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Follow My Light

私の光がついてきてと言うから、導かれるままについて行った。そこは東京ドームだった。

 BE THE SUN 、 LOVEに次いで、FOLLOW。5回目・6回目の 東京ドーム公演、おめでとうございます。そしてお疲れさまでした。大きな舞台で小さなあなたたちを見ることが、今の私にとって1番の幸せです。時間をかけてたくさんのプレゼントを用意してくれてありがとう。


会場には、たくさんの人がいた。本当にたくさん。画面の中の世界からは見えない景色。そりゃチケットは全然取れないわけだ。井の中のおたくは、いつも現場で大海を知る。
SNSには、いろんな人がいる。いろんな価値観があって、いろんな愛の形があって、いろんな正義がある。ばらばらなはずの5万人が、分かり合えても分かり合えなくても、こうして同じ場所に集う。不思議だと思った。
そんな5万人を一気に幸せにできる魔法使いがこの世にいる。SEVENTEEN。しみじみしてしまった。みんな思い思いの気持ちと準備したものを持ち寄って、ワクワクしていた。今回は特にメンバーごとにカラーがあったから、人混みがいつもよりカラフルだった気がした。私も例に漏れず、青と黒を身に纏って大海に飛び込んだ。

黒い幕を抜けた景色を見るといつも言葉を失う。こんなに開けた光景を見ることはないから。広さを表す時に東京ドーム○個分と表現されることを不思議に思っていたけど、最近はわかってきた気がする。東京ドームはミンギュくらい、デカい。(ミンギュはこの世で一番デカい単位です キロとかギガとかのもっと上)
私にとっては一つの惑星みたいな感じだ。東京ドーム星。なにそれ。長方形の旅券を持っている人だけが入れる星。地球よりちょっと酸素が少ない気がする。昼と夜を行ったり来たりして、いつも靄が立ち込めている。
呑気にそんなことを考えながらも、カラット棒に電池を入れる私の手は震えていた。こんなにぎゅうぎゅうな星で5万人の中に埋もれてまでも、私には会いたい人がいた。

ありがたいことにライブは何度も行っているのに、いつも心と体がビックリする。なんだこれは。なんなんだこの人たちは。配信ライブで目に焼き付けたはずの景色に、またちゃんと圧倒される。耳を劈く大音量が一瞬で体に充満して、手足が痺れる。波としてくっきり形が現れそうなほど押し寄せる歓声にびくともせず、地平線から大きな星がゆっくり昇ってくる。BE THE SUNを終え、彼らは本当に太陽になった。毎日見ているはずの人たちは遠かった。熱気、閃光、不動。届かない。太陽になった彼らに、もうだれも触れることはできない。然るべき距離を教えてくれた。『Super』『DON QUIXOTE』『CLAP』、最初の怒涛のステージで思いっきり突き放された。私はこの突き放しがとても好きだ。好きすぎるあまり私が詰めすぎた距離を、ちゃんと突き放して元の距離に戻してくれる。でも、だから余計に、また追いかけたくなるんだけど。アイドルには、SEVENTEENには、ミンギュには、定期的に会わないと、私はダメだった。
彼らは【普通】があまりにも上手すぎる。プライドはしっかり持ちながらも、変なプライドがなく、内輪ノリに世界中を巻き込む。さっきまで、どこまでも飢えて渇望して乾いた眼差しだったのに、会場のライトが緩むと、うるんだきゅるきゅるの瞳で、満ち足りた表情でワイワイ話し始める。いつも見ている”セブチくん”だ。またまんまと騙されて、突き放されたはずの距離をついついつめてしまう。わちゃわちゃはしゃいで天の川の光を目にいっぱいに映しながら、SEVENTEEN!チャ♩チャ♩FOLLOW♩FOLLOW♩って楽しそうに教えてくれるお兄さんたちは、数秒の夜のあと、舞台の人となる。

