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楽描き(ドゥードル)から始まるクリエイティブ思考 〜ビジュアル・デザイン・シンキング〜

「クリエイティブ」が好きな私。自分自身に自信をつけるために、働きながら某芸術大学で勉強することを始め、自称Design Thinker(デザイン思考家)とまで言って、日々「クリエイティブを広めるには?」を問い続けています。

前回のNOTEでは「どうしたらクリエイティブ(創造力)を解き放てるのか?」というさわりの部分について書きました。

今回は、具体的にどうしたら「クリエイティブ」を発揮することができるのか?もう少し突っ込んだ話を書きたいと思います。

目次
・「デザイン思考」の大きな壁
・「子ども心」と「楽しい」から始まるクリエイティブな「楽描き」
・「常識を外した思考」を創り出すには
・「楽描き」から発展し、ビジネス(職業)へとつながる近未来

「デザイン思考」の大きな壁

ビジネスの世界でも「デザイン思考」や「アート思考」とビジネスの第一線で活躍している様々なクリエイティブの第一人者たちがたくさん本を書かれています。私も、これら数多くの「デザイン思考」に関する本を読んで勉強してきました。でもふと疑問に思うことは、「デザイン思考」に関する本を読めば読むほど、「クリエイティブ」や「デザイン」を難しく考えすぎてしまってはいないか?「デザイン」の本質を知らない人達を、ビジネス現場で具体的に実践する方法をより複雑化させてしまってはいないか?せっかくの創造力も出てこなくなってしまうのではないか?と懸念しています。

私自身は、そうではなくて「もっとシンプルに」クリエイティブを捉えて、「楽しさ」「子ども心」という、ハードルの最も低いところから始まる方が、普通の方には入りやすいんじゃないか?常日頃からそう感じています。日本人はいい意味でも悪い意味でも「真面目」な人種なので、「アート思考」だから美術展を観に行ってみたり、それはそれでいいとは思うのですが、本当にそれで直観力(Intuition)が生まれるのかどうか?私には正直理解し難いなと思っています。

前回のNOTEでも述べましたが、我々日本人は特にクリエイティブに長けた国民であるからこそ、普通の方でも、より気軽に、潜在的に持っている「クリエイティブのチカラ」を引き出すことがより大切であって、これこそが経産省が昨年発表した「デザイン経営宣言」に期待されているところなのではないでしょうか?
私は現在の職業柄、「現場」から発想する訓練をされてきた人間のため、「経営」が「デザイン」するよりも、「現場」が「デザイン」し、それがガラパゴス化しないように、経営がマネジメントするの方が、実は日本の「デザイン経営」には向いているかもしれない、と考えています。

「子ども心」と「楽しい」から始まるクリエイティブな「楽描き」

ちょっと下のスケッチノートの絵をご覧ください。

この絵、実は今日私の娘(小学生)にちょっと絵本を渡して、彼女が思うがままに自由に楽しく描いていた絵です。

私は実験的に、とある「グラフィック・レコーディング」の本を渡して、彼女がどんな絵を描くかな?と観察していました。

左上の人間の絵が「グラフィック・レコーディング」の絵です。最初は私の渡した本を見ながら描いていました。でも気がついたら、娘はいつの間にか、自分の好きなように絵を描き始めていました。

一番笑えたのは、右上の絵(手がある絵)です。これ、よくよく娘から話を聞いてみると、この絵は「手で紙を突き破っているイメージの絵」を描いたそうなんです。

こんな斬新な発想、普通の大人じゃなかなか思いつきませんよね? 私が思うに、実は「クリエイティブ」の原点は、こんな風に、自由に楽しく描く絵なのではないか?と思っています。

「落書き」ならぬ「楽描き」。英語だとDoodleとかDoodlingとか言います。

本来であれば、英語の“Doodle(ドゥードル)”は「落書き」いうように訳されます。でも私が何故「落書き」と書かずに、敢えて「楽描き」と書いた(定義した)かというと、絵やビジュアルから生まれる新しいアイデアや発想は、「楽しさ」や「子ども心」で描くからこそ生まれてくるものだと信じているからです。

「楽しい」を「描く」から「楽描き」なんです。

「常識を外した思考」を創り出すには

私は「デザイン思考」に関するあらゆる本を読んできた中で、一番興味を持っているのが、Think-Out-of-the-Box思考(常識を外した思考)という考え方です。

「常識を外した思考(ある意味ぶっ飛んだ考え方)」はすればするほど面白い。

デザイン思考に書かれている本では、大抵「ブレインストーミング」や「多様性」から新しいアイデアが生まれる、と出てきます。

たしかに多様性を生かした「ブレインストーミング」をすると斬新なアイデアは確実に出てきます。実際に私が経験したプロジェクトでも、同じような経験をしました。(これは私が実際に体験できたプロジェクトです)

ただ、「多様性」の考え方や「ブレインストーミング」のは、結局自分一人ではなかなかできなくて、途中で思考停止してしまう、という懸念があります。(いいかえると、ブレインストーミングが確立されていない企業は「クリエイティブ」が生まれづらい?ってことになるような。。。

