるなしも方言で異なります。
ことばを司るのが人間なら、AIと共存するうえでも、ことばを諦めたくない。そして、ゆびを使って書きたい。そういう思いをもった人が、ピリカグランプリ参加者のみなさんなのかなと思っています。
「ペンは剣よりも強し」
これからも、ペンを握り続けたい。そして、このピリカグランプリが続くように、みなさんの幸せと平和を願ってやみません。

春ピリカグランプリがなければ生まれなかった作品が書けたこと、春ピリカグランプリがなければ出会えなかった新しい方々、その方々の素晴らしい作品に出会えたこと。かけがえのない財産です。
運営のみなさん、読者のみなさんにも、心より感謝申し上げます。
どうかゆっくりお休みください。

余談
「指」でカメラロールを検索すると、ほぼ顔の横でピースサインをしていて使えず、見出し画像が唯一使えそうなものでした。もう一枚は、とんぼを素手で捕まえている写真。これも、人によっては嫌かなと、見出し画像にするのは控えました。
ピリカさんの音声でも、審査員のみなさんの心構え、講評でも「指」が多用されていて、さすがだなぁと感じ入りました。

サポートしてくださる方、ありがとうございます! いただいたサポートは大切に使わせていただき、私の糧といたします。