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「時」を切り取るにあたって

2ヶ月ほど前、自分のInstagramのアカウントに入れなくなってしまった。

不正ログイン的なものが原因だったらしいんだけど、復旧ができなくなってしまったので新しいアカウントを作成した。

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アルバム

形の有無問わず、記憶を蘇らせてくれる装置というものが、この世の中には存在すると考えている。
その中の一つが、写真。

曖昧なものだったり、もはや消えていたようなものでも写真という装置を使うことでその出来事や前後の空気感が浮かんでくる。

言ってしまえば簡単なタイムリープができる道具だ。

幼い頃、写真を撮られるのは面倒だった。
写真を見て、過去に憧れ、振り返るようなことをする必要がなかった。
今が十分楽しかったし、残す意味を感じなかったら。

今は、写真を撮るのが楽しい。
1人で旅をして、写真を撮るという立場が増えた。

その時その時の自分の足跡を残せていることが、嬉しい。上書き保存的な感覚。

自分が撮られる側だと、その時の感情までは保存できないけれど、自分が撮る側だと感情まで写真に保存できる。

そこが、アルバムって必要ない、から考え方が変わったきっかけかもしれない。

そしてアルバムで過去にタイムリープすることで、過去の自分と現在の自分の距離感とどうしてそう考えたのかを掴むことができる。

ああ、こうして自分の考え方が生まれたんだな、と。

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2020

Instagramを作り直してから、昔のアカウントを見たり写真を見直したりすることが増えた。

2020年のコロナ初年度はなかなかしんどかった。
精神的に。
幸いなことに1月は三宅島で仕事をしたりバドをしていたし成人式もできたし、4月くらいまでは長野で山小屋の仕事をしていたし、普段通りの学びたいことをやりたい仕事を通して学べていた。

ただ、6月からは人員の足りない、籍を置いている飲食店の系列店を手伝ったりずっと変わらない毎日を、送っていた。

自分のスキルアップやお世話になっている会社への恩返しという口実で働いてはいたものの、何故わざわざ大事な人生を削ってまで、東京に来てまでその月その月をやり過ごすように働いているのかと悶々としていた。

コロナもあり、自分の会社での大きなアクションも起こせない。精神的に7月に限界が来た。

多分あのどん底高校時代に勝るレベルの、負に振り切った精神状態だった。

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逃資

僕はしんどい現実から一旦距離を置くことを『逃資』と呼んでいる。
逃げることは自分への投資だからだ。

会社を立て、目標に近づいているぞと楽しみにしてた世の中がいつの間にか、頭の中のユートピアになっていた。

精神は自分で保たなくてはいけないし、もうどうでもいいや、死んじゃおっかなーと思えるところまで落ちた生き方をしたのは、完全に自分による自分への采配ミスであった。

ただ、本当にやばいと思った時に、逃資をした。
それが1週間のノープラン四国旅行。
本当に心を救われた。


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付箋

今の時代は便利なもので写真と文章をひとつのアカウントでアルバムとして保存していくことができる。

辞書やテキストに貼る付箋のように、「僕はこう考えたよ」「先生はこう言ってたよ」とメモできる。

写真を撮った時の感情のまま保存もできるし、写真の時の感情を思いながら時間をおいた感情をメモして保存もできる。

Instagramを作り直してから、昔のアカウントを見たり写真を見直したりすることが増えた。と記述したが、当時はこう思ったのかと思うものもあれば、当時の感情がそのまま沁みるものも多くある。


こうやって記事にしているのも、過去の自分の写真が沁みて一旦当時の気持ちを清算しようと思ったからなのだが、

これからも僕の写真を見て、そこの地域に行ってみたいと思ってくれる方や、新しく貴方なりにその写真や風景を、上書き保存やメモをしてくれると僕は嬉しいと思っている。


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Instagram

表現方法。
アートと写真の違い。
人それぞれ考え方があると思う。
それは、likeが欲しいだけかもしれないし、過去を美しく残したいのかもしれないし、備忘録かもしれない。
人それぞれでいいと思う。
だけれども、他人に評価されるためばかりに頑張っているといつか疲れてしまうはず。

その時その時の自分と向き合って、人生を振り返るコンテンツとしてこれからも大事に写真を撮っていきたいし、言葉を添えれたらと過去を眺めながら思っている。

アルバムを眺めることは、一種の逃資なのかもしれない。


2021/09/01

新しいアカウントも、よろしくね。

カンボジアに学校を建てたり、愛で地球を救ったりはしませんが、貴方を見たことのない世界にちょっとだけ連れていけます。