私は、「本当にそうなんだろうか?」という一つの疑問を持っています。

一人でも、誰でも簡単に常識を外した発想で、実践できる方法」をどうしたらできるか?みんな、実は「クリエイティブ」の力があるはずなのに、一人では中々発揮することができない。でもそんなことはありません。

それが「楽描き」なんです。

みんな、誰しも子どもの頃には、大なり小なりそういうことができたはずなんです。先程お見せした私の娘の絵がそれを証明してくれています。だからみんなひとりからでも「できる」んです。

私がグラフィッカーとして、絵を描いている理由の一つはこれです。

私の考える、独力でできる「Unlock Your Creativity(創造力を解き放つ)」方法に着想したのはまさにこれです。

自分にとって楽しい絵を描く、自分の「偏愛」を自由に描く、まさに「楽描き」することなんだと思います。

だから、「デザイン思考」を実践したい!と考えていらっしゃる方は、ぜひ一度、自信をもって「下手くそ」でいいから「楽しい」絵を描いてみてはいかがでしょうか?

全然難しいことはありません。絵心がなくても大丈夫です。下手だから恥ずかしいなんてことを考える必要は一切ありません。

例えば、この発想のヒントのひとつになった、脳科学者の茂木健一郎さん。この人も以前から「落書き」推奨者の一人ですが、描いている絵はこんな感じです。

要は、絵の上手さが云々ではなく、「発想して表現するチカラ」はこれなんだと思います。ちなみに、かのイーロンマスクも「Bored Elon Mask」のTwitterで時々落書きしてますよ。ぜひ見てください。

推測するに、天才やクリエイティブな方は、絵を描くことで右脳を働かせ(思考を拡散し)、アイデアを実現するための論理的思考を左脳を効かせて(収束を行う)、右脳と左脳の連続性を常日頃から実践されているのだと思います。「イノベーションの鬼」と呼ばれる濱口秀司氏も、よく図解して物事を考えると聞きますし、落合陽一氏や、Well-Being研究者の石川善樹氏なども、皆さん図解して右脳イメージを描いたりしているのをよく拝見したりします。

(いまいち想像がつかない方、是非Newspicks購読してみましょうね)

ちなみに、私が、最近唯一好きな本は、サニー・ブラウン著「描きながら考える力(ドゥードル革命)」。

ここには、私が長く思っていた、「子ども心」が「クリエイティブ」のチカラを創る秘訣が書いているように感じています。(前回のNOTEで、一部彼女の話を少し拝借させていただきました)

日本人の皆さんが「クリエイティブ」のチカラをつけてもらいたい。

仕事でパワーポイントで考えながら、気難しいプレゼン資料を書いているのも決して悪いとは思いませんが、パワーポイントを作る前に、新しいアイデアに着想するまでに独力で創りたい方におススメ。あるいは好きな「クリエイティブ」で仕事をしたい、そんなことを考えている方には、このアプローチは是非おススメです。

仕事での「楽描き」おススメアイテムはこちらです。

「デザイン思考」を身に付けたいビジネスパーソンも、パワーポイントとにらめっこしているよりも、白いキャンバスの上に自由に描いていると、ビジネスパーソンの鎧を脱いだ気持ちになれて、新しいアイデアがでてくるのではないでしょうか?

近いうちに、個人的に「楽描き」ワークショップをやりたいな、って思ってます。また、教育としても学校とか「楽描き」をやってみたいですね。
好きな事をやって、「楽描き」が広まったらいいなぁと思う今日この頃。楽しい「楽描き」ワークショップを近いうちに開催し始めたいと思います。
(ちなみに美大生は来ない下さいね、私、本当は絵は下手くそなんで笑)

「楽描き」から発展しビジネス(職業)へとつながる近未来

最後に、手書きグラフィック(俗に言うグラレコ)の簡単な概念図を描いてみました。

これを整理して行くと、確実にこれはもっと身近な存在として新しい職業に成るんじゃないでしょうか?「楽描き」が発展して行くと「グラレコ」になり、「グラレコ」が発展してゆくと、「ビジュアルファシリテーション」へと進化してゆく。
これがさらに「デザインファーム」化してゆくんですね。(あるいは、グラフィックファシリテーターという職能があっていい)

ビジュアルファシリテーションで第一線をいくグラグリッドさんなどがデザインファームとして活躍しているのをみると、決して大げさではないと感じ取れます。

ITで言えば、UI・UXデザイナーの設計前工程で、こういったビジュアルファシリテーションが役に立って、ビジネスの世界でも確実に役立つはずですよね。。
普通の企業にしても、議論を可視化して会議の効率化を推進するグラフィッカーが通訳のように社内に一人できる未来がくるとおもいます。

ちなみに、本場のドイツではかなり盛んになってきているようですし、Doodleの本場アメリカでもGoogleが検索エンジンでDoodleをやっているくらいです。日本でビジネス領域に持って行けるかどうか?は「楽描き」家が増えて、スケールする事だと思っていますので、興味をもっている皆さんとどれだけ繋がり勢力拡大できるか?(コレクティブインパクト)だと思っています。

今後も私なりの情報をどんどん「おすそ分け」してゆきたいと思いますので、共感頂けるかた、ハートマークにポチッと、お待ちしてます。数が増えるといいな〜。 (STEAM教育のAにもなるはず)

それではまた〜。

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