ヨノセコ

ゲーム会社で働く蠍座のデータアナリスト時々ケーナ奏者。スパイスカレーと岡本太郎を愛して…

ヨノセコ

ゲーム会社で働く蠍座のデータアナリスト時々ケーナ奏者。スパイスカレーと岡本太郎を愛しており、たまにレイオフされる。将来の夢は座敷わらし。

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  • 群像

    これまで出会った誰かにまつわるお話。

  • 普通学の研究ノート

    「普通」とは何なのか。「普通」と上手に付き合うにはどうしたら良いのか。「普通」についてひたすら語ります。

最近の記事

カフェラテ【My favorite things: 1】

わたしがとても好きで、自分に欠かせなくなったモノがいくつかあります。そんなモノ達は時にわたしの生活の仕方を変え、時にわたしが使い方を変え、お互いに関わり合いながら生活の中に、そして生き方の中に融けていきます。 そんな「わたしのお気に入り」を紹介する「My favorite things」、第1段はカフェラテです。 カフェ・ラッテ(Caffè Latte)は、エスプレッソと牛乳を混ぜたイタリア発祥の飲み物である。(Wikipediaより) 日本ではエスプレッソにスチームミ

    • SNSにシェアされない「思い」は大切なガラス細工だ。

      カフェモカをテイクアウトして、マスクをしない言い訳にした。カフェモカの柔らかい泡を感じながら歩き続け、商店街を通り抜けて、人通りの少ない高架下へと向かった。一つ深呼吸をする。冷たい冬の空気が喉を通り抜け、しかし腹に着く前に消えるのを感じる。 わたしは今、ひとり贅沢なことをしている、と感じる。その贅沢は、誰にも知られなくて良い……いや、誰かが聞いてくれたら少しだけ、嬉しい。もちろん、聞いた誰かは「そんなこと」と言うかもしれない。でもそれでいい。少なくとも、わたしはそれが幸せで

      • 夢見るあなたに捧げる「イート・ユア・シュークリーム」

        あるシュークリームのイデア大学生の頃から、某通販サイトで長い間眺めていたシュークリームがあった。 そのシュークリームを見つけた当時は学生で実家暮らしだった。Amazonも今ほど馴染みのあるサービスでもない頃で、自分で通販をするというのは何となく敷居が高かった。そのシュークリームを見つけた詳しい経緯は忘れてしまった。しかし、派手なバナーとくどい程繰り返される太字で謳われるシュークリームへの賛辞はわたしを強烈に魅了し、ほぼ毎日サイトに通うようになった。特別なミルクを使っている、

        • ヨノセコは32歳度を迎えました。

          ハロウィンが終わり、街が早々にクリスマスの支度を始めてもわたしは浮かれない。 11月22日はあのダルシムの誕生日。 来るべきダルシムの誕生日に備え、3週連続週5でホットヨガチャレンジを実施したわたしは、屈伸の精度の向上に確かな手応えを感じながら過ごしている。これなら、いつか腕も伸びるかもしれない。いや、それは無理だ。 そんなことを考える本日11月21日、わたしは無事に32歳になりました。noteは随分とご無沙汰しておりましたが、例によって振り返りなどをしたためておこうと

        カフェラテ【My favorite things: 1】

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        • 群像
          3本
        • 普通学の研究ノート
          2本

        記事

          【群像】Mr. Heyとわたし

          明日、Mr. Heyが会社を辞めてしまう。 寂しすぎる。 Mr. Heyはわたしの上司だ。 彼はオーストラリアのメルボルンにいて、Slackで話しかけてくる時にいつも「Hey」って飛ばしてくるので、わたしの中でMr. Heyと呼ばれている。 Mr. Heyの声を初めて聞いたのは、2017年が始まったばかりのことだった。 わたしの2番目の上司が、意味深に「オーストラリアの人が何か話しかけてくるかもしれないから」とわたしに告げた。何のことだかさっぱりわからなかった。 その頃