少年のころの彼らを見ながら掛け声練習をしたからか、2023年の彼らの力強い群舞に涙が出た。泣きたくないと叫びながら、泣いていた。脆くて儚くて、力強かった。

大きな会場なのに、遠いのに、内緒話をしてくれた。私の이런 빌어먹을 세상に、SEVENTEENは確かに存在していた。明るく引っ張ってくれるだけじゃなくて、こんな風に暗くてどうしようもない部分も見捨てないでくれる。そういう文脈で、SEVENTEENはちゃんとアニメの主人公の実写版だ。だけど与えてばかりいないで、鈍くなることなんかに慣れずに、あなたたちが探している自分といつか出会えますように。

고맙다 고맙다 沢山言わせてくれて嬉しかった。未熟な私には表現出来なかった気持ちを表す言葉をくれた。ありきたりな言葉に特別な意味をくれた。こんな言葉で伝わるんだろうか、でもこれしか言えないんだ、と歌う彼らに、伝わってるよ、届いてるよ、と祈りを込めて、何度も고맙다と叫んだ。

黄金の13人は、それぞれに武器を持っている。できないことが、ない。それぞれの得意分野は、水を得た魚ではなくて、鬼に金棒。どうして?すごすぎると思う。できないことを補い合ってプラスマイナスゼロにするんじゃなくて、SEVENTEENには足し算しかないみたいだ。至高だった。それに感動して、全部のチームステージでうるうるした。これでもかと言うほど強みを見せつけてくれて、清々しい気持ちになった。これぞプロフェッショナルだ。

ミンギュが大谷翔平顔負け(オタクの依怙贔屓)のホームランを打って、SEVENTEEN Festivalが開幕した。脳が”楽しい”で破裂したのは初めてだった。重い気持ちであの曲を聴いていた冬の私に、あのステージを見せてあげたい。SEVENTEEN Festivalとはよく言ったもので、今年夏祭りに行きそびれた私にとって、最初で最後の夏祭りだった。本当に花火がよく似合う曲。私もナチャババラ〜♩精神で、遊ぶように生きてみようかな。人生はホームランですし。

本当に”아무도 못 말려 (誰にも止められない)We party today”だった。音源を聴いた今でもライブバージョンのあのアレンジが脳内再生されるくらい。右を見ても左を見ても、隅から隅まで楽しかった。曲終わりで毎回愛されるミンギュ…🤦‍♀️たくさん、こねました。(多義語)

夜なのに、朝陽が昇った。白っぽくて眩しい光。サビでSEVENTEENがはしゃぎながら走った道に、お花が咲いた。私のお花畑フィルターじゃなくて、ちゃんと咲いていた。SEVENTEENが花道を歩いたんじゃなくて、SEVENTEENが歩いた道が花道になった。SEVENTEENがこれから進んでいく道は、どんな道も花道なんだと安心した。やっぱりSEVENTEENと行けば、wherever paradiseだ。My life is so beautifulなのはいつもSEVENTEENがそばにいてくれるから。掛け声はないのに、SEVENTEENを想うことでとっても忙しかった。

季節外れの雨が降った。4月の雨は、9月の東京に花を咲かせた。13枚の花びらが、シャボン玉とじゃれ合って回りながら1つの花を咲かせていた。ちゃんと、確かに、13枚だった。

大人と子どもの狭間で生きる今の私には、苦しくてありがたい曲だ。無理に大人にならなくても、無理に子どもをやめなくても、そのままの世界を守ってくれるお守りみたいな曲。大人になったSEVENTEENは変わることなく、いまでも子どもの世界を大事にしてくれていて、嬉しかった。

하늘 위에서 떨어진 작은 꽃
空から落ちた小さな花

사막 한가운데서 (그대 나를 위한 선물)
砂漠の真ん中で (君は僕へのプレゼント)

