【伊達ルネッサンス塾 第4期/マイプラン発表会レポート】塾生の想いが会場に響き、その場の人たちの心を震わせる。

■2018/2/3(土)@つばめの杜ひだまりホール(山元町)

6月4日(日)のプレセミナーで開幕した第4期も、プログラムの最後となるマイプラン発表会までやってきました。1月下旬には近年にない大雪が降り、開催できるのか?と悩みましたが、この日は好天。やはり、天気には恵まれています。

会場は昨年秋にオープンしたばかりの「山元町防災拠点・山下地域交流センター(通称:つばめの杜ひだまりホール)」。新しい施設で、塾生たちが参加者の皆さんとともにどんな新しい風を吹かせてくれるか楽しみです。この日は塾生・一般聴講者・OB・スタッフなどを総勢59名が参加。県南の方から県内各地、さらには県外からもご参加いただき、まことにありがたい限りです。

さて、今日の主なメニュー。
○オープニング
○塾生マイプランの発表
★審査員
・松島宏佑さん(Re-member.blue:Creator)
・阿部結悟さん(一般社団法人ふらっとーほく 代表理事)
・細田幸恵さん(SROIネットワークジャパン マネジャー)
・尾野寛明さん(伊達ルネッサンス塾 塾長)
○リフレクション(参加者同士の感想共有など)
○ゲストセミナー
・松島宏佑さん(Re-member.blue:Creator)
○各賞発表・表彰・講評
○エンディング
○交流会

■想いや考えの積み重ねが生んだ、塾生マイプラン

はじめに諸説明や第4期のこれまでを振り返ったのち、さっそく塾生マイプランの発表に入りました。各塾生のマイプランのタイトルと概要は以下の通りです。

○永谷由美さん「幸せ妄想株式会社 コミュニティナース温(ハル)」
住民の皆さん、そして自分自身の「毎日が楽しい!」をつくり出す妄想コミュニティナース活動のお話。
○氏家優希さん「自分らしくいるために 何でも話せる語り場づくり」
大学4年生の今まで感じていた悩みをマイプランに取り入れて考えた「自分らしくいられる場所」。
○小野広志さん「べしゃりが苦手な地域コミュニティ職員が語るわりとどうでもいい話」
「地域でできること×自分がやりたいこと」の交わる点を探し続けて見つけたひとつの到達点。
○大槻久美子さん「ふるさとへの想いの変化と自己肯定感の気づき」
好きだったふるさとへの想いの回帰。そこから見えてきたふるさとのよさと自分についての気づき。
○岩佐博紀さん「心を生かす」
これまで感じてきた山元町の好きな部分とその裏側。その経験から考え出された「仮想」町の試み。
○結城翔太さん「地産地消から、地産継承へ」
農家と消費者がつながることで新たな価値が生まれるのではないか。そのための場づくり、交流。

ちょっと裏話めいた話になります。発表会当日の午前中に尾野塾長も交えて発表のリハーサルをしましたが、聞いていてせっかくここまで来たのだからもう一段階上がってほしいと思いました。その後、アドバイスをもとに塾生の皆さんはスライド順を変えたり話す内容を再確認したりしていました。また、塾生同士でも励まし合う姿が見られました。

そして発表会本番。これまでで最高の発表を見せてくれました。これも、半年間自分や地域と向き合い、いろんなことを考えてきた蓄積がこの土壇場で生きたのかな、と感じました。

塾生の発表終了後は、投票の時間。参加者が最も印象に残ったり、応援したいと考えたマイプランをひとつ選びました。

今回も、ゲストの皆さんと尾野塾長が審査に入っている間にリフレクションの時間を持ちました。4人ずつの小グループごとに、塾生の発表を聞いての感想や、「自分の住んでいる地域、こうだといいな」「そのために、自分はこれがしたい、これができる」という想いを共有しました。あまり時間が取れなかったのが申しわけなく感じるくらい、グループごとにいろんな話がなされていました。さらに話し足りなかった分は、休憩時間にも引き続きあれこれ話している皆さんも多くいました。

