カリスマ美容師に髪を切ってもらった話

成人式も終わったし、長かった髪をきーろう!と思って超絶おしゃれな友達に美容院を紹介してもらった。
そこの美容院は、賞をいくつも持ってる美容師さんがやってるらしい。

私は、これまで床屋とかカット一回700円のお店でしか髪を切ってこなかったので、
舐められまいと、バッチリメイクでしかも美容師が好きそうな袖が長くてぷくってなったセーターを着て行った。

その美容院は、外観は真っ白で看板は一切出ていない。
店内に入ると、何人ものアシスタントが居て
そのアシスタントは、黒のハットをかぶっていたり、
ピヤスもジャラジャラ開けてて、うぉーってなった。

席もアンティークの椅子である。
席に着くとアシスタントが失礼しますと言って
よだれ掛けみたいなやつを装着させられた。

床屋では、手が出るようによだれ掛けに穴が空いてるのに空いてない。

そうこうしてるうちにカリスマ美容師がやってきた。
金髪で、ポッケが何個もついている不思議なシャツを着ていた。
「今日はどんな感じにする?」と言われたので
「えーおかっぱみたいな感じで、顎のラインで切ってもらって、前髪はぱっつんにしたいです」と言うと

長い髪を持たれて、目を細めて鏡を見てけげんそうに
「うーん、わかったとりあえず顎のラインで切ろう」と言われた。

カリスマがハサミを持ち
「ごめんねぇーオレこういうの躊躇なくいくから、なんかさ、切るよ?切っていい?とかさ言う美容師いるけど、自信持って切れよと思わない?」と言って来たので、私のコミュ障が爆発して「あっはい」としか言えなかった。

髪を切るハサミの音だけが鳴り響く。

ものの数分で顎ラインまでカットされて
「どう?」と聞かれた
なにも答えれずにいるとカリスマが
「うーん、な・ん・か・さ。これはこれでいいけど無難にまとまってるゥ〜って感じじゃない?
これをさ、(目を細めて髪を持ち上げる)
ここまで行っちゃった方が逆にいいんじゃない?」
と言われた。
私のコミュ障がまたしても発動する。
「あーたしかに。でも前髪は?」(前髪だけは絶対に切りたかった私)
「前髪は後から切れるから取り敢えずここまで切っていい?」
私は、この美容師めっちゃ腕ありそうだし
バシバシ意見言ってくるし、任せてみるか、どうせ髪の毛は伸びるしと思い。
「はい!」と言った。

カリスマは、ハサミを回転させながら切る。
「あーーやっぱりね、ここの髪の毛いらないと思ってたんだよ」とか独り言を言ってる。
「ごめん、話しかけたりしないでいい?集中したいから」と言われ
「もちろんです、集中してください」と言った。
さすが、カリスマと思った。
たしかにいい。自分で言うのもなんだけど前より全然いい。

カリスマが切り終えて、前髪問題が浮上する。
「どう?前髪切る?もうさ、このままで髪型完成しちゃってる気がしない?オレはね、君の骨格には前髪ない方が似合うと思う訳」と言われた。
たしかに、これまで前髪を何度か切って失敗している。もうこのままの方がいい気がしてきて
「確かにいいと思います!」と言ったら
カリスマも満足そうだった。

そんなこんなで、髪を切った。
髪を切ったが、それを褒めてくれる友達が片手未満なので私、髪切った?ってなる。

私は髪を切ったんでしょうか?



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