沖縄に来た本当の理由②

そのユタと会ったその夜、ロベルトとすったもんだあって、私はボラーチョスと出会う。うちなんちゅのめちゃくちゃイケてるスタッフの面々。私はすっかり楽しく飲んで、何もかも忘れていた。(ロベルトの事もである。)
そんなこんなで私は地元、岡山に戻った。いつもの景色と四歳の真音が待っていた。そしてまた戻る日常。その頃は昼はデザインの仕事、夜はラウンジに勤めていて、10時頃眠気にやられる事が多かった。その日、私はまたリゾートをテーマにしたBARのHPのデザインを再開していた。でも沖縄ではリゾートに行ってない。思い出そうとしてもあのなかなかCRAZYで強烈な思い出たちが邪魔をして、全然集中出来ない。
あぁ、いやだ、
私はいつもの昼寝ソファに身を任せた。
こうなるとおわかりだろう、爆睡である。

・・・

「まただー!次こそおしまいだーーー!」

私は下を向いていて、周りに「よく知ってる」小さなこどもがたくさんいる。守りたい、守らなきゃ。でもどうせ、守れない。

左に大きな岩があって、私の足元にいる子たちをどうにか守ろうと考えるけど、もうなす術も既になく、怒号のような真っ赤な感情、冷たく重たい空気がのしかかる。
この空間の中には川が流れていて、河原を重たいものが包み込んだような場所だ。けど消して涼し気なものではない。蒸し暑い空間は真っ暗で気持ちが悪く、空気も薄い。身動きも取れない。不快指数半端じゃない。長い、いつまで続くのか、恐ろしいほど不快で不安で押しつぶされそうなこの意識は。
息することすら許されてないような身体中がピリピリする緊張感。
水の音は至る所から不快に聞こえる。
流れる音、上から落ちる音。そして、目がおかしくなるほど真っ暗。
その次の展開を待つこと、
体感5時間ほどだろうか。
ずっと、ずっと、守りたい、死にたくない、生きたい、守りたい。を繰り返した。
すると、ゴォーっという音と共に右奥の方が一気に明るくなる。それは見たこともない火柱で、恐ろしいほど大きいもの。
火の龍みたいに奥の方から螺旋を描いてこちらに入ってくる。
龍の口が開いたかのように火に包まれ、怖くて顔を埋めた三角座りしていた私を背中から火が包む。「ほら、やっぱり。無理だった。こんなに助けたかったのに、無理だった。助けたかった。どうしても助けたかった。」そう思ったと同時に意識が今までなった事ないような戻り方で現実戻り、同時に目が覚めた。


外は嘘みたいに白く晴れて、すずめがチュンチュン、と鳴いていた。原付が通る音。人の話し声。

「夢だった!!!夢だった?!!夢だった!!!」
その瞬間にも足元にまだこどもたちがいるような気がして、混乱して何かしたのを覚えてる。手で足元触るとか、そんなこと。
夢だったと気づくまでに時間がかかった。いや、夢じゃない、本当だった。でも、とリビング辺りを見回す。とにかく涙が湧き出て来て、千尋の大泣き状態みたいに泣いた。あんなデカい涙が沢山出た、そんな泣き方。もう、苦しくて、切なくて、どうしようもなくて、掴みたくて、抱きしめたくて、どうしようもない、あの気持ち、こどもたち。
わぁ、怖い。急に恐怖が押し寄せて来て、過呼吸になりかけた。開いていた窓に飛びついて空を見上げて、深呼吸。このテクニックはかなり効く。
ラオスのヴィエンチャンで副流煙でバッドトリップした時にヒッピーに教わったテクニックなので、間違いなく効くことを私は知っていた。
目を閉じて深呼吸。目を閉じて深呼吸。
すると脳に直接誰かが何かを伝えてきた。
「ほら、さっきの、あなたの前の人生だよ。思い出してよ。」そんなメッセージ。言語とかない。だから、今はそれを日本語にして訳して文章にしてるだけで、聞いた時は直接脳にこの意思が来た。「ぁ…あぁ…」やっと気づいた私、映画のワンシーンみたいにぶっちぎりの勢いでPCデスクのイスにおしりから突っ込んでキーボードに打ち込んだ。

「   1945年   沖縄    」

③へ続きます!
見た方はなんか合図してね!
イイネとかグッドボタンあるんならよろしく😘
(noteのやり方まだあんまりわかってない)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?