見出し画像

「やりたいことがあるひと、ないひと」

-------------------------------------------------------------------------------------
スイスイ
1985年生まれ。元メンヘラ現100%リア充のエッセイスト。
現在cakesで「メンヘラ・ハッピー・ホーム」連載中。

サクちゃん
1978年生まれ。シングルマザーのクッキー屋。
娘のあーちんほぼ日で連載中のイラストレーター。
--------------------------------------------------------------------------------------

スイ:スイスイサクサク!

サク:よむラジオーーーー!ひさしぶり!

スイ:久しぶりだね!5ヶ月ぶり?これから月2くらいでやりたい!で、今回のテーマは「やりたいことがあるひと、ないひと」!



「やりたいこと」より「いいね」が欲しいのでは説

スイ:サクちゃんは「やりたいことわかんない」って相談よくもらうんだよね?

サク:うん、よくいるねえ。

スイ:そのひとたちって、なにが目的なの?サクちゃんになにを求めてるの?なんなの?

サク:やりたいことがないとダメだと思ってるのかな。で、わたしのこと「やりたいことやってるひと」と思いこんでるのかもね。

スイ:たしかに。サクちゃんのこと、まるで幼稚園の頃からクッキー屋さんに憧れ続けて夢掴んだキラキラシンデレラと思ってるのかも。間違ってる。

サク:クッキー屋さんやりたいと思ったことないし、それしかできないからしょうがなくやったんだよね。というかわたし、やりたいことなんてないんですよ。だから「やりたいことがみつからない」と言われても、へーわたしもー、という感じ。

わたしの場合、自分の人生のなかで常に優先順位のトーナメント戦が行われているんですよ。お金とか時間とか、なにを大事にするかという。わたしは自由を大事にするがゆえにサクッと離婚して、そしたら、お金は必要だから優先順位1位、こどもが小さかったから一緒にいる時間がほしくて時間が2位。「やりたいことをやる」なんてランク外だった。やることは、自分の持ち物であつらえるしかないでしょ、考えて。優先順位の上位を叶えるために頭つかって考えて、決めて、やってるだけなんだよね。

スイ:なるほど。消去法で、自分の優先していることを満たすために、自分を最大に利用できる方法がクッキー屋さんだったんだよね。

サク:うん。あと別にがまんしてるとかじゃなくて、ほんとにもともとやりたいことないんだよね。

スイ:でもさ、これが、スーパーのレジ打ちとか、大多数の人がやってることをサクちゃんがやってたら憧れられないよねきっと。あまり誰もやっていない、かつオシャでたのしそうでストレスなさそう、なことだから、憧れられるわけだよね。これ、やりたいことが欲しいというより、「ラクでたのしそうでチヤホヤされる仕事がしたい」ってことか。

サク:やりたいことっていうのに「だれかにいいなって思われること」の要素も入ってる気はするよね。でも、むしろやりたいことってその真逆で、だれひとり見てなくてもやることでしょ。そのねじれにいつもハテナ?ってなる。

スイ:あと経験上、やりたいことは、ないほうが生きやすいよね。歌がやりたい!って思ってた時、歌の学校行きまくってたけど、何年かそれに執着したあと急に、「あ。やりたくないかも」って思った時、解放されたとおもった。やりたいことに支配されなかったら、もっといろいろ楽にいられただろうに、とおもった。いまでも、エッセイ書きたいとおもってなかったら相当ラクだったと思う。

サク:やりたいことがある苦しみかー。なるほどねー。「やりたいんだからやんなきゃ」ってなるのかな。

この前、やりたいことがみつからないって言ってたひとがいて、よく話を聞いて掘ったら「働かないですきな生活したい」だったしなー。やりたいこと、あるじゃん、、って 笑。

スイ:そうかー。大抵の人には「やりたいこと」が本来あって、それは「毎週土日いっぱい寝たい」「あたらしいゲーム死ぬほどやりたい」「子供作って主婦やりたい」「おいしいごはんたべたい」「ゆずのライブ行きたい」とかいろいろ、それぞれ、確実に、あるはずなのに、<いいねフィルター>でふるいにかけて、「本来のやりたいこと」も、無自覚に、みなかったことにするということ、、、!おそろもったいない!

