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2022.12.8 「ちょっと時間が空いたから」に憧れる

午前中、ちょっとしたお芝居を見に行く。大勢が一体となって披露するお芝居というもの悪くない。昼間はイベントの資料をつくり(今日締め切りだった、やべえやべえ)、文章をひたすら書く。夜は商工会議所の集会に参加し、高校生向けの講和や来年のイベントについて話しあう。

密な一日だった。「スケジュールメモリー」とでも言おうか、僕が一日に処理できる約束は3つまでだ。それ以上あるとゲンナリして、処理速度がぐっと落ちる。もちろん仕事である限りはいくらでもやるけど、自分からは予約や約束を入れられない。

たぶん、約束を忘れたり予定の時間に遅れたりした時のことを無意識に想像して、勝手にストレスを感じているのだと思う。今でこそ堂々と「ごめんなさい」を言える性格になったが、子供の頃の僕は失敗を酷く恐れていた。約束を忘れる、時間に遅れるなどもってのほかだ。誰かの不快の矛先が自分に向くなんて、考えただけで吐き気がした。そんなこともあって失敗を隠蔽して事態が悪化することもしばしば。

大人になり、失敗はいくらでもリカバリーできると知る。絶対に失敗できないシーンなんて一年に一度あるかないかだ。失敗しても死ぬことはない。フリーランスになってスケジュールを管理してくれる人がいなくなったので仕事の予定を入れる時は慎重だが、プライベートな約束は忘れるし、だいたい遅れる。だいぶルーズに生きられるようになったと思う。

ただ昔の性格の名残からか、約束からくるストレスだけはなくならない。「ちょっと時間が空いたから友人と飲みに行こう」にすごく憧れる。本当は誘いたくても、自分から約束は増やせないので。できる人は本当にすごいと思う。

唇の裏で練習してみる。

ちょっと時間が、その、ちょっと、えーあの、うん、なんでもない。ううん、全然、気にしないで。じゃあ、また……。

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