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阿賀北ノベルジャム2022参戦記#23「大雪」

冗談じゃない

 今回BCCKSではなく公式でオフセット印刷を頼むことになってました。

 ところがこれ、例によってどういうものかわからない。

 Wordで入稿のはずがWordからpdf変換したものになったり、128ページか256ページの2種類のみのはずが普通の16の倍数になったり、テンプレートとして用意されたWordファイルにノンブル(ページ表記)がなかったり。

 ノンブル入れるならヘッダフッタいじるしかない。そしたらヘッダフッタの調整失敗すると印刷不能データにもなりかねない。なんじゃこりゃ。

 しかもこの公式の印刷本、審査に関わるわけですよ。審査員これで読むわけで。となると図表とかしっかり再現されないと困るわけです。でもワードで見開きページなんかあつかえない。それどころかタダの写真入れるんでもアンカーというMSKKの馬鹿設計のおかげでどう再現されるか地雷原な訳です。

 冗談じゃない。

 冗談じゃない!

 こうなるとあまりにもガバガバなので聞くしかなくなります。全部いじっていいのか?と。

 word縛りにすれば簡易なデータに制限できると思ったのか? wordなめんなああああ!! あんな訳わかんないソフトないんだぞ。

 ノンブル、もしかすると後から入れるんですか、と私も聞いてしまう。

 そんなわけないでしょ、とナミノフが言う。

 んなわけあるかー。pdfデータはフリーソフトでもいじれるんだぞ。

 そんなリスク印刷屋が負えるわけない。とナミノフ。人件費が足りないと。

 こっちもキレる。冗談じゃない。バグだらけのWordで作業することでこっちだって工数かかるし、あとからこの調子であれはダメこれはダメなんて言われて手戻りなんかたまんない。

 チームでまとめてからでないと、というけどこっちはまとめる編集もいねえんだよ! 思わず声荒げるしかなくなります。

 で、結局この件、どうにもならなくなって、私は腹決めました。もうこれ以上仕様変更されてダメだって言われて手戻りするならこっちからリタイヤ宣言してやる、と。もうBCCKSで出すことにしてるんだから、あんまり阿賀北が巫山戯たことで無理言うならこっちから願い下げする。知ったことか。

 でもそのかわりこっちはWordの機能使い切って作り込む。それでダメなら潔くリタイヤする。知るかくそ。

 そういうことにして、作り込みを開始します。文庫SF、早川JAの版面をノギスで計測してノンブル位置、行ピッチなどを確認してWordで再現してみます。そして見出し機能使って自動生成の目次も入れる。最後に奥付作るんだけどどうせpdf納品なんだからとこれも早川JAの体裁にします。

 ナミノフのとこも奥付はどっかの出版社に合わせた感じ。個人的に奥付ジェネレーターって誰か作ってくんないかなと思います。いろんな出版社の奥付の形式にしてくれるの。実用でも遊びでも楽しいと思う。

 というわけですったもんだあったわけですが、私キレましたがナミノフとのプロレスのとこはあるわけです。そりゃそうだ。この程度のことでナミノフと縁なんか切りませんよ。というかこのまま運営に中途半端続けられると困るので二人で軽く喧嘩のマネしました。そんなもんです。まさに阿賀北の19人……。

 そんなことしてると鉄研特務機関情報でワタクシが不在の編集にDMで最後通牒みたいなことしたんじゃないかといってるのがいるという話が判明。

 ええっ、そんなことできないよ。むしろできてたらこうならないよ……。ええええ。マジすか。冗談じゃない。私またキレます。なんだまともに運営やらないのになんで邪推だけしてんの。冗談じゃない。

 まさに大河ドラマ「阿賀北の19人」ともいうべき凄惨な状況が続きます。

 でもなんとか表紙の入稿にすすみます。

 そしたら。

 運営から藤沢ちひろさんの作ってくれた阿賀北ノベルジャムのイラストを全部の表紙にブランドマークとして入れてください、という指示が。ところがそのイラストの著作権表示、(C)も表紙に入れろと。

 何非常識なこと言ってんだ、それ表紙に入れるもんじゃなくて入れるなら奥付か表紙裏とかでしょ。表紙にそんなもんブランドマークの隣に入れてる本なんか見たことない。恥ずかしいだろ!! またキレる羽目に。


 そうしているうちに。

 バイトの関係でクリスマス寒波の話を目にします。そう、2022年12月、未曾有の大雪が新潟を襲うのです。その影響はわがチーム雪水米宗にも及びます。なんと亜登武さんのいる燕市も大雪で市街機能麻痺。表紙作成どころでなくなります。ひいいい。


 応答の途絶える亜登武さんを待ちながら、今度はノベルジャムと並行してやってたコミケ101、いわゆる冬コミへの出展の準備もしてるわけです。配布チラシの作成、荷物の発送準備。BCCKSで本の作成をしてその到着待ち。まさに『僕らの戦場』(ワルキューレ)って感じでバッタバタです。

完成稿発表

 そんななか初稿発表に続いて完成稿発表。うちは編集いないので著者のワタクシが発表。作った架空列車『雪水米宗』を活用したプロモーションの話とかするわけです。もう趣味に全振り。誰もついてこなくていいや。

 と思ったら。

 仲俣委員長「僕もブルトレファンでした」

 ええっ。

 そこから審査関係者にブルートレインや鉄道好きの告白が連続。

 なかでも鈴木先生「私、昔高校教師時代に高校鉄研の顧問してました」

 うっ、まじですか!

「トワイライトエクスプレス乗りたかった! あと米坂線の復活も書いてほしかった! 米坂線には思い入れがあるけどいま災害で長期不通なんです。このまま廃止なんてことになりかねないので、是非作品で復活させてほしい(以下熱弁が続くけど略)」

 えええええ!!!

 もうこうなるとコンペそっちのけです。はい、米坂線復活編の雪水米宗追加シナリオ作成、大大・大決定。これでやらないわけにはいかないでしょう。うん。もう賞はどうせ地の利のヤマダマコトさんがもっていくんだろうから、こっちはこっちの期待に応えるのみ。その結果がまた参加賞の新潟米でもいい。新潟米美味しいし。


大雪

 そんな状況下でも新潟は未曾有の大雪。そしたらすべて入稿作業終えた亜登武さんから連絡。「新潟脱出しました。今奈良で観光列車『あおによし』乗ってますー」

 そりゃそうだ。市街機能麻痺してるとこにじっとしてても仕方ないもんね……。でも観光列車? やっぱり『雪水米宗』にからむのかな。


 そんなこんなで無事入稿。いくつかミスはのこったけど、いいとした私の責任だし、今からではどうにもならぬ。それよりコミケ作戦がある。大晦日ビッグサイト決戦。ここでプロモーション施策の開始なのです。


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