NovelJam2018秋・審査委員は何を考えてるのか

「NovelJam 2018」は2泊3日の出版創作イベントだ。「著者」×「編集者」×「デザイナー」がチームを組んで創作する。NovelJam2018秋は、2018年11月23日~25日に開催された。
今回も審査委員をやってきたので、あれこれ審査して気づいたこと考えたことを書いていこう。(前回書いたものはこちら→審査委員は何を考えてるのかNovelJam 2018

ちなみに米光一成賞は「【大好き】センパイを双子コーデでコロしてみた!」
動画配信をしている少女の語りで、アコガレのセンパイと双子コーデしてみたりしてその先に待つ結末はーーーーっていうな、「いま!」をちゃんと描いていて、がっつり少女耽美を堪能させる好短編。
“気を抜くといつまでもだらだらと話し続けてしまうので、「どちらかが二度あくびするまで」という取り決めをしていました”なんていうディティールがしっかり積み重ねられていく。
作者の都合で言わせてるなっていう台詞や展開が少なく、クリシェを突き崩す表現が多くて、読む快楽を味わえた。

さて。
イベント中に、いくつか指摘した点を思い出して書く。
・クリシェ(紋切り型)が多い。
紋切り型とは、かたどおりで新味のないこと。紋切り型を突き崩し、読み手に刺激を与えながら物語を展開させてほしい。
・古民家とカフェはもういやー
毎年、舞台が必然性もなく古民家とかカフェになっている。ちょっとオシャレで、あまり考えなくても使える場として選んでいるのだろう。もちろん必然性があれば古民家でもカフェでもよい。というか、作品の舞台、設定、キャラクターがそれぞれの必然性を持ってそこに存在していてほしい。
・ちゃんと声に出して言えるセリフかどうか。
キメキメすぎて厨ニな恥ずかしい台詞や、説明台詞が多い。書き手のナルシシズムのだだ漏れ感が出やすいところなので気をつけて。

具体的に、どこがそうなのか、作品ごとに指摘してみよう。

以下、有料部分の内容(希望者の作品を取り上げて、具体的に指摘していきます:BCCKSでも読めます

「いえ喰ういえ」について
・「ぎくりと立ち止まって、胃がキュっと縮こまる」問題(2018/11/27)
・脳内会議で最初に出てくる案に飛びついちゃう問題
・神は細部にやどる。具体的に描写できない問題
・オノマトペの多用問題
・参考にしてほしい作品:巨大なものが動く描写は
・参考にしてほしい作品:超跳躍する奇想を目指すなら
・参考にしてほしい作品:荒唐無稽な設定をスタイルの工夫で読ませることを模索するなら
・お題「家」(2018/11/28)
・導入と最後
・表紙デザインについて
・編集について

「しのばずエレジイ」について
・駄サイクルから抜け出す
・「紋切り型を使うな」ではなくて
・読者を導くベクトルを書き出しに仕込む
・実感のないことを気安く書くと薄っぺらくなる
・表紙デザインについて
・編集について

「帰えりゃんせ」について
・異論とか質問とかツイートしてくれたら可能な限りリアクションするよー
・紋切り型を突き崩すトレーニング法
・ノベルジャムにおける編集的戦略
・どこからはじめるか
・説明台詞を書かない方法
・急に優等生になって説明しない方法
・どこにパワーをかけるべきか
・表紙デザインについて
・編集について

「リトルホーム・ラストサマー」について
・文章の無駄な気取りを削ろう
・試しに素直に書いてみると
・カフェや古民家を舞台にする必然性
・「創作を減点方式で考えた時点で負け」って本当?

マイ・スイート・ホーム」について
モチーフの軸をおさえよ
設定と物語で陥る罠
設定は固めて、物語は駆動させよ
プロットと物語の分量

「みんな釘のせいだ」について
・アイデアのどこを使うか
・非現実的なことを乗り越えるために
・「釘がしゃべる」を読者に受け入れてもらうポイント
・視点を選ぶ

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NovelJam2018秋・審査委員は何を考えてるのか

米光一成

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米光一成

表現道場

池袋コミュニティカレッジ「表現道場」や、宣伝会議「編集ライター養成講座」で講師をつとめる米光一成のオンライン道場。
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