税理士会と公認会計士協会の、登録事項変更事務手続きの違い

昨年いくつか書いた税理士vs公認会計士 のテーマagainです。そういえばこれは言っておこうというテーマがあったので書いておきます。はっきりいって税理士会への批判です。

法律上、公認会計士は全国を通じて一箇の日本公認会計士協会を設立しなければならない (公認会計士法第43条1項)とされています。また、税理士であれば国税局の管轄区域ごとに、一の税理士会を設立しなければならないとされ(税理士法49条1項)、税理士会は、一の税務署の管轄区域ごとに支部を設けなければならない(同49条の3)と規定されています。さらに、全国の税理士会は、日本税理士会連合会を設立しなければならないとも規定されています(同49条の13)。

わたしは、群馬県前橋市で事務所を構えておりますので、関東信越税理士会の管轄で、税理士会前橋支部に所属しています。

さて、これらの団体はそれぞれ公認会計士、税理士の登録業務を行っていますが、事務所変更を伴う登録変更手続きとなると、手続きが対照的に違います。

まず、公認会計士。
Web上で変更項目を入力→印刷(一応押印)→郵送→協会で確認→登録完了
(この間、1~2週間で完了。Web上の情報も更新される)

対して、税理士
変更用紙を印刷(または連絡して送ってもらう)→記入(基本、手書)→郵送→税理士会で入力→本来であれば支部長等の事務所確認(※1)→日税連の登録調査会審議→登録完了
(変更月の翌月の審議をもって、その翌月に変更登録完了。Web上の情報もその際(※2))

(※1)この社会情勢のため、代わりに写真を撮って送って、支部長から電話がかかってきて何点か質問があって完了。
(※2)わたしの場合11月に独立開業したので、完全に登録完了するのは2か月後の2022年1月となり、実際1月になってWeb上の情報が更新されました。

税理士会は、事務所を新しくするとなると、とかく厳しいです。偽税理士行為、名義貸しをさせないためでこれはこれでいいんですが、しかしもう少しデータ入力はどうにかならないのかと感じます。

特に、こちら側で手書きした基本情報を、税理士会でデータ入力しているという手続きがとてもイケてない。会計士会であれば、事務所所在地といったデータはこちら側で入力したものがそのまま流れるわけです。税理士会の場合、手書き記入とデータ入力とで二度手間が発生しています。

そういえば、今回の事務所変更の前に、本籍地を変更したことがありました。それも税理士登録事項になので変更したのですが、税理士会の変更書式に、どういうわけだか本籍地にも郵便番号を記入する欄がありました(いまなおあります)。

郵便番号は郵便物を届けるために使用されているもので、本籍地と住所地とは違う概念ですから、本籍地と郵便番号は何ら関係ないはずです。

どういうわけだと思ったら、これは税理士会で入力する際に郵便番号があった方がそれを数字で入力すれば地番のほとんどが出てきて入力の手間が減るからだ、と思い至りました。

なんだこの、業務において部分最適を追求していった結果全体最適になるどころか全体的な総エネルギー(コスト)はむしろ増しているんじゃないか、という例は。

そりゃ、2022年与党税制改正大綱で、「税理士の業務の電子化等の推進」なんて書かれてしまうわけです。

というわけで、世の中の電子化を先陣を切って進める立場にいると思われる税理士会の、DX化はまだまだなのであります。

本日は以上です。ご覧いただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?