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ただのフリーターがマンガ原作者になるまで。その26

はじめに
この物語は、ノンフィクションであり、現在進行形であり、タイトル詐欺になりうることも厭わないスタイルなので、登場する名前は実在する事件・団体・人物と全くもって関係があります。

野崎まど作品にどハマり中

作家の野崎まど先生を知っているだろうか。まあ、物書き志望なら名前くらいは聞いたことがあるかもしれない。アニメ「正解するカド」、映画「HELLO WORLD」などを手がけたことで知られる作家だが、小説作品がこれまたとてつもなく面白い。
2009年、第16回電撃小説大賞の一部門として新設された「メディアワークス文庫賞」で初の受賞者となった。その作品「[映]アムリタ」がそれはもうとんでもない出来なのだ。
あらすじはこんな感じ。

自主制作映画に参加することになった芸大生の二見遭一。その映画は天才と噂される最原最早の監督作品だった。彼女のコンテは二見を魅了し、恐るべきことに二日以上もの間読み続けさせてしまうほどであった。二見はその後、自分が死んだ最原の恋人の代役であることを知るものの、彼女が撮る映画、そして彼女自身への興味が先立ち、次第に撮影へとのめりこんでいく。

しかし、映画が完成したとき、最原は謎の失踪を遂げる。ある医大生から最原の作る映像の秘密を知らされた二見は、彼女の本当の目的を推理し、それに挑もうとするが――。

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ぶっ飛んだ設定でぶっ飛んだどんでん返しをしてくるものだから、物語でぶん殴られた気分になる。
これぞ予測不能な展開かと唸る出来だ。ネタバレをしたくないので深くは語れないが、無理がありそうなアイデアを独創的な世界観と理屈で読者に納得させてしまう技術が並外れている。
私は「[映]アムリタ」の他に「舞面真面とお面の女」「死なない生徒殺人事件〜識別組子とさまよえる不死〜」を読んだが、その全てが予測不能で面白い出来栄えである。また、加えて「小説家の作り方」「パーフェクトフレンド」という作品も刊行されており、それも今後読む予定だ。
そして、「2」という作品において、この5作品に登場したキャラクターが総登場する後日談が展開されるらしい。いやはや、ワクワクする。「アベンジャーズ」好きな私としては、一見無関係な物語が実は繋がっていました!みたいな展開が大好物である。楽しみで仕方がない。
あなたもよければ、野崎まど作品を読んでみてはいかがだろうか。きっと驚き連発のエンターテインメントを提供してくれるに違いない。

水村ヨクト

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