サク:最近、他人のいいねが価値感の軸になってるってよくきくし、それヤバいなって思うけど、でも、その欲望に気がついてる人はいいんだよね、「ちやほやされたい!」「認められたい!」って欲望に気がついてれば。


スーパーのレジ打ちから社長になるのがサクちゃん

サク:スイスイは、文章書くのは、やりたいこと?

スイ:うん、書くのはやりたいこと。あとチヤホヤも全力でされたい。

サク:わたしは、noteで書いてたのって、やりたいからじゃなくて、自己紹介できるようになるために今までしてきたことを客観的に見たくて、書き出したんだよね。

育児も別にやりたいことではないでしょ、お店もやりたいことじゃないし。でも、やってきたことを書き出してながめてみたら、他人がそこに価値を見いだしておもしろいって言ってくれたり、自分でもその中から得意なことが見えてきたんだよね。

スイ:いまここでやっときづいたけど、わたしはサクちゃんと真逆かも。わたしは育児も名古屋で暮らすのもエッセイも花の仕事も、やりたいことだけつめあわせてやっている。これを、お金や効率重視で考えたらぜったい東京に住んで保育園入れて会社に入って広告営業とかすべきっておもう。だけどいまのこの状況は…やりたいを優先しすぎた結果である。

サク:優先順位だからいいよね、それで。それにちゃんと夫も稼げる人選んでるし。

スイ:そう稼げる夫なの人生でかなり重要視。

サク:やりたいことやるために夫にちゃんと頼るって決めてるから、いいと思う。

スイ:やりたいことがわからないひとは、サクちゃんのnoteみたいに、やれること全部バーって公開してみるのがいいかもね。そうしたら他のひとが、いっしょにやれること考えてくれるってパターン、最高だよね。

サク:そうそう。で、わたしは書き出してもぐちゃぐちゃだったから、なんとなくわかってきた得意なことを、今後どうしたらいいんだろうって考えて、その結果、今年、編集の勉強してたの。編集能力が必要だなって気がついたんだよね。

スイ:それにきづいたのも、とりあえず当時出せるもの全部だしたからだよね?

サク:そうそう。お店とか子育てとか、文章も、時間のやりくりも、ぜんぶ編集でしょ、って気がついて。そこを磨けばまた先にやることが見えるなと思って。それでもまだ「やりたいこと」ではないけど。

スイ:サクちゃんは、そうしてきづくまでに時間がかかることを、厭わないよね?ちゃんと、わかってから、うごく、というか。わからないことを焦らない、考えてもしかたないことを考えない。なぜなら僧侶だから。

サク:時間をかけてるつもりはないんだけどね。わたし、せっかちなのに、ぜんぶ後から気がつくんだよね。もしくはせっかちすぎて自分を追い越しているかw ときどきふりかえって、自己まとめが必要なんだよ。

スイ:あと、ふつうは「ぜったいやりたい!」くらいの熱意が生まれてはじめてガッツリ行動できるものだけど、サクちゃんって「あ、これ、いいかもやってみよ」の段階で、結構がっつり本格的にやっている。中途半端にしない。なぜなら武井壮だから。

サク:やってみて、やだったらやめて、やり続けてから考える。武井壮?

スイ:やりかたがはんぱない。壮。

サク:うん、目の前のことはちゃんと一生懸命やるからね。壮だね。

スイ:やっぱりそれが重要では?!

