「すまいるスパイス」と「ピリカ文庫」へ感謝を込めて

 長い文章が読めない。テレビが観られない。こういうときはないだろうか。私にはある。心に余裕がないとき、長い文章や、情報量の多いテレビは時に苦痛で、元気になるまで遠ざける。今の自分もそういう気分の中にいて、noteとの距離感を測っている。
 そんな今日聴いた「すまいるスパイス」は、本当に感動して、しばらくコメントを残せないほどに感極まって、コメントさせていただいてからも何度も聴いている。それでは足りずに、過去の放送でまだ聴けていないものも聴きながら、今書いている。

 ピリカさんの書かれるエッセイや小説もとても素晴らしいので、声やお話の虜になった方はぜひピリカさんの作品も覗いてほしい。

 こーたさんの作品、大変申し訳ないことにまだ連載小説は読めていないのだが、詩がとても好きだ。こーたさんの作品もぜひ。

 私は幾度となくラジオや短編小説に救われてきた。その話を書いていたら長くなったので、また今度書いてみたいと思う。
 noteに昨年9月に出会ってしばらくして、フォロワーさんが書かれていたことで「ピリカ文庫」を知り、フォロワーさんが書かれていた作品の朗読で「すまいるスパイス」を知った。だから、大変申し訳ないのだが、「すまいるスパイス」リスナー歴は実は浅い。(ピリカさんたち、申し訳ございません。)今少しずつ、過去の放送を遡って聴いている。「ピリカ文庫」も同じく、過去作品を遡って読んでいるところだ。
 初めて読んで、聴いたとき、驚いた。noteはつくづく才能の宝庫だと思うが、このときもそう思った。
 「ピリカ文庫」の作品は、長さも読みやすく、その短い文章の中でどれも個性が光り、素晴らしいものばかりだ。短い文章で、決められたテーマで、こんなにもご自身の世界観を表現できるクリエイターさんがたくさんいて、それを察知しお声がけされている編集長のピリカさんもすごいなぁと思った。小説をほとんど書かれたことがないという方もいらして、でもその方の作品もとっても素晴らしいものだ。
 「すまいるスパイス」では、ピリカさん、Marmaladeさん、こーたさんの心地よい声で楽しいお話が繰り広げられる。長時間こんなにお話が尽きず、あっという間に終わってしまうフリートーク。真剣にお答えになるお悩み相談に頷きながら、なるほど!と発見がありながら聴かせていただく。ゲストさんからのお話を引き出す巧みな話術で楽しませてくださり、ゲストさんも安心して話していらっしゃる。聴き始めてすぐ、その和やかな空気感に惹かれ、どんどん引き込まれていった。そして、朗読。ラジオドラマを聴いたことはあったが、朗読を音声配信で聴くのは初めてだった。少しの緊張感がありながら、心を込めて読まれる作品。文字で綴られていた鮮やかな世界。その作品を読むだけで物語の世界に引き込まれ、心を鷲掴みにされるほどにもちろん素晴らしいが、朗読という形で作品を聴くと、その世界がきらめきを増し、より耳から頭に心に染み込んでいくのを感じた。脳内で繰り広げられていた音声に温度が乗り、生き生きとする。小学生の頃に音読をした楽しさや、絵本の読み聞かせをしてもらったときのワクワクを思い出しながら、音声だけで聴くよさを新たに知った。ピリカさん、こーたさんの、作品への敬意も感じられて、なおのこと気持ちよくのめり込んで聴くことができる。
 ラジオも短編小説も好きな私にとって、「すまいるスパイス」も「ピリカ文庫」も私得な素晴らしい音声配信、小説集だ。

