会社別_スクリーンショット_2019-08-17_10

出版関連SNS Twitterアカウント一覧 (雑誌系 その2) 最もフォロワーの多い出版社は?

 前回は、日本雑誌協会の「印刷証明付き部数(発行部数)」と、日本ABC協会の「雑誌レポート(販売部数等)」をもとに330誌についてTwitterアカウントの有無と、フォロワー数を見て行きました。
 今回は調査対象を更に広げて、98社、1000誌以上について見て行きましょう。

このリストについて

 前回のリストに、日本雑誌協会のサイトに掲載の「会社別雑誌一覧」に掲載の会社の雑誌、雑誌系Twitterアカウントを追加しています。ところが、このリストは2015年12月に更新されたきりで、すでに休刊となった雑誌も含まれています。しかも、印刷証明付き部数のリストとは会社名や雑誌の表記が違っていて、統合するにはひと手間かかります。基本的には、印刷証明付き部数のリストの表記を優先しています。

 リスト中、「印」とあるのは印刷証明付き部数のリストに記載がある雑誌、「雑」とあるのは会社別雑誌一覧に記載がある雑誌、「A」とあるのはABC協会のリストにある雑誌。いずれも空欄のものは私が追加したTwitterアカウントです。

 1000誌以上もあると、その多様さに驚きます。えっ、「朝日新聞縮刷版」って雑誌なの? 「会社四季報」って、雑誌だったのかあ。などなど……。

 では、会社別リストを具体的に見て行きましょう。

 雑誌系アカウントのフォロワー数が多いのは、どの出版社でしょうか?

会社別フォロワー数1位は強力アカウント揃った集英社

 集英社は雑誌系で40アカウント、総フォロワー2,520,060
 最大のアカウントが「週刊少年ジャンプ」ではなく、「MEN’S NON・NO」(2,798,04)とは意外でした。他にも「明星」(240,047)、「Seventeen」(206,065)など強力なアカウントが揃っており、雑誌系の総フォロワー数では1位です。
 書籍系が13アカウント(「小説すばる」かぶってますが)223,143
 単純に合計すると、53アカウント、2,743,203

KADOKAWAは組織力で第2位を獲得

 KADOKAWAは37のTwitterアカウントを見つけました。フォロワー総数、1,757,867
 筆頭は「週刊ザテレビジョン」フォロワー数345081
KADOKAWAは、先に紹介した書籍系のTwitterアカウントも38あり、Twitterの活用に積極的です。
 フォロワー数が4桁を切っているアカウントもなく、組織としてきっちり活用の体制を作っている印象があります。1,114,495。
 単純に合計すると75アカウントで、フォロワー数2,872,363
 アカウントの数と、総フォロワー数では集英社を逆転します。
 知らなかった雑誌や書籍レーベルが多くてびっくりしました。

講談社は3位に食い込む

 講談社は43アカウントあり、ゲキサカ(305,933)、現代ビジネス(141,128)のようなフォロワー数の多いアカウントから、さして活発ではなないアカウントまで、それぞれの媒体ごとの取り組みのようです。総フォロワー数1,587,799
 書籍系では13のアカウントあり総フォロワー数257,737
 「群像」が被ったりしていますが、単純に合計すると、56アカウントで総フォロワー1,845,536
 雑誌系、書籍系を合計したアカウント数ではKADOKAWAに1位を譲ります。

強すぎるコンデナスト・ジャパン

 コンデナスト・ジャパンは、わずか4アカウントで1443555
「VOGUE JAPAN」(766,052)、「WIRED.jp」(412,802)の存在が光ります。
 やっぱり、ブランド強いですね。

朝日新聞出版が5位を獲得した理由

 ダークホースと言っては失礼でしょうか。朝日新聞出版が「サッカーキング」(1,178,413)という巨大アカウントを擁して、雑誌系13アカウント、総フォロワー数1,429,041
「『サッカーキング』はフロムワンだろ!」と思われる方もあると思いますが、発行がフロムワンで発売は朝日新聞出版のため、リストの分類上ではこうなってきます。

 日経BPは変革が激しくて把握しきれないところもあるのですが、リストに従うと「日経トレンディ」(480114)を筆頭に雑誌系24アカウントで896736

 マガジンハウスは雑誌系13アカウントで825,771
 アカウントの数としては少ないですが、「Casa BRUTUS」(218,967)、「POPEYE」(194,509)「GINZA」(189,190)、「BRUTUS」(125,021)と強力なアカウントが揃っています。

 小学館は雑誌系アカウント44で総フォロワー数729,811
 筆頭は「CanCam」(127312)。
 書籍系が7アカウント 114,159
リストにはありませんが、小学関係のMERYのフォロワー数は140,235

 ダイヤモンド社は「ダイヤモンド・オンライン」(287,029)、「週刊ダイヤモンド編集部」(127,663)の2枚看板が効いて、雑誌系6アカウントで561,557

 学研プラスは雑誌系9アカウント、510,640
 筆頭は「恋するグラビア」を謳う「POTATO編集部」(138,003)ですが、「声優アニメディア編集部」(76,620)や「TVLIFE(テレビライフ公式)」(76,887)を抑えて「月刊ムー」(85,596)の存在が光ります。

 ハースト婦人画報社は、「ELLE Japan」(182,972)、「ELLEgirl / エル・ガール」(139,105)が牽引して雑誌系15アカウントで504166
外資系でデジタルシフトを強力に推し進めている会社ですが、女性系WEBサイトの先駆けとして君臨してきた歴史的な資産も大きいのではと思います。

惜しくも50万フォロワーに届かなかった出版社

 今回の調査時点(2019年8月14日)で雑誌系アカウントの総フォロワー数が惜しくも50万に届かなかったのは、

 文藝春秋 12アカウント 499,896
 本当に惜しかったですね。調査日がもう少し先立ったら……。
 筆頭は「Number編集部」(187,320)
 ちなみに書籍系だと11アカウント、224,545フォロワーあります。

 CCCメディアハウス 3アカウントで478,732
「ニューズウィーク日本版」(351,843)ほか

 東洋経済新報社 7アカウント 427,582
「東洋経済オンライン」(327,147)ほか

 東京ニュース通信社 7アカウント425,869
「TVガイド」(266,443)ほか

Twitter運用に向かない雑誌がある?

 一方で、Twitterに熱心でない出版社、Twitterに向かない雑誌も見えて来ました。
 Twitterの運用がしづらいという意味では、売上げが好調と言われるパズル系の雑誌。
 マガジン・マガジン社の雑誌でTwitterアカウントを見つける事が出来ませんでした。
 学研パブリッシングの同系統の雑誌を見ての似た傾向が見て取れます。
 また、NHK出版の65の雑誌のうち、Twitterカウントの存在が確認出来たのは、「NHK出版 趣味の園芸」(18,706)、「「100分de名著」テキスト編集部」(6,026)、「NHK出版 まる得マガジン」(572)のみでした。NHK出版の場合はテキストが多いということもあるのでしょうが、本家のブランドとの齟齬を発生させないように独自の動きをすることは難しいという側面もあるかと思います。
 リストには「ディズニー」の名前を冠した雑誌が3誌ありますが、いずれもTwitterアカウントは見つけられておらず、どうようの理由かと思われます。


 次回は、リストのTwitterアカウントをフォロワー数順に並べ変えて見えてくるもについて考えたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?