人生の参考に、映画「ジョーカー」を見てきた

ネタバレあります

【映画を見る前の気持ち】
数か月前から予告を見て、なんて美しい映像…………これだけでも見る価値があるのではないか???と思い、公開まで大変ワクワクしていました。
ただ、私が本当に見るに至ったのは映像美なんかではなく、たった1つの軽いネタバレツイートでした。
「福祉からの支援も打ち切られた男性がジョーカーになるまでの話……」みたいな、本文はもっとにおわせの強い文章だったかと思いますが、140字に収まるその文章から、将来の自分を見つけ出し、
自分の人生の様々な揉め事の煙が再びたち始めた今、ちょうど公開されたとの情報を得て「人生の参考になりそう!」「心のもやもやを昇華してくれそう!」と思いに至り、鑑賞してきました。

結論から言うと、この期待はしてはいけない期待で、
ゴッサムシティに住むジョーカー(アーサー)氏の一例であるからして、自分には一切適応されず、参考にならなかったので、
皆さんは健全にジョーカーの一生を見に映画館に行くと良いと思います。

【本編】
映画館に久々に行ったので、ウキウキしてしまい、はしゃぎました。

前半はアーサー自身の持病(?)や特性、そこから連なり起こる不運の連続が描かれてしまうため、身につまされて開始10分くらいには泣いてしまいました。
ただ、徐々に周りの環境やようすが露わになっていくにつれて、
自分の人生に何か繋がるものを探しに来てしまった自分は、「ゴッサムシティ、治安、悪ッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」の思いが強くなっていき、気持ちをもっていかれましたが……。

ただ、ゴッサムシティのいつもの治安の悪さはさておいて、
この映画のいいところは(もちろん映像や音楽など大変よいところが多いんですが)
ジョーカー(アーサー)がジョーカーになる前の話なだけあって、ちゃんと人間らしく描かれていたというところに思います。

下記、作中の描写が含まれますが……、
障害や病気等があって、それで生きづらいが故に薬を増やしてほしいと思うことは自分にもあります。
世間が怖いので病院のような施設に放り込まれた方が生きやすいというのも気持ちがとてもわかるものです。
一般の人間たちが面白いジョークを研究していた姿は、自分を見ているようで大変つらいというか、(でも、自分はそうではないよな)(なんだろう、この違和感、なんだ・・・・つらい・・・・・)と、意味わからないけど見ていてつらいみたいな気持ちになりました。

誰でも殺すわけではなくて、優しくしてくれた人にはそういう対応がちゃんと出来る人間として描かれているし、母の為に尽くす様な描写もされていて、えらいなあとも。

アーサー自身が「ジョーカー」としての認められ方をせずに、本人のままに誰かに愛して貰えることがあったなら、服薬を続けるなり何なりして社会に溶け込む努力を続けていただろうとも思います。
(ゴッサムシティは治安が悪いのでたった偉そうな3人組を殺害しただけで神がかり的賞賛を受けてしまい、「居場所」となってしまいましたが……。)
また、ゴッサムシティの福祉関係の人間のサポートがもうすこし手厚ければ、せめて近くの病院とかを紹介してくれて服薬を続けられただろうに…… とも思う反面、
これらの特徴を「障害であり病気であり、周りの理解を必要とするもの」としているのは、いわゆる普通の人で、政治をしている人、お金をもった人たち。その人たちに合わせて「矯正」する義務なんて本来ないものだ、ということを(アーサーの視点から)感じる内容にもなっていました。
「これが僕自身だ」と、生きやすくなったジョーカーが言うこと、「理解できないから(、ジョーク?は言わない)」と最後言っていたのは(うろおぼえ)、1つの正解にも感じます。

アーサーが、アーサーとして、あるいはジョーカーとして、人生を楽しく喜劇として今後も生き続けられるなら、それは人間の生き方のひとつの正解で、がんばって生きてほしいという気持ちになりました。

【見終わって……】
鑑賞後の気持ちはそんなに良いものではなく、「銃がないから自分はジョーカーになれない」「ゴッサムシティの治安がなければジョーカーは生まれてなかった」「自分は服薬を取るか、自分自身のオリジナルを取るか、どっちがいいんだ…………」「完全に無敵の人ではない自分はこの生き方ができない」「悲しい……」「喜ぶべきか……?」「居場所なし男」
みたいな気持ちになりました。ジョーカーもアーサーもゴッサムシティもフィクションの存在なので、今生きている日本在住の自分に適応できないのは仕方ないですね。

ジョーカーはかなり話題になっている作品なので、Twitterのタイムライン等で感想がまわってきたりしたのですが、
「嫌いと思いたい、道徳観や価値観が揺らぐ」などの感想が流れてきて、あまりに自分との感想の違いに驚いて、これが「普通の人間」か…………みたいな思いになり(少なくとも自分は銃がないからジョーカーになれないという感想が真っ先に出たし、ゴッサムシティの環境だったらあの感覚で殺人が起きても仕方ない気がするので道徳観とか価値観は揺るがなかったと感じている)
せっかくだし1つの種類としてこの感想文をインターネットに残そうと思った次第です。

でも、実際に無敵の人になって殺人を起こしまくるのはあり得る話だし、福祉などがしっかりしていたら救えた1人でもあるから、(そして自分がこれからその1人になる可能性があるから)、日本がこれからゴッサムシティにならなければいいなあとは思いました。
あと、全然わからない価値観に対して「理解できない」と言うというのは1つのやり方としてあっていいことだし、
理解しようとする心はあった方がいいかもしれないけど、そこから(関心や無関心から)亀裂を生じさせるのであれば、
はじめから理解できないことを理解して、必要以上に恐れず、いい感じの距離を保つことはどこかで学ぶ必要があるのかもしれない、と思いました。


文章まとまってないけど本編書き始めたあたりで飽きてたのでおわり
暇があったら色んな作品を見てゴッサムシティの治安の悪さ(作品順)とかやりたいくらいには、ゴッサムシティが治安わるいことがわかりました


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