サク:やりきって、ふと、遠くに来てしまったな、と思って地図に書き残すの。そうするとなにかが浮かんで見えてくるというシステム。

スイ:みんな、目の前を軽視して、いつかくるであろう、ほんとうはこない、キラキラした未来だけを優先しようとしている。

サク:いやほんとそうかもね。まず目の前のことちゃんとやるのは誰でもできるよね。

スイ:目の前のことやらないと、なにもならないのに!ばかども!

サク:やりたくないことはしなくていいけど、なんでもちゃんとやりきったらなにかになるよね。向いてないことやるのはツラいからすすめないけど。

スイ:となると「日常がやりたくないことばかりです」なひとも湧いてきそうだけど。

サク:たとえばスーパーのレジでも、真剣にそれについて考えたことがあるって人と、自分のやったことにノーカウントのひとでは大違いで、わたしは目の前の仕事についてめっちゃ考えて、もっとよくしようとするから、レジうちからスーパーの社長にもなれると思ってる。

スイ:!!!!!!!!!!!!!

サク:毎日それについて考えるって環境にいるの、つよいよね。高校生のときのパン屋のバイトで、売れ残ったパンを毎日たくさん捨てるのがすごくいやで、それが、クッキー屋は捨てることがないから選んだっていうのにもつながってるんだよ。

スイ:オーマイゴット、それだ!サクちゃんは、やりたいことはないけど、やってることをやりまくりすぎていて、結果、ものすごいやってるひとなんだ!

サク:わたし、まじめなんだよね。

スイ:そうだねまじめだね。。。。。

サク:ただ、まじめにめっちゃ向き合ってやるけど、まじめさを上回るおもしろがりたい気持ちもつよいんだよね。どうせやるならおもしろくやりたい。それができないのは向いてないからやらない。判断、そこかも。

スイ:わたしなら、(レジ打ち)面白がるまでもなく、やりたいことじゃないという時点で「向いてない」判定して避ける。興味がないことじゃないと本当に常識的なレベルのパフォーマンス(おつり渡すとか)もできないことを経験上知っているから。自分にとっての「向いてない判断」の軸を正確につかむのも大事だね。

サク:あと、仕事が向いてないのか人間関係がいやなのかわかんなくなってる人も多いよね。

スイ:そうだね。もし向いてることだとしたら、ほめられないことでも、興味ど真ん中じゃなくても、全力でやったら楽しいことってけっこうあるんだろうね。

サク:あるある。わたし、いやなことのなかにいいことみつけるのすきなんだよね。まあ、周りから見ると早くやめなよってことを続けちゃうということもあるけどね。


バットがなければ素手でも振りまくれ


スイ:さて、「やりたいことがみつかりません」に対し、わたしがいいたいことはほぼ「そんなこと相談してひとの時間占拠するな」につきてしまったwけど、サクちゃんが言ったことでもう充分みんな、おなかいっぱいになれたよね?!

サク:スイスイは時間が超大事なんだね。あと他人に興味がない。あとふつうに仕事が超できる。

スイ:ひとに迷惑をかけることが嫌いなのかも、、、!?わたしだったらぜったいそんな無駄な時間とらせない、、、もうしわけなさすぎ、っておもってしまう。

サク:ああ、そういうことかもね。

スイ:みんな、自分との時間に価値があるっておもいこんでる気がする。。

サク:それは相手に興味がないだけでは、、、笑

スイ:そう!そんなことで悩んでるひととそもそも、かかわりたくない、だけだ!!!!!!!!!!!!ごめん!!!!

サク:やりたいことないひと、とりあえず目の前のこと本気でやるのでじゅうぶんだと思う!もし目の前のことがイヤなだけだとしても、それとやりたいことがないのは、別の話!

スイ:あと、ほんとに相談したいことはこのよむラジオで、まってます!!!サクちゃんがちゃんと考えてくれます!

サク:本気でこたえます!!!(スイスイも考えて!)

スイ:これから再開するからコメントどんどんまってるね!またね!


(本日のエンディング曲:MONDO GROSSO 「ラビリンス」)




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?