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猫バンバンをあてにしてはいけない

4年ほど前のことになる。
名城公園北側のtonarinoに
ガーブカステッロというレストランが
あるんだけど。
10月にそこでパーティをしたんだよね。
12時スタートということで、
朝からのリハーサルに車で到着。
当日の天気予報では
台風が近づくことになっていて、
パーティの開始ころまでは晴れてたけど、
途中から外はやっぱり大雨。
パーティそのものはとても楽しく終了。
さて、本題はここから。

片付けも終わり17時ころかな。
雨の中荷物を車に積み込んで。 
食事にこだわったパーティだったから
おそらくみんなは満足してくれたと
信じてるんだけど、
実は主催の僕たちは
ほとんど食べてなくてお腹がペコペコ。
ここはうなぎだ!と、浄心の「しら河」に車移動。
美味しく ひつまぶしをいただいて大満足!
会計を済ませ、さて雨の中駐車場にもどると、
子猫の鳴き声が聴こえる気がする。
近くの茂みとか、溝とかを見てみるけど
そこには居ない。
耳を澄ますと自分たちの車のあたり。

あれ?ボンネットの中じゃない?

耳を澄ます。
間違いない!
ここで猫バンバンをやってみる。

〈猫バンバン〉
寒くなると街の猫たちがエンジンルームや
タイヤの間に入ってしまうことがあります。
気づかずにエンジンをかけてしまった…
そんな悲しい事故を防ぐのが、猫バンバン。
〜  日産自動車 猫バンバンプロジェクトより

しかし、
一向に車から飛び出す気配がない。
ボンネットを叩くと鳴き止むんだけど、
しばらくするとまた声が聴こえて。
何度も繰り返すけど
やっぱり出てこない。

明らかに猫バンバンを怖がっちゃってる。


いよいよボンネットを開けて
携帯で照らしてみると、キラリンと光る目が。
おー、いるじゃん!
エンジンルームに手を伸ばすと
フワフワの子猫の身体にあたる。
狭いのでね、 
なんとか片手で掴んで取り上げた。
怖かったのか、
ちょっと丸くなろうとはするんだけど
意外とおとなしくてさ。
まったく抵抗することもない。
それにしてもかわいい。
幸い、身体は濡れてなくて
エンジンルームの油が少し付いてる程度。
救出できたので
あとはそこで放ってあげれば済むんだけど
なにせすごい雨。
このまま逃してあげると
すぐビショビショになっちゃう。
雨がしのげる公園とかを探してみるも
周りにそんなところが全然ない。
ふと思い立ったのが、
当時住んでたアパートの近く。
近隣の人たちがなんとなく
野良猫を世話してるスペースがある。
別に約束事があるわけでもないんだけど
誰かが水を用意してたり
餌を容器に入れてたりと
ふわっと公認の場所。
(野良猫に対する行為として、
 それが正しいかどうかは
 難しいことなんだけどね)
で、連れて帰ってそこに逃すことにした。
車の中でもかわいく鳴きながらも
おとなしくしててそれはかわいいんだよね。
結構懐っこい。

家に着いてその場所に置いてみた。
先輩猫たちは珍しそうに見る中、
子猫はその後ろについていったりと
全く怖がる様子もない。
置いてあった水や餌も多少食べたから
母猫が居なくても生きてはいけそう。
あとは周りとうまくやって
カラスなんかに狙われなければいいけど。
さあ部屋に戻ろうとするとさ、
ついてくるわけよ。
やばい、かわいい。
足に纏わりついて来た様子が
この記事のトップの写真です。

迷いましたよ。
飼いたいな、とか。
しかしながら、うちはペット不可。
保護猫として飼い主を探すにも、
実はこの日の2日後には
海外に行く予定があるし、
引き取り先を探す余裕もない。
そんな言い訳をしてそこに置いて来た。
アパートのすぐ前からだから、
様子を見ることは出来るかな、って。

でもさ、、
帰国してから
まったく見かけなくなったんだよね。
先輩猫とうまく行かなかったかな。
どこか違うところに行ったかな。
それとも傷つけられたりしたか?
カラスにやられた?
見つけたところと違う場所に逃すのは
いけないことだったよな?


あとで考えると、
あんな雨の中、あのコは全く濡れてなかった。
ってことは、
夕方のうなぎ屋さんの近くに居たコじゃなくて、
朝まだ雨が降ってないパーティの前に
名城公園の駐車場に停めてたときに
すでにボンネットに入りこんでたのかも。
僕がそれに気づかず、
うなぎ屋さんまで運んだのかも。
名城公園の野良猫さんだったのかも。


それからもずっとね、
野良猫に対する、
そして特に子猫に対する行動として
何が正しいのかわからずに居るんだよね。

そして、猫バンバンをあてにしてはいけない。

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