 今回、はらつくねさんの「吹雪の夜に」と拙作「花と雪舞う中で」を朗読してくださった。

 はらつくねさんの「吹雪の夜に」は、昔話。昔話を読むのはとても久しぶりで、ワクワクしていたら…!とあるところで声に出して笑ってしまった。そこからもう、主人公与作と女(あえてこう書かせていただく)のキャラクターに惹かれ、ふたりがどうなっていくのだろうとドキドキが止まらない。ユーモアのセンスが光り、吹雪のお話だけれどもあったかい作品。それを、こーたさんがゆったりと落ち着く声で、表記もふまえて読んでくださる。ぜひ読んで、聴いていただければと思う。

 拙作については、ピリカさんが読んでくださったのだが、もう女将さんがイメージぴったりで、最初に聴いたとき手を打って高鳴った。ピリカさんのお声で聴かせていただき、こんな贅沢なことはないなぁと、この作品を書いてよかったと思った。主人公の木訥ぼくとつさも伝わってきて、ああ、読み込んでくださったんだなぁと感じてうれしかった。私も九州に住んでおり、たとえば大分でも由布院や日田なら雪も積もるが実家はそこにはなく、福岡の今暮らすところも雪はたまにパラパラ降る程度。「吹雪」というテーマをいただいて悩み、過去に数度経験したそこそこ激しい吹雪を思い出しながらいくつか考えたが、読んで楽しんでいただけ、朗読に耐えうるものと考え、ピリカさんこーたさんのお声やお話からの印象を考えたとき、このような話に落ち着いた。テーマがテーマなのでもちろん情景には気を配り、その情景だけでなく、苦戦した見出し画像や料理の描写にも触れていただき、こだわった細部まできちんと味わってくださったことがとてもうれしかった。お待たせしたが、推敲を重ねてよかった。ピリカさんが言ってくださったように、せっかくの「ピリカ文庫」なので、「冬ピリカグランプリ」に向けて温めていた案も生かそうと盛り込んだ。
 その上、先日のバレンタイン特別配信に寄せた「アナウンス部SP大作戦」にまで触れていただき、恐縮だった。私は、紫乃さんも加えた四名の素晴らしい配信を聴かせていただいたお礼をお伝えしたかっただけなのに、逆にうれしいお言葉を頂戴し、紫乃さんからはサポートまでしていただき、とってもうれしかった。
 二作の朗読の後のお二人のトークがまた楽しかった。
 こーたさんの行きつけの喫茶店、漫画、メニューのお話も素敵で、ピリカさんのお仕事にまつわるお店やごはんの話は新鮮で興味深かった。冬営業の頃、営業準備で二時間以上営業車の前にいるとき、雪は降らずとも寒くて凍えそうで、とにかくあったかいごはんが恋しかった。その営業後の行きつけのレストランのことを思い出した。私はゴローさんみたいにひとりで脳内で食レポをしながらおいしさを噛み締めていた。今は本当に飲食店で過ごせず残念だが、またテイクアウトだけでなく、気兼ねなくお店に行きたいなぁと思う。冬は寒さで本当に身も心も冷え、辛くなる。あったかいごはんを食べるって本当に大事だなぁと思う。
 こーたさんのご出身の雪国ならではのお話も、大変勉強になった。私は、本格的な吹雪はニュースなどでしか見たことがない。営業の先輩方で東北にいらっしゃる方も何名かいて、話に聞くだけでも大変そうだった。雪かきに始まり、雪かきに終わる。毎日それをなさっている雪国にお住まいの方々のご苦労を知り、大変ですごいなぁと思った。本当に、雪国にお住まいのみなさま、どうぞご自愛ください。地域によって見える景色や経験が違うのも、当たり前だけど心に留めていたいなぁと思う。
 「吹雪」というテーマを設定された理由も聴くことができ、なるほど!と思った。私も、本当の吹雪を経験されている方ならではの臨場感溢れるお話も読んでみたいなぁと思った。

 改めまして、今回、「ピリカ文庫」にお声がけいただき、「すまいるスパイス」で朗読してくださり、本当にありがとうございました!どちらもとってもとっても憧れていたので、うれしかったです。

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