月曜日の午前中から、せっせと台所へ立っている。

ただいま午前11時半。私は、キュウリを5ミリ角に細かくみじん切り。2本切ったところで手を止めて、子どもの様子をみる。4ヶ月になる息子は寝返りの練習中で、ひとり、背中を反らせることにただただ夢中なようだ。

赤ちゃんがご機嫌なことを確認して、ふたたび台所に戻る。次々と野菜を取り出しては、まな板の上で切り刻む。

ミョウガ、大葉、茹でたオクラ。

とんとんとん、とテンポよく刻んでいると、あっという間にボウルいっぱいの夏野菜みじん切りができた。そこに、塩昆布と麺つゆをくわえてザクザクと混ぜ合わせると、本日の常備菜。

（夏の万能常備菜「山形のだし」）

* * *

実をいうと、私が午前中から台所にたつことは、かなり珍しい。

というのも、育休中のいま、平日の午前中は「ゴールデンタイム」だから。

上の子を保育園へ送りとどけ、自宅に戻ってから2時間ちょっとのこの時間。比較的、赤ちゃんの機嫌はよく。だいたい、喃語で「はんぎゃ」とか「ふんごっ」とお話しているか、朝寝をしているかのどちらか。

そんな午前中を、家事で費やしてしまうのは、なんだかもったいない。

絶賛「自分の時間ほしい症候群」の私。平日の午前中は、自分自身のためにつかおうと決めてから早2ヶ月がたった。というわけで、この時間は、先月、先々月は集中的にnoteを書いていたし、今月からは「英語学習」を再開して、まぁ、それなりに楽しく過ごしている。

けれども。

週明け月曜日の本日。さて、赤ちゃんのお世話も一段落したことだし、英語でもやろうかなぁ、とゆるゆると参考書を読みはじめたところ。

猛烈な睡魔がおそってきた。

ま、まずい。まったく集中できずに、英文がただただ頭のなかを滑っていく。

えい！と、まったり宙をながめる息子のとなりにごろんと寝ると、「おご、おご、」と手足をばたつかせながら赤ちゃんが話しかけてきた。

「ごきげんだねぇ～今日はいい天気ねぇ～」

私も、息子のほわほわの髪の毛を揉みくちゃにしながら話しかける。すると、赤ちゃんがにやぁと笑みを浮かべて、そのうちにすぅっと寝てしまった。

あああ！！子どもが寝た！！ゴ、ゴ、ゴ、ゴールデンターーイムきたー！！！今しか、今しか、自分の時間はない！！

な、ないのに・・

相変わらず、瞼は重く、頭のなかはぼーっと霞がかかっている。うーん。頭のエンジンのかかりが悪い、今日の自分が恨めしい。

そこで、私は台所へとむかった。

昨日、千切りした山盛りのキャベツを冷蔵庫からだす。そのままどさっと鍋にいれ、水をくわえてくつくつと煮る。煮立ったら、これまた余っていた自家製鶏ハムを細く裂いていれる。鶏ガラスープと塩コショウで味をととのえて、最後はゴマ油をほんの少しくわえ、本日の夕飯のスープが完成だ。

（今日の夕飯① キャベツの中華スープ）

あまりにも簡単に、スープづくりが終わったことに気をよくして、さあ、テンポよく次の料理にとりかかるよ。

冷蔵庫から小ネギを一袋だす。何も考えず、ぜんぶ小口切りにしてしまう。とんとんとんとん、と包丁のリズムが心地よい。徐々に、集中しはじめている自分に気がつく。どうやら、だんだんと目が覚めてきたよう。よぉし、この大量の刻みネギはどうしようか。

またまた冷蔵庫をのぞくと、昨日の冷ごはんと卵がひとつ。うん、今日はチャーハンの日。

（今日の夕飯②　ネギチャーハン）

赤ちゃんが目を覚ましたので、いったん料理を中断してミルクをあげる。

飲み終わった息子は、またもや手足をばたばたして遊びはじめたので、私も、もうすこしだけ野菜を切り刻むことにして、冷蔵庫からキュウリをだした。

* * *

気持ちのエンジンのかかりが悪かった、月曜日の午前中。ついさっきまでは「今日はなにをやってもダメな日！」なんて、ふて寝を決め込もうかと思っていたけれど。

そんなときは、とりあえず、すこし体を動かしてみる。

そのうちに、気力がもどってくれば上出来だし、だめだったら、いよいよ布団にもぐりこめばいい。

さて、今日はというと？

午後12時の台所には、「山形のだし」と「中華スープ」と「チャーハン」がところ狭しと並び、私の眠気も、なんだかすっかり晴れたみたい。

noteを書く程度には気力も回復したことだし、なんだ、今日は花丸な日じゃないか。

（写真は、ついに寝返りのエンジンがかかりはじめた次男）