恋におちる

――後から思えば、あれが『皇帝が恋に落ちた瞬間』だった。人が恋に落ちる瞬間を、生まれて初めて見た。
あの日あの場にいて、二人を見ていた人間たちは、後に口を揃えてそう言った。そして、次にこう言った。
「あそこから六年も待ったとか、皇帝、我慢強すぎだろう」 #140字小説

2017/12/09

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