伊達ルネッサンス塾 第6期/第3回セミナーレポート「自分の『軸』をしっかり持てれば、ジグザグでも前に進む」

■2019/8/24(土)@青葉温泉 旅館青雲閣(丸森町)

今回の会場である「青葉温泉 旅館青雲閣」は丸森町唯一の温泉宿。古くから地元住民に愛されてきましたが、近年では、地元の若者が企画している「青葉温泉カフェ」も開かれ、賑わいを増しています。
そんな伊達ルネッサンス塾初の温泉を舞台に行う、第3回のテーマは「プランを具体化しよう」。6期もいよいよ折り返し地点です。
尾野塾長のほか、2名のゲストを迎え、プランを深めていきます!

会場にあった掛け軸。「寿」あらんことを。

■可愛い服には旅をさせよ

はじめは1人目のゲスト・「交衣室mege」内田麻衣さんのお話。
たんすの中で一生を送るだけでなく、服にも豊かな旅をさせよう。そんなコンセプトで個人の思い入れのある服を預かり、必要な人にお貸ししシェアする貸衣装のお店を経営されています。

服飾の専門学校に通っていた内田さんは、自分の名前にもある「麻」という素材の魅力に取り憑かれ、全国各地の産地を周るようになります。
そんな「服」にまつわるさまざまな体験や学びの中で、縁がありアパレル会社に就職。楽しい職場ではあったものの、「予算に合わせて作り、余ったら捨てる」というアパレル業界のサイクルに徐々に疑問を抱くようになります。本来すでに地球上にある服で生きていけるはずなのに…そう思うと、新しく服を作り出すことが嫌になってしまったそうです。それが現在の「貸衣装」という発想の原点でした。
仕事をやめ地元石巻にUターンし、市内の追分温泉でアルバイトをする生活を送る中で、ふと温泉の裏庭がとても広いことに気づきます。
このスペースを何か使えないかと思い立ち、始めたのが「峠の市」という小さな手づくり市でした。小さく始めた活動も徐々に広がりを見せ、今も年1回のペースで続くイベントになっています。

そんな地道な活動に目に留めてくれたのが「日和キッチン」のオーナー、天野さんでした。
東京で建築家をしていた天野さんは、震災をきっかけに石巻に関わる中で、「石巻の食の魅力を発信したい」と牡鹿半島の鹿肉のジビエや地元の食材を使った食事を提供する食堂を立ち上げました。もともとの職業としての「住」、プロジェクトとして始めた「食」、そしてそこにもうひとつ「衣」の要素を加えたいと、内田さんに声をかけたのです。

そして内田さんは「ETIC.」の右腕として、天野さんのプロジェクトに参画。2016年、日和キッチンの2階スペースに「日和スタイル」として貸衣装屋をオープンします。
その後郊外の古民家への移転を経て、今年、松島に二度目の移転をしました。屋名も実家の屋号をとって「交衣室 mege」と改め、新たなスタートを切っています。

消費社会で服が過剰に溢れる中、「服を借りる」という選択肢をメジャーなものにしたいと内田さんは言います。
一着を大事にしていけるような考えをお客さんに伝えていけるような場所になりたい。
衣服をテーマとして一本の軸として持ちながら、さまざまな挑戦と失敗をしてきた内田さんの等身大のお話をしていただきました。

ゲストの内田さん(左)と谷津さん(右)

■ビジョン・ミッションが道しるべに

2人目のゲストは、伊達ルネッサンス塾OB(2期生)の谷津智里さん。
東京出身の谷津さんは、結婚を期に旦那さんの故郷である白石市に移住しました。移住後は旦那さんの実家である新聞店のミニコミ紙の制作、芸術文化事業の事務局などの仕事を受けるようになり、その中で徐々に地域を知りさまざまな人との繋がりを作っていきます。しかし、白石以外の仕事が多くなる一方、地元では「谷津新聞店の奥さん」としか認識されてないことを感じるようになります。
「外での仕事だけでは白石に住んでる意味がない。せっかく白石にいるのだかから、ここでしかできないことしたい」という想いで、今年、自身の事務所兼コミュニティスペースとして「Bottoms House」をオープンしました。
子どもが地域との接点となりママ友などと繋がるなかで、積極的に表に出さないけれど、立派な特技や熱い思いをもった人が地域には思ったよりもたくさんいることに谷津さんは気づきます。そんな人たちが動き出すきっかけをつくれないだろうか…と考えるようになり、現在「Bottoms House」を拠点にさまざまな小さな企画を起こしています。

そんな谷津さんが伊達ルネッサンス塾の中で描いたビジョンは、
「『その地域らしい暮らし』が、そこら中にある日本」。
塾生だった当時を振り返り、「自分をとにかく深掘りしてビジョンやミッションをつくると、それが道案内をしてくれるようになる」と話してくれました。
「ストレートにいかなくても、いつのまにか、なんとなくそっちに向かっていく」。伊達ルネッサンス塾を通し、ビジョンを明確にした先輩の力強いお話でした。

お二人のお話に、皆さん、聞き入っていました。

■ビジョンのヒントは過去にもある

後半はまず塾生の発表から。7分という時間の感覚もつかみ始め、塾生は着々と自分の言葉で語れるようになってきています。
その後は2グループに分かれてのワークショップ。自分が過去に行ってきたこと、今やっていること、これから起こそうとしていること…それぞれが社会に対しどんな影響を与えているのか想像してみます。
何気なくやっていた行動が、見方を変えるとどこかで思いもしない効果を発揮していることもあります。いつものプロジェクトをあらためて観察する中で、どんな変化を起こしたくて今行動しているのか、という整理をしていきました。
ビジョンを大きくとらえず、すぐ足元にあるものから育てていくための時間でした。塾生からは「全然時間が足りなかった〜〜!」という意見も出ましたが(笑)、新しい視点が刺激になったようです。

ワークショップの様子。尾野塾長が何やらアドバイス。

最後のまとめでは、尾野さんから「Z型」の話をいただきました。
 ・今やっていることを一度立ち止まってまとめてみる。
 ・仮のビジョンを設定してみる。
 ・色々な活動を経てまたアップデートしていく。
それを行ったり来たりを繰り返しながら、より明確なビジョンを探し進んでいくのがマイプランの道のりだということです。
迷いながらも、具体化し手足を動かすことの大切さ、そしてその挑戦サイクルを回すことの大切さを学んだ回となりました。

■次回セミナーの予告

次回のテーマは「アクションを起こそう」。マイプランを深めていきながら小さいアクションを起こし、感じたことや考えたことをプランに反映させる段階に入ります。
また、今回も一般聴講での参加者を募集します!ゲストのお話を聞きたい方、塾生やそのマイプランが気になる方、地域で何かすることに興味がある方、すでに活動している方、またそもそも伊達ルネッサンス塾って何?っていう方も、ぜひご参加ください!
セミナーのみ、交流会だけのご参加も大歓迎です。

○日 時:9月28日(土)13:30~17:30 ※終了後、交流会あり
○会 場:里山のふるさと 協創塾(角田市西根地区)
○ゲスト:吉野敏充さん
     (kitokitoマルシェ吉野敏充デザイン事務所 代表)
○参加費:一般1,000円、学生500円、高校生以下無料
     ※交流会費は別途かかります
○お申込:メールフォームから
○その他詳細はこちらから → Facebookイベントページ

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