「言いたいことが絞られてないコンテンツ」をどうするか

言いたいことが絞られてないコンテンツ」は、どのようにして改善すべきか。具体例として、コンテンツは「1200字の原稿」だとしよう。

「言いたいことが絞られてないコンテンツ」は、多く2つのケースに分類される。

「雑学の連続になっていて「切り口」が見えないケース」「言いたいことはあるのだが、それが整理されていないケース」の2つだ。

ここでは、「雑学の連続になっていて「切り口」が見えないケース」を考察していこう。

ケース1 雑学の連続になっていて「切り口」が見えないケース

「切り口」を何と言えば伝わるのか。「洞察」「発見」「メッセージ」と言ってもいい。
「その1200字で何をどのようにして手渡したいのか」ということだ。
これは、「言いたいこと」とイコールではない
たとえば、「○○○という作品がおもしろい!」は言いたいことだろう。これを、友達に雑談で言うのはかまわない。だが、わざわざコンテンツとして成形して手渡すためには「切り口」が必要だ。
切り口がないと言いたいことがあっても、伝わらない。

なぜなら、読者は、書き手を基本的に信頼していないからだ。書いていることは本当だろうか、これは読む価値はあるだろうか、と疑いながら読んでいる。

コンテンツを作る側は、甲斐を生み出さなければならない。読み甲斐がないものは、読まれない。読まれても、損したと思われてしまう。

「切り口は何?」と聞くと、(例えば)「食パンがおいしいということです」と答える。だが、それは切り口になりにくい。絞られていない。「食パンのおいしさ」についてよほど新しい何かを持っていないとむずかしい。

「食パンをこうするとおいしくなる」なら、切り口としてありえる
その「こうすると」が実用的か、やってみたくなるように書かれているか、やってみたらどのぐらいおいしくなるのか。
「切り口」が良いかどうか、それが伝わる文章になっているかどうか、といった内容の評価になりえる。

1200字の文章であれば、言いたいこと(切り口)が絞られていれば、たとえばこんな構成になる。

切り口の提示
根拠1
根拠2
根拠3
切り口の再提示

ところが、
雑学の連続になっている原稿は、この「切り口の提示」がない。もしくは本人はあるつもりでも、「切り口が」弱いために、読者には感じ取れない。
そうなると、根拠1から根拠3のところが、ただの雑学の連続に読めてしまう。

まとめ
雑学1
雑学2
雑学3
まとめ

雑学の連続になっている原稿を書いてしまう原因は、「言いたいこと」がまだ熟成されていないのだ。
「言いたいこと」を見つけるまで、調べたり、取材したり、経験したり、考えたりする必要がある。(これは「どのように調べるか」という話になるので、また別の機会に)

【関連】「いつ書き出せばいいのか」については

を参照してください。

【補足】コンテンツを「1200字の原稿」に具体化したのは、コンテンツが何かによって状況が変わるためだ。たとえば1ツイートを1コンテンツだと考えれば、考察したようなことは無視して、気軽にツイートすればいい。
コンテンツとは何かを具体的にしないとアドバイスにならない、ということについては

を参照してください。

【告知】「宣伝会議編集ライター養成講座 米光クラス」(シーズン11がスタートします)では、「穴埋め式:書いてみつける「切り口」発見ロードマップシート」を使って、それぞれの切り口を見つけるトレーニングをする。プロのライターや編集者を目指す人は、ぜひ。

ここから先は

383字
・オンライン講座「ゲームづくり道場」をほぼ毎月1、2回。 ・創作に関する記事 ・メンバー特典記事 ・チャットでの交流

米光一成の表現道場

¥800 / 月 初月無料

記事単体で購入できますが、月額800円「表現道場マガジン」がお得です。noteの機能で初月無料もできるのでぜひ。池袋コミュニティカレッジ「…

サポートいただいたら、記事に還元できることに使います。表現道場マガジンをよろしく! また、記事単体で購入できますが、月額800円「表現道場マガジン」がお得です。