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3/9坊ちゃんlab みらい研

'24/3/9
TUS坊ちゃんLabのSC班の活動として、東京理科大学主催の「みらい研」で企画展と常設展を開きました。
企画展では簡易的な雲の生成実験と、火山の噴火を模した実験の2つ。常設展では、大腸菌模型の展示、ほうれん草を使った光に伴う色の変化の実験、葉脈標本の展示を行いました。私は企画展の方で、全体の説明と実験進行を担当しました。
来てくださった方々は、幼稚園児〜小学生が多く、ボリュームゾーンは小学校低学年の子供達とその保護者様方でした。そのため、脱炭酸反応や、圧力や温度上昇に伴う蒸気圧の変化などの説明をするわけにもいかず、原理の説明が1番難しいと感じました。
脱炭酸反応の説明は、馴染みの深い、コーラなどの炭酸飲料や、お菓子のラムネ、ねるねるねるねなどを例として説明すると想像がつきやすかったのか、反応が良かったです。
ただ、圧力が上がると温度が上がり、温度が上がると飽和蒸気圧が上がり〜という説明で、小さな子たちでも分かるような具体例が思いつかず、曖昧な説明で押し切ってしまったことが悔やまれます。

全体的な子供たちの反応としては、単純作業が多く、目に見えて進捗が分かりにくい雲の生成実験はそこまで反応が良くなかったように感じました。準備も多く、成功率の決して高いとは言えず、結果として見られるのは少しの白いモワモワ。これを雲と呼ぶのは、原理が同じで雲と何ら変わりないものとはいえ、こじつけの様に感じてしまいます。
反対に、火山の噴火を模した実験は反応がかなり良かったと感じました。まず1番の要因として、反応が派手で、誰の目にも分かりやすく、一気に起こるため見ていて面白いものということが挙げられます。自分で噴火の色を変えたり、今回は時間が足りず割愛しましたが、絵を描いて自分好みの火山を作るという作業も本来あったため、自分で好きなように、オンリーワンのものを作り上げるという作業があると楽しんでもらいやすいのではないのでしょうか。

具体例が分かりやすく、原理の説明がしやすく、子供たちが自分で作業をし、それぞれの個性も出せるような実験が理想的です。最初に私が思い浮かぶのは料理関係の実験ですが、子供たち相手に食べ物を扱うのは規制が多く、難しいらしいです。隣のブースではアロマキャンドルをそれぞれ作って持って帰ってもらうということを行っていました。私たちの実験では、毎回の実験の後の片付けと、それらの処理が大変だったこともあり、何か物を作ってもらう。というのはとても面白いと思いました。実際、自分で好きなように作った実用的なものを家に持って帰れるというのは、子供達にとっても嬉しいものだと思います。私は駅のワークショップなどで、よくジェルキャンドルやスノードームを作っていました。これが本当に楽しかった記憶があり、今も家に置いてあります。次回のみらい研では、化学や生物の反応や性質を活かした、子供たちでも作れるような物を作る教室を開けるといいな。と個人的に思っています。


最後に、私が前で実験説明、進行をした感想でも書いて終わろうかなと思います。私自身、何人もの子供を相手に説明するという経験が乏しく、なかなか不慣れなことやったので試行錯誤ばかりでした。
まず最初に、子供たち相手だからタメ口、というか親しみやすい口調にしようという考えがありました。それと同時に、あくまでイベントの出し物であり、保護者様方も同席しており、周りには同じサークルメンバーもいるため、しっかりと話さなくては、敬意を持たなくてはという考えもありました。その結果、敬語とタメ口が交互に出たり、それが一言の中に混ざり合うなど奇妙な現象が起こりました。流石にそれはおかしいので、タメ口のみの説明をするコマと、敬語のみでの説明をするコマを試し、最終的に敬語で説明をするという形に落ち着きました。ただ、最初の敬語と、最後の敬語では違いが産まれました。
まず、私の誤認事項として、タメ口=親しみやすい ということがあります。親しみやすさというのは、どんな文言を言うか、と言うよりもむしろ口調、声のトーンが大事でした。敬語だろうとタメ口だろうと、相手に寄り添った落ち着いた穏やかな口調、トーンで話せば相手への敬意も同時に伝わることに気づきました。
次に、発表をする以上、相手からの反応がないと一方的で、こちらも相手もつまらないです。
最初は操作が終わったかの声掛けでの確認をしていましたが、1番前で、「みんな終わったかなー?」と声をかけたところで、「終わった!」と報告してくれるような子は、小学生とはいえなかなか珍しいです。おそらく大学でそれをして声が返ってくることはないでしょう。
これでは確認になりません。全体の進行のため、終わっていない場合は基本的に待たないといけません。次に、「終わった人ー!(挙手の仕草を添えて)」と言うようにしました。発言はハードルが高いですが、挙手ならハードルは低いです。してくれない子はもちろんいましたが、各テーブルについているサークルメンバーも共に、手を挙げてこちらにリアクションしてくれる子が明らかに増えたことが感じられました。仕草を付け加えたのは成功です。さて、これを更にグレードアップできないでしょうか。ここで、私は大学の薬理学の教授の授業を思い出しました。その人はノリのいい人で、授業の終わりに「じゃあみんな、拍手ー!!」と言い、みんなで拍手をして授業を締めていました。挙手さえまともにしない私の学部の人達が、大多数しっかりと拍手していたのです。
発言は個人が分かる上に音がでる。挙手は音は出ないが、個人が分かってしまう。さて、拍手なら誰が拍手しているのかあまりよく分からないですね。だからみんな拍手は率先して行うのでしょう。みんな場の空気を悪くしようとは思っていなくても、目立ちたくはないという、日本人らしいといえば日本人らしい習性を持っています。これを利用しない手はないでしょう。
後半の実験では、最後に火山の噴火で盛り上がり、保護者様方の写真撮影とサークルメンバーによる簡単な原理説明が一通り終わった後、締めに、「みんな火山の実験上手くいったかな!?できた人は、拍手ーー!!!👏👏」と言うようにしました。拍手が聞こえるので実験が成功していて、みんなのテンションも実験によって上がっている。保護者様方も、実験が上手くいって喜ぶお子さん方をみてニコニコしながら拍手をしてくれている。それを私は目で、耳で聞いてフィードバックを受けることができる。
みんながニコニコしながら拍手をして、最後に私がthank you for coming 的なことを言って終わる。終わりよければ全てよし、ではないですが、新近効果というものもあるように、後味がよければ、なんか楽しかったという印象が残るものです。

30分×5コマで、実際やってるとあっという間に終わってしまいましたが、純粋無垢な子供たちを相手にするからこそ、進行の雰囲気やリアクション率などをよくするための工夫を考えるいい機会でした。今後、私の学年が上がっていくにつれてこの相手は小学生から同級生の学部生や修士の院生、さらにはお偉い教授陣へと変わっていくのでしょう。流石に今日の経験を活かして拍手で締めることはなかなか難しそうですね。TPO、場所と時、そして相手はしっかり選びましょう。とはいえ、こういったことを考えることは確実に今後に活かすことができると思います。

後はお客さん方が純粋に喜んで、楽しんでくれていることが伝わってきたのでこちらとしても楽しかったです。またやりたいです。

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