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標高3000Mからseason2~Vol.4 5つのポイント①

山小屋の雰囲気は好きだし、山からの景色も好きだけど趣味として登ろうとはやっぱり思えない…そんな私からの、だから山を趣味にできません&好きになれません5つのポイント。

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結局マイナスなことしか言わないんだろ若造

仕事じゃなきゃやっぱり来ないなぁと思ってしまうのには理由がある!山を趣味にできません&好きになれませんを考えてみた。

1.お金と時間がかかる
→装備にもよるが、安全性を考えてものを選ぶとなかなかお金がかかるので初めにくい。また、登山口まで交通の便が悪いことや距離があることも多かったり、山に行くまでに相当のお金と時間が。

『それなのに悪天候だったりしたら…とか色々考えると近場で面白いところに行っちゃう。』


2.何をどうしたらいいのかわからない
→何が必要?どう登る?どこを通る?ご飯は?どこで寝る?山小屋って何?
知らないことだらけ。山に関する雑誌があることも山小屋で働いてから知った。登山客がお風呂に入れないことも。
紙の地図を持つように言われるけれどもHPにも同じ地図を上げてリアルタイムでどんな状況で何が必要か分かりやすくなってるとありがたいかも。いや、もうあるかもしれんけど。しらんけど。

『全部調べたりしていくなんてハードル高すぎ、あー煩わしい。やめたやめた。』


3.興味を持つきっかけがない
→興味を持つきっかけがないから山をやるきっかけがない。そして山を知らない人が多い。だから、山やってるんだぜ!2年連続で北岳登ってるんだぜ!とか言ったところで知らない人からは「変な奴」扱いにされる。よって限られたコミュニティでなければ山について話さなくなる。

『「普段何やってるの?」と聞かれた時は「山に籠ってます」というネタで使うように。』


4.山=登山では無い(地域によって山のイメージが違う)
→北海道出身で北海道に19年間住んでいた私は毎日山を眺める生活をしていたものの、登るものとしてのイメージは皆無。ヒグマによる事故も多いしリスクの多い世界に飛び込むなんてクレイジー。山は滑るものというイメージの方が強い。登山の授業はないけれどもスキーの授業は毎年あるし。

『登るより下りる派。雪渓とか滑りたいもん。ええ、危ないのは知っています。』


5.景色をお金で買える時代であること
→Instagramなどを見て、私も行ってみたいと思う人がいる反面、見たことで満足する人もいるのではないだろうか。写真集を買ったり、リスクや手間をかけずにその美しさを疑似体験できる時代に保証されていない安全と景色に膨大な時間とお金をかけて登ろうとは思わない。
また、登ること・登頂することの大変さがわからなければ、やってみようとは思われないし、例え3000M超の高峰に登頂した写真を上げたところで凄さをわからない人にとっては「へぇー。」で終わってしまう。写真集としての販売を含めその景色にお金すら払って貰えなくなってしまう時代も来る可能性もあるかもしれない。

『スマホ1台で世界を旅できる時代に、現地でしか味わえない面白いことを、どれだけそれを知らない人に魅力として感じてもらい一緒に体感しに行くきっかけにできるかがポイントだと思う。』

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心からおすすめできないのが本音

今、新たな人が興味を持って始めることが少ない山について思うこと。
山を心からおすすめ出来ないのが本音。理由は、中途半端な興味で来る場所ではないから。命に関わることも起きるし、友達を気軽に誘って生死に関わる目には合わせられない。
しかし、昨年から仕事として山に携わり価値観は大きく変わった。
上の5つのポイントをどう解決していくかは今後の鍵になると思うし、私は趣味として山をやっていない人間だからこそ、ここのポイントが大きなハードルでなくなれば山を魅力として気づいてくれる人は大きく増えるだろうし、自然にも興味を持ってくれる人が増えると思っている。

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海と山

小さい頃「ねえねえ、君は海派?山派?」と聞き合わなかっただろうか?
私は特にどちらにも魅力は感じていなかったし「どっちでもない」と答えてしまうつまらない人間であった。

今はどう答えるかと考えた時恐らく「海派」と答えるであろう。
理由は、山ほどリスク・お金・時間をかけずに楽しむことが出来るから。
それに勝る山の魅力がまだ見つけられていない。

こんなしょうもない幼い頃の質問の答えが結局は日本全体の登山人口にも繋がってくるのではないだろうか。
「山派」と答える人の理由を私は知りたい。
それがきっと、今後山に生きる人が大切にしていかないといけないものだ。


もう、登山客を待っていれば来るような時代はとうの昔に終わっている。
経営という面から見ても補助金に頼って運営している組織は組織としても終わっている。
価値があると思われなければ、需要がなければ値段がつかない。
ブランド化をうたってもブランドにはなれない。


「お金でやっているわけではない」
そいつは、聞こえがいいような気はするが、お金を払って貰えるような魅力的なものを創れていない者の言い訳だ。



間違っているだろうか??



次回は、だから山を趣味にできます&好きになれます5つのポイントを。



2019/07/19(金)

カンボジアに学校を建てたり、愛で地球を救ったりはしませんが、貴方を見たことのない世界にちょっとだけ連れていけます。