          【群像】Mr. Heyとわたし

          ヨノセコは31歳度を迎えました。

          街はハロウィンが終わった瞬間にクリスマスソングを流し始める。 きみたち、何か忘れていないか。 11月21日はわたしの誕生日なんだよッ! それを差し置いてクリスマスソングとは何事だ! かつて若かりし頃のヨノセコはそう思いました。 そして考えました。 聖人になったら自分の誕生日を祝日にできるんじゃないか。 そのことを会社の隣の席の若者に打ち明けたら、彼は言いました。 「政治家になったほうが早くないですか」 ということで、31歳になりました。 2008年度など、仕事

          ヨノセコは31歳度を迎えました。

          プラトンとリンゴのハイチュウ。そして、リップをなくして少し不機嫌な女が「言葉」に宛てて書いたヘヴィなラブレター。

          にきびができればテンションが下がる。 そして大人になると、ニキビと言わずに吹き出物と言うようになる。らしい。 久しぶりの吹き出物、しかも頰に大きなものができたとなれば、テンションは当社比で40%程落ちる。 それだけじゃない。 頬の毛穴が目立ってるとそれだけで引け目を感じる。 ファンデーションのノリがやや良くない。 アイラインが曲がった。 唇がいつもより、ややカサカサ。 つけようと思っていたお気に入りの香水が今日に限って何故か行方不明。 かばんの中でリップの消息が途絶えた。

          プラトンとリンゴのハイチュウ。そして、リップをなくして少し不機嫌な女が「言葉」に宛てて書いたヘヴィなラブレター。

          自分に素直でない自分など自分でないから(30歳、初めてライブハウスで飛び跳ねながらバンドを聴く)

          30歳にして初めてライブハウスで(民族楽器ではない)がっつり照明付きでいかにも!って感じのバンドのライブを聴き、隣にいた超かわいい女の子(元バンギャ)と仲良くなって一緒に飛び跳ねました。 さらっと書いてますけど、中高時代はスカートの丈が学年で一番長かったことで有名でしたから、それぐらいの時期にわたしを知った人だと、びっくりされるかもしれない結構な事件です。(あ、スケバンを想像した方、わたしはもう少しだけ後の世代なんです。すみません。) そう、個人的にも、ヨノセコがライブハ

          自分に素直でない自分など自分でないから(30歳、初めてライブハウスで飛び跳ねながらバンドを聴く)

          わたしたちは未来に恋をして、実績を愛する

          今日は女子っぽく恋バナしまーす☆ 「好きじゃないけど結婚してくれ。」 …あ、わたしが言われたんじゃなくてですね。え、いや、わたしが言ったのでもないんですよ。 先日知り合った年上の紳士が、大変奥様のことを愛していらっしゃっているご様子だったのですけれど、その馴れ初めについて聞いた時に出てきたプロポーズの言葉なんです。 なんだそれはと思ってよくよくお話の続きを聞いていると、これが面白くて。 初めはそんなことを言って結婚をした。 今ではずいぶん傲慢だったと

          わたしたちは未来に恋をして、実績を愛する

          めんどくさがり賛歌

          できれば髪は2秒で乾いて欲しい。 できれば毎日充電するのは面倒だから、充電が必要な機器は増やしたくない。 (“部屋に入った瞬間にBluetooth対応機器がすべて充電される壁紙”などは一刻も早く発明されて欲しい。) できれば洗濯機に入れた衣類は乾いた後には自ら身を畳みタンスの中に整然と並ぶだけの自主性を持って欲しい。 そう、わたしは「めんどくさがり」です。 一応言い訳をすると、面倒だからと言ってやらない訳じゃない。 やらなければ仕方のないことならば、やるしかないという覚

          めんどくさがり賛歌

          少女ヨノセコが初めて生老病死に気づいたあの日のこと

          注) この記事は「死」について書いてますが、筆者本人は落ち込んでおらず、健全な精神の元でピンピンして書いており、あまりネガティヴな意味合いを込めていません。安心してお読みください。 先日友人が「わたし、長生きしたくないんだよね」と言い出したので、なんで?と聞いてみたところ、「根がめちゃくちゃネガティブだから、長生きするとか、先のことを考えると暗いことばかり考えてしまうから」と返ってきました(補足をすると、これは字面ほど深刻な文脈ではなく、彼女は普段から飄々として人生を楽