■思い切り振り切ることで、必ず次につながる~「振り子」のように

後半は、審査にもあたっていただいた松島宏佑さん
(Re-member.blue:Creator)によるゲストトークです。

最初に塾生マイプランの発表を聞いて全体的に感じたことからトークはスタート。「生きづらさ」「コンプレックス」がマイプランの根底、きっかけになっていることが多いという印象を受けたこと。そしてそこから、「自分らしさ」を押し出しながらマイプランという形ができていったのではないか、と話してくれました。

東日本大震災の直後に「ふらっとーほく」(のちに一般社団法人化)を立ち上げた松島さん。まずやったのは、ボランティアに来たいけど泊まる場所がなくて困っている県外の人と風評被害に悩む温泉街をつないだこと。温泉に泊まってもらい、そこからボランティアに通ってもらうシステムをつくりました。今回の聴講参加の方にもこのシステムを活用して宮城で活動していた方がいて、「これがなかったら、きっと自分は今日ここにいない」と話していました。

その後、復興の段階の変化とともに活動も変わってきて、「チャレンジする人を増やしたい」「次の一歩を踏み出す何かがほしい」と思うようになり、それが「まちフェス~伊達ルネッサンス」「わたりグリーンベルトプロジェクト」そして「伊達ルネッサンス塾」につながっていきました。

ちなみに、「伊達ルネッサンス」の「ルネッサンス」はフランス語で「再生する・生まれ直す」という意味。ただ元に戻すのではなく、前よりもよりよいものになるように新たにつくっていこう、という意味も込めたそうです。

後半は、主に松島さんの経験や考えてきたことから、いくつかお話がありました。そのひとつが、「振り子」のお話。

自分の内面への関わりと、他者との関わり(仕事はこちらのことが多い)。何となく、どちらかに偏りがちになるイメージがあります。これを振り子に例えて、どちらかに半端に振れると結局両方とも中途半端になってしまう。なので、どちらにでもいいので思い切り振り切ることで必ずもう一方にも大きく振れていく。つまり、どちらかで力を入れたことがもう片方にも波及して、より成長につながる、と松島さんは話してくれました。

松島さん自身も、最近急に「小説を書きたい」と思いはじめ、どうなるか分からないながらも書き進めているそうです。これがどう振れていくか、次にお会いした時にぜひ聞いてみたいと思いました。

松島さんからは、特に東日本大震災後の県南地域での取り組みを振り返ってもらうとともに、ご自身が考えてきたことについてもお話しいただきました。これを今後の県南地域を担っていく私たちがどう生かしていくか、ちょっとした宿題をもらった気分になりました。

■「すきはすきのもと」

そしていよいよ、審査結果の発表と表彰です。
まず、参加者の投票による「共感賞」は、結城翔太さん。
そして注目の「最優秀賞」は、永谷由美さん。
がそれぞれ選出されました。
そのあと、塾生を代表して小野広志さんに修了証が贈られ、4期生6名の修了も合わせて発表されました。

最後に、全体のまとめとして尾野塾長から一言いただきました。

○「すきはすきのもと」おっと、「隙は好きのもと」
自分だけでパーフェクトにやろうとするのではなく、隙をつくって他の人が入り込める余地をつくっておく。そうすると、関わってもらいやすくなる。「関わりしろ」これ重要。
○これからは「課題設定能力」
出された課題を解決する力でなく、「何が課題か」を見つける力が大事になってくる。また、関連して「手段の目的化」、やること自体が目的になってしまっている例もあるが、これが地域をむしばんでいく。「何でこれをやるのか?」をおさえながら活動してほしい。

というわけで、第4期、一切の終了です!

塾生の皆さん、半年以上もの長い間、おつかれさまでした!
伊達ルネッサンス塾での経験や得たことは、必ずどこかで生きてきますので、ぜひ心の隅っこにでも置いておいてください。

そして、
ゲストを引き受けていただいたり、会場を提供していただいた皆さん、一般聴講でご参加いただいた皆さん、その他陰に日なたに伊達ルネッサンス塾第4期にご協力いただいた皆さん、本当にありがとうございました。皆さんのおかげで、第4期、無事に終了いたしました。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

皆さん、またお会いできるまで、しばしお待ちください。
また、新たなチャレンジャーの皆さんも、力を蓄えてお待ちください。

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