Googleビジネスについて思うこと

前口上

現在私は、群馬県前橋市で独立開業した個人事業主として税理士・公認会計士をやっておりまして、そうすると今の時代ホームページくらいは持っておいてしかるべきだろうということで、当noteのヘッダプロフィールに掲載されている通り、自分の事務所のホームページがあります。

jimdoでWebのドメインを取得して、あとはレイアウトを決めて自分でテキストを書き公開しました。初公開後、その手の詳しい人にちょっと頼んでレイアウトをいささか改善してもらいました(その節はどうもありがとうございました)が、いかにも一人で作りましたという感じの、よく言えば個性的なものとなっています。

ともかく、このように一応自分のホームぺージがあります。最近、メンテナンスを放置しがちなので、ちょっと本腰入れなきゃなと思ってます。でも来月になったらね。

無料でWeb集客術を教えるよという連絡

さて、個人で士業をしているので、しばしば士業向けサービスの営業の連絡をもらいます。営業はむげに断るということはなく、時間があると話だけは聞くというスタンスでいます。

つい先日もその流れで「無料でWeb集客方法を伝授する」といわれましたので、ちょっと聞いてみたんです。本題はここからです。

Webで集客する以上Googleビジネスは必須なんだとさ

ということです。

Googleビジネス(グーグルビジネス。ちょっと前まではGoogleマイビジネス。Googleビジネスプロフィールが正式?)とは何か、極めて端的にいうとGoogleに自らの店舗の電話番号や営業時間といった情報を登録することによって、Googleマップにその情報を積極的に掲載すること、と理解しています。そうすることで、Googleマップのピンに情報が出てきます。

そして、これを活用すると、たとえばいま
「前橋 ラーメン」でGoogle検索すると、いの一番にGoogleマップの枠が出てくるかと思います(画像を貼り付けていいのかわからないので貼り付けないです)が、そこに表示されるようになる、ということです。

これをたとえば「前橋 税理士」で検索して表示されるようにすることが、Web集客をするのであれば今最も求められることだというんですね。まあそうでしょうね。Web検索といえばいまやGoogleですもん。

Googleビジネスへの現在の自分のスタンス


自宅開業してるんでむりっす。 以上。

…現実的にはそうなります。
たしかに日本税理士会連合会の税理士検索をすれば事務所住所は出てきます。この事務所が公開されるというのは、税理士として独立開業していればしょうがないことではあります(もしかしたら非公開とするやり方があるのかもしれません)。そうはいってもやはり、それを広く全世界に自ら発信するのは抵抗があります。

Googleの口コミは根源的な弊害がある

Googleビジネスは、利用者側にとっては便利です。とりわけ広く一般消費者を相手としたお店なんかですと、そのお店の営業時間といった基本情報が掲載されているのは、助かります。

問題なのは、口コミ機能(☆評価機能)です。

そしてGoogleビジネスを開設すると、この口コミ機能を排除するということは、どうも現状できないようです。

弊害①言ったもん勝ち

投稿するのは容易(たぶん)ですが、その口コミが悪意に満ちていたとしても削除するのは容易ではありません。

たとえば、電話で問い合わせして、問い合わせ主の態度が横柄でそれに応じて、受けた店側もつっけんどんな対応をし、それをもって「対応が悪い酷い店だ」という口コミをされたとします。

客観的に見れば客側の態度がそんな横柄じゃ店側の態度も不親切になると思えるものであったとしても、店側が不親切な対応をしたのは事実である以上、ウソは書いてません。

そもそも、感じ方は人それぞれなところがあるので、こう感じた、というのに反論するのは難しいです。

こういった口コミは、Googleに削除してもらうのはなかなか難しいのが現実といっていいでしょう。(この1年以内に生じた実例を現に知っています。)

口コミに対して店側が返信する、という機能もあるようですが、立場的には店側が弱いです。

投稿者がどういった者なのかは、その投稿者の他の投稿を確認すれば分かるはずですが、Googleマップを使う一般利用の人が、いちいち投稿者情報を確認しにはいかないでしょう。まして、☆評価という、視覚的にわかりやすいものにはどうしても影響されます。

弊害②反倫理的ビジネスが跋扈する

①の特徴を逆手にとって、あくどいビジネスが現に横行しているようです。

「Webコンサルを名乗るところから連絡があり、口コミ評価を良くする方法があるといった提案を受け、これを断ったところ、口コミ悪評価がつくようになった」

といったことが典型例です。上記の例ではさらに違うWebコンサルが登場し「悪評価の汚名を返上します」といってくるという、どこの特殊詐欺なんだと叫びたくなるようなことが繰り広げられている模様です。

また、いわゆる「食べログ商法」というインターネットミームも耳に新しいところです。結局評価を金で買うということが、Googleビジネスでも起こっているといっていいのでしょう。

ここでちょっと脱線しますが、毎年秋ごろに某民間調査会社から発表される都道府県魅力度ランキングでわが群馬県は例年下位であり、これに対しわが山本一太知事は激おこぷんぷんなのですが、そこでの反論として上記の食べログ商法(とは言っていないですが)的構造があることを指摘しています。

(ほぼ)一方的にランキングを作成して、そのランキングを上げる方法をコンサルティングするというのがあの調査会社の手法である、というものです。わたしが群馬県民であることをさしおいても、この指摘はちょっと無下にしてはならないのではないかと思うところです。

閑話休題

ともかく、こういった事例があることが世に広まると、Googleビジネスへの信頼性が失われると思うんですが、Googleはどう考えているんでしょう。

Googleの思想的には、Webのチカラで世の中が良くなるんだ、ということかもしれませんが、現実は必ずしもそうなってないです。

この点、なんだかネット集合知(『Web進化論』梅田 望夫 2006) vs ネット集合愚(『Webはバカと暇人のもの』中川淳一郎 2009)みたいな話です。それぞれ( )内の書籍はスマホが本格普及していないもう10年以上前に書かれたものであるにもかかわらず、Web上の課題は進化してないですね。

口コミは全世界に公開されればいいってもんでもない

医院(クリニック)が典型例ですが、限られた地域で出回ればよい、それこそ原義の口コミで済ませれば良い性質のものが、全世界に公開されるというのは、いかがなものかと思っています。

なんでしょう、ローカルな口コミは、先に述べたネット集合愚になってしまう性質のものなのだと思います。その理屈・理由をまだうまく言語化できないのですが、悪貨は良貨を駆逐する(グレシャムの法則)に近い現象が起こるのだと考えています。

ということで、思うところを書いていたら長くなりました。自分で読み返してもちょっと冗長なところがある感じがしますがご容赦ください。

本日は以上です。ご覧いただきありがとうございました。


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