네 목소리에 심장이 계속해서 뛰고 있어
君の声に心臓がずっとときめいてる

내 사랑에 이유는 없어
僕の愛に理由なんてない

勝手に私の好きなお話と重ねてみたりしている箇所。聞けて良かった。この曲はSEVENTEENの曲の中で1番痛烈に"君"を求めているように感じる。Someoneではなく、Anyone。だれか、ではなく、だれも。排他的で閉鎖的で。私は君の"君"になりたいと思った。

お似合いさー!そうだよねー!家で1人唱えていた自己完結が、自己完結じゃなくなって、嬉しかった。君は僕の全てだからと言ってくれた。隙間ないくらい君だけでいっぱいになって、君じゃないとダメだった。私にとっては君じゃないとダメだけど、私も君に対して、私じゃないといけない私にならなきゃ。願いはないよdarling、君がいればもう十分だった。

BE THE SUNを痛烈に思い出した。何度も焦がれた曲。最後の最後に、彼らは太陽よりも熱く燃えていた。SEVENTEENにすごく似合う曲だと思う。ラスサビのコールを2回やらせてくれて嬉しかった。一生懸命13人の名前を呼んだ。

ミンギュはトロッコから天の川を愛でていた。トロッコが好きだと嬉しそうに言ってくれて、私はすごく嬉しかった。見たいものだけ見てね、の見たいものの中に、カラットの笑顔を入れてくれているんだろう。トロッコタイムで”君の時間”と”僕の時間”が交わった。私は確かに、歓声が飛び交って渦巻く風の中に、永遠の愛を見たのだと思う。
3曲かけてトロッコでゆっくり回ってくれた最後に、ミンギュが近くに来てくれた。近くに、と言っても私は3塁側というにはあまりにもファールな、4階席のウェーブ先頭集団。前も後ろもいない1列のみの席があることを初めて知った。危ないので立たないで下さいの言い付けを忠実に守り、無限アジュナでさえもしっかり座っていた私たちは、この時だけこの言い付けを少し破った。後ろに立ってる係のお兄さんは、見て見ぬふりをしてくれた。みんなで必死に手すりにしがみつきながら、手を伸ばして恐る恐る下をのぞきこんだ。太陽の方に向かって伸びる植物の気持ちがちょっとわかった気がした。祈るように見ていた頭頂部がふいに傾いて、ミンギュは顔を真上に向けて、こちらに手を振ってくれた。あの時だけ、いつも見ている「こっちを見ているミンギュ」が見れた。双眼鏡越しに見たミンギュの笑顔が忘れられない。大好きな笑顔だった。また、生き延びる理由ができた。
お前のことなんて絶対見えてもねーよって?
やだなあ、そういうことじゃなくってさ。
普段の私の捻くれた愛は、流れるなんてもっての外で、余計なものがたくさん混ざって濁りきって、知らず知らずのうちに堆積して、私の生活を滞らせる。でも、白馬じゃなくてトロッコに乗ってきた私の王子は、私の愛をSara Saraにしてくれた。”これから共に歩んで欲しい”引用だとしても隠喩だとしても、私はミンギュの口から聞いたんだ、確かに。遠くにいるミンギュを見て幸せだった。不純物のない、純度100%の透き通った好きだった。ミンギュは星の隅っこまで照らしてくれる、あったかい太陽だった。嬉しくて、大泣きした。

少し前と比べてちょっぴり短くなった気がする自己紹介やメントは、タイムキーパーさんだからなのかもしれない。でもすぐに深読みしてしまう私にはすごくいい。明快で流暢で、たくさんの気持ちがぎゅっと込もっていた。

