約束なしの生活/朝ドラ「なつぞら」の演出が巧くて楽しい

約束なしの生活

数年前から考えている妄想。
約束をしない生活ができないか。
約束ってめんどう。守らないといけないから、たいへん。約束って何かいいもののように刷り込まれていて、約束を守ることは尊いことのように思っている。いや、尊い。でも、約束しないほうが、自由だ。
モノを持たないライフスタイルとか、シンプルな生活とかいうよりも先に約束をしない生活、なんじゃないか。
いま、めちゃくちゃたくさん約束をしてしまっている。水曜日は14:20にデジタルハリウッド大学へ行ってゼミをやる約束があるし、金曜日はヒューマンアカデミーでシナリオを教える講座をやる。毎週、ドラマレビューもあって、その締切も約束だ。あさっては、インタビューを受ける、雨が降っても行かねばならぬ。
そういうのがぜんぜんない生活。書きたいことを書いて、それを出す。ゼミもやめて、なんか道場みたいなところにたまに顔を出せばOKみたいな(でも、これはそうとう偉い先生になって弟子みたいな人が教えててって状況だから、なかなかなー)。
じゃあ、約束ゼロはむずかしいにしても(つづく)。

朝ドラ「なつぞら」の演出が巧くて楽しい

朝ドラ「なつぞら」が面白い。朝ドラは演出が巧いときと下手なときの差がはげしくて、下手なときは挫折するが「なつぞら」は巧いよねー。
この前の演劇のシーン。
なっちゃんがセリフを言って、村長役の男子がセリフを言う。そこに番長が割り込んで「もっと威厳をもって言わんか」みたいに怒る。なっちゃんが「もう一度やろうか」ってセリフを言って、なっちゃんが映ったまま村長の威厳のあるセリフが重なる。観てる側は「おお、すげぇ」と思うが、カメラが村長を映すと、番長が村長役になってるというオチ。
これ下手なときの演出だと、こうなる。
番長が割り込んで「もっと威厳をもって言わんか」って怒って、「おまえはひっこんでろ。俺がやる」といって村長の位置に立つ番長。なっちゃん困り顔。「もう一回やるぞ」とノリノリの番長。
みたいな。
全部説明してしまって、「おお」と視聴者が一瞬だまされるってことがなくなる。
もちろん、こちらのほうが「何が起こったか」は分かりやすいが、観ている者の感情は波立たない。

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