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Open ERP Odoo, 創業ストーリー

オープンソースでERP市場をリードするのが夢であり、目標だったFabien(Odoo創業者)はまず、戦う相手を選べる必要があると感じてEPR市場の巨人、皆さんのご存知のSAPを相手として選んで事業に着手します。
ここで少し面白いのが、

新しい学校に転校して早くトップになれるためにはクラスのいじめっ子(Class Bully)や、少年を怖がらせる大人(The older guy who terrorizes small boys)のお尻をみんなの前で蹴飛ばすことだ。

というFabienの比喩です。おそらく、Fabienの中ではSAPがClass Bully見たいな存在だったかもしれません。

そして、2005年、Fabienは「Tiny ERP」というプロダクトを開発し始めます。2006年をリリースを目指したFabienは「SorrySAP.com」というドメインを購入します。ドメインだけでもFabienがどれだけSAPを意識したのかすぐ分かります。

FabienはSAPに勝つためになんと7年間休みなしで、1日13時間ずっと働きます。そのうち、彼女と別れ、友達まで失われたようです。(それはそうなりますね)

とにかく!その過程でFabienは「あ、やはり小さな(Tiny)人だと世の中変えられないんだ」と思い、小さなS/Wのために誰が数百万ドルを払ってくれるのかを痛感します。それで、TinyERPからOpenERPへ改名することになります。この時までもまだOdooではありません。

Open ERPのロゴ

OpenERPに改名した後、一所懸命向き合い、状況は益々よくなります。2010年には従業員が100人を超えて、プロダクトも販売することになりました。しかし、このままだと成長するには限界があると判断し、ビジネスモデルを変更します。元々サービスモデルだったのをソフトウェア提供モデルに変えたのです。それでパートナーネットワーク構築とメンテナンス提供に主力します。いろんな投資者からもらったお金でR&Dとセールスに力を入れ、やっと100か国・500パートナーとのネットワークを構築することができました。

Odooの成功結果をFabienは以下ポイントでまとめています。

  • 1日、1000回インストールされる

  • Big4のアナリストたちはSAPよりOpenERPに選好する

  • OpenERPはフランスの大学入試に必須科目になっている(一部の大学)

  • 毎月60個の新しいモジュールがリリースされる(OpenSourceコミュニティの活用)

  • 2013年、全世界ユーザー数200万人の到達

2014年、OpenERPは約1000万ドルの新規資本金を確保し、同じ年の6月OpenERP Version 8をリリースします。OpenERP 8からCMS、e-Commerce, POS機能が追加されたのです。ERPsに限られず、CMS、Business intelligenceなどのビジネスソリューション構築も考慮してもう一度、社名とプロダクト名を変えます。

それが現状の名称である「Odoo」です。
OpenERP Version 8から改名されたため、OdooはVersion 8からスタートし、毎年新しいバージョンをリリースしています。今年はVersion16のリリースされますね!

最後に、「Odooは何の略称なの?」と、気になっている方もいらっしゃると思います。Odooのフルネームは「On Demand Open Object」だという人もいますが、実際Odoo社はフルネームをわざと記載したり、広告・知らせたりする意思はないようです。ただの固有名詞みたいにOdooを覚えて欲しいかもしれませんね。

Odoo公式Blog:
https://www.odoo.com/ja_JP/blog/burogu-5/post/the-odoo-story-56

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