私は人とバイバイするのが下手くそだ。どうにか時間を引き延ばそうとどうでもいい話を必死に続けたり、泣きそうになると逆に軽すぎるテンションで手を振ったりしてしまう。私だけ振り返るなんてザラだったし、寂しさが倍増するから、人と別れたあとに振り返る癖は早く治したい。
でも、セブチくんとバイバイするのは全然寂しくない。
あの人たちは、すごい。やっぱりもう1回!とあんなに戻ってきてくれる人たちは他にいない。バイバイのハードルを下げてくれる。チンチャマジマク!いつも下手くそな嘘をついてくれる、優しいオオカミ少年たち。誰がなんと言おうと、すぐ来てくれる。本当に帰ってしまったあとでも、全然平気。だっていつも次の約束をしてくれるから。
ミンギュはまったね〜♩って軽やかに去っていった。優しい独特のイントネーションが好き。これを言われると降参なんだよな。ウィラを急に切られても、ライブが終わっちゃっても、多幸感だけが残る。悔しいね。なんでよ行かないでよ!って怒りたいのに。まんまと幸せになってしまう。

ここまでざっと全曲を振り返ってみたけど、色んな形の愛を見せてくれた。雲を吹き飛ばしてくれる曲、一緒に逃げてくれる曲、引き止めてくれる曲、先陣を切ってくれる曲、照らしてくれる曲、包み込んでくれる曲、時代を切り開く曲、応援してくれる曲、引っ張り上げてくれる曲、そのままで肯定してくれる曲。色んな愛で、全部の私に寄り添ってくれた。

 9/8、太陽が去った東京は、笑っちゃうほどわかりやすい天気だった。空は重さに耐えきれず低く下がって、雨が降った。私の代わりに泣いてくれてると思ったら、なんだか憎めなかった。気温が寂しくて、私は長袖を着た。私の夏が終わってしまった。私の太陽は夏を連れて、ローマへと旅立って行った。途中でパスポートをなくしてましたけど。ミンギュ、花より青春の前に、花よりパスポートだよ。
夏が終わっちゃったんだって、あんなにむさ苦しくてダルかった夏も、こんなにあっけなく終わっちゃうんだって、焦った。まだちゃんとありがとうも言えてなかったのに。
9/9、次の日もメソメソしながらまた長袖を着た。寒いって思うともっと寂しくなりそうだったから。でも昼になると、後悔した。メッチャ晴れた。なんやねん。滝汗かきながら爆笑した。悲劇のヒロイン面してた私を、太陽がめちゃくちゃ笑ってた。そうだよな。"今"はこれからまだまだ続いていく。終わらない今を見続けさせてくれる人たちへ。世界最後の夜も、今も、ずっと一緒にいたいよ。
世界最後の夜が来たら。私は何を大事にしたいか、あの曲がリリースされてからすごく考えた。結局、私は答えが出なかった。びっくりした。私には大事にしたいものが、絞りきれなかった。悩むほど、どれか1つに絞れないほど、たくさんの大事なものに囲まれて生きていた。知らなかった。予想外だった。選びきれないほどの大事なものすべてが揃っているのが、今。だから今を大事にするのか。
でも、大事にするってなんだろう。今を大事にすることは、言葉以上に難しい。人間は失ってから気づく生き物だから。今にすぐ慢心する。明日は当然来るもんだと思って、今日を浪費する。終わりを知って初めてその美しさを惜しむ。
そんなものに負けたくない。終わりなんかなくっても、美しさに気づいていたい。目に見えるものに囚われずに大切なものを抱きしめ続けたい。当たり前だなんて思うもんか。過ぎた後に、大事にしてるつもりだったと後悔するなんてごめんだ。私はこのツアーを通して、今の愛し方を知ることになるんだろう。



涙でぼやけたはずの双眼鏡越しの景色に、一つだけくっきり映るものがあった。ミンギュの背中の文字、Follow The Light。ミンギュは私の光、My Light。
Follow My Light。
FML。

アルファベット3文字で表せるはずの内容を、またダラダラと書いてしまった。
ミンギュ、読んでくれてありがとう!(急にカラフルきのこを食べたご様子)
ということで。以上、冗長FMLでした。
ミンギュ、まったね〜♩

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