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2022年私的ベストアルバム!おかわり

2022年はまだまだ続いております。記録に残しておきたいものを選んだら、おかわりの方が多くなってしまいました。
でもこのバランスの悪さがリアルかなと。

日々配信される膨大なコンテンツの前に不感症になりがちですが、人間と同じで、全員と仲良くできるわけではない。
ほんの一握りでも愛せる音楽があるのは幸せなことだと思いますよ。


Force of the Wind / СОЮЗ(SOYUZ)

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2022年私的ベストアルバム!で選んだSessaが1曲参加していると知ったのが昨年12月後半。その「Como é que vai você (feat. Sessa)」は笑っちゃうほどのSessa節が土煙の向こうから聴こえるマジカル催眠ポップでど真ん中でした。ベースの音も素晴らしい。アルバムも1~2周聴いて最高に好みな音楽なのは分かりましたが、そのタイミングではベストアルバムに選ばないところが私の奥ゆかしさです。ジャケットのイメージそのままの、寂しいけど仄かに明るい時間が穏やかに流れていくアルバム。ウェイン・ショーター(これを書いている途中に訃報が…合掌)&ミルトン・ナシメントの『Native Dancer』と同質の世界といったらさすがにほめ過ぎか。特に「From the Lonely Afternoons」を感じたものであります。


סוכר טלוויזיה / Alon Eder, Tomer Yeshayahu

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Apple Musicでイスラエルの音楽を流しっぱなしにしていたところ気になり、いつの間にかリピートしているアルバム。ギターに導かれて生まれたかのようなみずみずしい楽曲に気の利いたコーラスワークがきもちいい。清涼感と苦みがほどよくブレンドされた、デュオアルバムのお手本のような作品。クロスビー&ナッシュの『Wind on the Water』を思い出さずにはいられなかった。


Live at the Capitol Theatre / David Crosby & The Lighthouse Band

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そのクロスビーさんが亡くなってしまった。このライブ盤で改めて彼の音楽の凄みを感じていたところの訃報だったのでショックは大きかった。「The City」を聴いてみてください。このシンプルな編成でこの濃さ。繊細にして激烈、ミステリアスでメロウ、ミニマルでファンキー。何よりセクシーなクロスビー音楽のわりとすべてがここにあります。RIP。


An Orange Colored Day / Arima Ederra

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まず序盤の楽曲で感じるのがリズムの太さ。レゲエの影響か、たくましく躍動する低音に支えられている。曲の表情はチアフルだが歌っている内容はシリアス。中盤以降はスタンダードジャズのような美しいナンバーやプログレッシブフォーク的な緊張感のある曲、パーソナルな弾き語りなど、多彩な楽曲が並ぶ。飽きさせないのは愛らしいボーカルの力だろう。淀みない流れは一本の上質なミュージカルのサウンドトラックのようにも聴こえる。


Cometa / Nick Hakim

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非常に好みなのだがジャンルが分からない。スモーキーな質感と神秘的な雰囲気にモーゼズ・サムニーの『Aromanticism』を思い出した。しかし全然違うものでもあって。モーゼズの音楽が天から降り注ぐ教会音楽のような神々しさをもっているのに対して、こちらは地下深くのパーティが醸し出すざらつき、埃っぽさがある。狭いライブハウスでぬるいビールと浸りたい。マイブラ『Loveless』から轟音を除きましたみたいな曲もある。



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