トイレトレーニングから学んだ育児の気づき

4歳の誕生日をむかえたその日、長女のトイレトレーニングが終わった。

といっても、 ”トレーニング" とは名ばかりで、振りかえってみても、親の私がやったことなんて何もなかったんだけれど。

いや、「できるまで待つ」ということをやったのか。

いずれにせよ、長女のトイレトレがキッカケで、私の育児方針はおおきく変わったように思う。

今回は、そのことについて書いてみたい。

* * *

「明日から、園ではパンツでいきましょう」

そう、保育園の担任の先生から話があったのは、長女が3歳なりたての頃。

自宅では、数日前にはじめてオマルでおしっこが成功したばかりだった。

まだ、パンツは早いんじゃ…と、先生からの申し出に動揺したものの、「では、よろしくお願いします」と、翌日からパンツ4枚を保育園へもっていった。

実のところ、この頃の私は「トイレトレ」のことよりもずっと、長女(3歳)の心の成長に対し、頭がいっぱいだった。

以前、ブログで「三歳児検診に行かない!」怖がって行けない娘の今後  という記事をかいたが。

こちらでも要約すると、

大半の3歳児が、(大泣きしながらも)集団検診にのぞむなか、長女は頑なに受診を拒否して、最後まで検診会場にすら入れなかった。

という出来事があった。

これまでも、「長女の怖がりセンサーは、3歳児の正規分布からおおきく外れてるんじゃないか?」と思うことが多々あり、三歳児検診でそれが確信にかわった。

そのことは、私にとって想像以上にショックだった。

いや、いま思うと娘の個性を受け止めきれない自分に対して、ショックを受けたのかもしれない。

そんなわけで、娘が3歳になりたてのこの頃の私は、トイレトレは眼中になく。
娘に対して、三歳児検診の様子をYouTubeでみせ「怖くないよ~」と教えたり、「検診が終わったらオモチャ買ってあげる」とモノでつったりと、(無理やりにでも)検診に行かせようと躍起になっていた。

一方、三歳児検診とは打って変わって、娘のトイレトレ自体はすこぶる順調に進んだ。

保育園でパンツを履きはじめて1週間後。

「長女ちゃんが、お昼寝もパンツを履くと言い張るので、オムツは持ってこなくてよいです」と、連絡帳に書いてあった。

なんともあっけなく、保育園でのオムツが外れてしまったのだ。

「長女ちゃんはすごい!有言実行ですね」

と、担任の先生が娘のことを褒めてくれた。

* * *

「わたし、3歳児検診にいくよ」

検診を逃亡して3か月後、娘がそう言った。

「わたし、夜もパンツを履く」

3歳半のとき、夜のオムツもすんなり取れてしまった。

「わたし、4歳になったら、トイレでウンチをする」

いままで、ウンチだけはオムツを履きかえてしていたが、4歳の誕生日にはそれもなくなった。

そのたびに、私はあの時の先生の言葉を思い出す。

――「有限実行」ですね。

本当にそうだった。トイレトレ、そして心の成長において、私がしていたことと言えばたったひとつで。

娘の「できる」という言葉をひたすら待つことだけだった。

私はいまになり、娘のトイレトレに対して無関心だったことをとても後悔している。

「トイレでおしっこする」と言った娘の勇気に、「ちゃんとトイレできたよ!!」という娘の嬉しさに、もっと一緒になって喜んであげればよかった。

* * *

さて、そんな長女もすでに4歳半。

最近また、成長の階段をひとつのぼったように思う。

この話はまた改めて書きたいけれど。
やはりこの時も、私がやったことといえば、ただ「待つこと」。
娘が「できる/やる」といった瞬間に全力でサポートすること。
そして、娘の「できた」をとなりで喜ぶこと。

それだけだった。

子どもの成長に対して、私ができることなんてごく僅かなのだ。

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