そろそろ季節が変わりそう
『そろそろ季節も変わってきまして秋の気配が感じ始めて来ました』
テレビからこの声が聞こえてきてあぁ、そういえば最近肌寒くなってきたなと思うこの頃。街の匂いも段々と夏から秋へと変わってきている。
○:今年は秋に何をしようか……
梅澤〇〇は中学2年に上がった年から毎年秋になると「〇〇の秋」として色んなことをしてきた。
一昨年は「鉄道の秋」としてシルバーウィークや10月初旬の体育の日を絡めた3連休を利用して自宅から行ける範囲で色んな場所へと出掛けた。
去年は「スポーツの秋」として普段から自宅近くをランニングしていたが、去年色んな所に出掛けたことが功を奏したのか駅の近くにも絶好のランニングスポットを見つけていたのでそれを好機に様々な場所を走ったりした。
そして今年、遂にこの季節が来たかと感じている。
〇:今年は何しようか……読書の秋…本読むのはなぁ………芸術の秋…いや作り終わる前に冬になりそうだし…睡眠の秋…寝て過ごすのはオールシーズンだし…
ピコン
何にしようか悩んでいた時、スマホに連絡を知らせる音が鳴った。コードレス充電器からスマホを持ち上げて見てみると我が姉からだった。
美波:「今度、家でチートデイやるけど来る?」
メッセージは今度チートデイするから家に来ないかというお誘いだ。我が姉の食欲は尋常じゃなく着いていけるのは現状俺と姉と同じグループの齋藤飛鳥さんのみらしい。
〇:チートデイか……仕方ない、行ってやるか………うん?待てよ……チートデイするってことは飛鳥さんもいるのか…作るの大変だ……ピコン
美波:『あ、飛鳥さんと今回は山下もいるからよろしく』
〇:は、山下さんもいるのか……
〇〇はただでさえこのチートデイは嫌だと思っている。リビングに居座るのは2人の底なしバケツの胃を持った怪物共。それにお酒も入り更に厄介なことになるのは日常茶飯事である。しかも今回、山下さんがいるということはあの"映像研三姉妹"が集まるということになる。さらにめんどくさくなるのは間違いない。
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そして迎えたチートデイ当日。〇〇は下準備をしてから姉である梅澤美波の家へと向かった。とはいえ〇〇が住んでいるマンションの上に住んでいるためエレベーターで目的の階へと足を運ぶ。
部屋の前に着き呼び鈴を鳴らすとドタドタと家の中を走っている音が聞こえ、ドアが開くとそこには2人の美少女が立っていた。
飛・山:いらっしゃい♡
〇:……どうも
山:それで今日は何作ってくれるの?
〇:まぁ、出てきてからのお楽しみってことで…
梅:こらっ、山下!〇〇に迷惑かけない!
山:え〜いいじゃんね〜〇〇
飛:そうだぞ山。〇〇に迷惑かけない!
山:飛鳥さんまで〜
そんなこんなで〇〇はキッチンに移動し、用意してきたものを取り出しそそくさと準備し器に盛り付けて怪物共がいるリビングへと向かった。
〇:お待たせしました。
山:待ってたよ〜
梅:ありがとね、〇〇
飛:相変わらずだな
〇:まぁ、どうぞ召し上がってください。
梅:美味っ!
山:美味しい〜
飛:美味いな……
〇:それなら良かったです。
梅:そういえば、〇〇は今年は何にしたの?
〇:今年は食べ物の秋にしたよ。だから今日も結構秋の食べ物用意したんだけど
梅:なら、〇〇も一緒に食べよ?どうせ、まだまだあるんでしょ?
〇:まぁ、そうだけど……
梅:よし、今日は〇〇も含めたチートデイだ!
それから数時間、〇〇と姉の梅澤美波、山下美月、齋藤飛鳥の4人はこれ以上は絶対に食べれないという程の量を食べた。
そして〇〇は誓った、これからは絶対に食べ物関係のことで姉を含めた人達と一緒にご相伴しないことを。
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