見出し画像

『ライナー・クニツィアのダイス・トランプゲーム集』が「ゲームの仕組みを作る技術を身につける最強のトレーニングブック」になる

ライナー・クニツィアのダイス・トランプゲーム集』がめっちゃ面白い。ボードゲーム好きは必読だし、デジタル/アナログに関わらずゲームを作ろうと思ってる人は「ゲームの仕組みを作る技術を身につける最強のトレーニングブック」として読むといい。
ライナー・クニツィアは累計700以上のボードゲームを作り、『ケルト』で年間ゲーム大賞を、『チグリス・ユーフラテス』『タージ・マハール』『アメン・ラー』でドイツゲーム大賞を受賞しているゲーム作家だ。
ボードゲーム好きのあいだで一番有名なゲームデザイナーだと言っても過言ではあるまい。

ボードゲームは仕組みがむきだしだ

『ライナー・クニツィアのダイス・トランプゲーム集』は、そのクニツィアが商業デビューした年の1990年にドイツで発表した本。
トランプとダイス、紙とペンがあれば、遊べる15種類のオリジナルのゲームルール集である。
ボードゲームの良いところは、仕組みが剥き出しなところだ。デジタルゲームだと内部で計算したりしているので、面白さの仕組みが隠されている。
たとえばRPGのバトルで相手に与えるダメージの計算式はプレイヤーには示されない。が、ボードゲームの場合は、自分で計算するので、はっきりと示される。「6面体サイコロを2つ振った合計値(これを2D6と表記したりする)が攻撃値になる」とかね。
剥き出しの仕組みで遊ぶことによって、「どうして12面体のサイコロ1つではなく6面体サイコロ2つなんだろう?」ということが分かってきたりする(ボードゲーム好きにとっては当たり前のことだろうけど、コンピュータゲームしかやったことのない人の多くは、この問いに明確に答えられない。解説はこの後、有料部分でな!)。

以下、『ライナー・クニツィアのダイス・トランプゲーム集』を「ゲームの仕組みを作る技術を身につける最強のトレーニングブック」として読む方法を具体的に書いていこう。

続きをみるには

残り 3,390字 / 1画像

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が参加している募集

コンテンツ会議

サポートいただいたら、記事に還元できることに使います。表現道場マガジンをよろしく! また、記事単体で購入できますが、月額800円「表現道場マガジン」がお得です。