          少女ヨノセコが初めて生老病死に気づいたあの日のこと

          「カレーの車」に行ったら、美味しすぎてうっかり悟りを開きそうになった。

          ほぼ日と水野仁輔さんがコラボしている「カレーの車」に行ってきました。水野さんと言えばスパイスの魔術師でございまして、彼のスパイス本は非常に理屈に成り立った解説があって美味しいレシピでいっぱいなんです。スパイスカレー初級のヨノセコは、実は水野さんの大ファンなんです。 そういうわけで、この企画を見つけてから絶対に行かねばと思い続けながら3週間、ようやくそのチャンスを掴みました。 今日はハッキリ言って、朝から気がそぞろでした。はやる気持ちがわたしの背中を強烈に後押し、会

          「カレーの車」に行ったら、美味しすぎてうっかり悟りを開きそうになった。

          明日、突然この街に隕石が降ってきても後悔しないように。

          わたしのスマホには「たからもの」というメモファイルがあります。かけられて嬉しかった言葉を書き残したテキストファイルです。その言葉がどれだけ嬉しくて、力になっても、何かに追われたり時が経つと、その言葉を忘れてしまう。あんなに嬉しくて、勇気付けられた言葉なのに忘れてしまうのは嫌だなと思って、密やかに書き貯められた、「言葉の宝箱」です。 何かの折にもらった言葉が、驚くほど自分に力を与えてくれたりする。本人がどのぐらいの思いをかけてそれを発言したかはその時々で、発言した当人としては

          明日、突然この街に隕石が降ってきても後悔しないように。

          【群像】Jさんは夏が好きだと言った。

          しばらく気分の浮かない日が続いていました。 心の気まぐれ。または、体の調子だったのかもしれない。 それは夏の暑い日でもありました。 わたしは元々、夏が苦手です。湿度が高くて、暑くて。毎日「夏の終わり」を心の中で口ずさみながら過ごしているぐらいに。夏は既に終わったことにしたい。レクイエムを歌えば死んだことにならないだろうかと。夏はまだ始まったばかりだと言うのに。 その上で、今日はどうしてもJさんの話をしたい。 会社の休憩室のソファに座り、ぼんやりと外の公園を眺めていた

          【群像】Jさんは夏が好きだと言った。

          シュビドゥバとは何だったのか。

          海鮮系の居酒屋の前を通り過ぎた時、80年台頃のアイドルソングが流れていた。わたしの耳に流れ込む軽快なアイドルソングの中に”それ”は聞こえた。 華やかなバックバンド。 可愛らしいアイドルの歌。 その後ろに悠然とたゆたう シュビドゥバ。 人間は意味を求めてしまう生き物だと思う。 赤と白とを区別することによって、人間は「色」という概念は生まれ、タンポポとライオンを区別することに寄って「動物」と「植物」という概念は生まれました。「意味」も、意味のあるなしを判別する必要が出てき

          シュビドゥバとは何だったのか。

          イギリスの湖水地方っていう所が世界遺産に登録されたのだけど此処はわたしの人生を変えた場所だって話

          そこで過ごした時間の長さとは限らない。 どんな思いをそこに持ち続け、どんな時間をそこで過ごし、そしてその先にどれだけ心に残っているか。 言い換えると、心の中で過ごす時間が、それを決める。 心の故郷。 沖ノ島が世界遺産登録されている横で、わたしはイギリスの湖水地方がユネスコ世界遺産に登録されたことに感動し、一人ふるふると震えていました。 湖水地方はまさにわたしの心の故郷なんです。 湖水地方はイギリスのイングランドの北西部、マンチェスターから電車で2時間半ぐらい北に行

          イギリスの湖水地方っていう所が世界遺産に登録されたのだけど此処はわたしの人生を変えた場所だって話