林リウイチ

作家 ○yorokopitanシリーズ、○クレイオブジェ参戦記などなど

林リウイチ

作家 ○yorokopitanシリーズ、○クレイオブジェ参戦記などなど

マガジン

  • 日記

    アート、グルメ、趣味の記録

  • 令和零年養老小人奇譚

    Yorocopitan(養老小人 ヨロコピタン )小人とはいえ体長20センチほどあるものもいる。養老天命反転地の時空のずれから生じた生命体。大きさは養老で収穫されるひょうたんサイズに準拠。中身は空気と夢空・空想・嘘八百など。

  • リフォームは遅々として進まず

    山奥の古民家をリフォームする記録

  • 【幻想スケルトンシリーズ】

最近の記事

キュクロプスに誘われ その⑥津山ホルモンうどん

 福山のビジネスホテルは冷房が効き過ぎで、体調崩す。駅近くのパン屋が開いていたのでパンを買い、食べながら最後の目的地 津山へ。 ポート アート&デザイン津山 川埜龍三 展「モノラルユートピア」展 外はいよいよな真夏日で、アスファルトの上は熱い。元銀行だったという煉瓦造りの建物に入っていく。  とにかく圧巻だった。川埜さんは以前からのファンで、倉敷のギャラリーにも何度か寄りお話もさせていただいた。…が、今回の展示は圧巻だった。  作品を前に打ち震える経験をさせてもらった。何もか

    • キュクロプスに誘われ その5ミドリノコヤ

       因島の探索。まずは教えてもらったcafeミドリノコヤへ。それらしき建物を見つける。まさに海辺に立つ素敵なロケーション。海では子供が遊んでいる。  でもそれより、そこに停めてあるトラックに目がもってかれる。サイケデリックな極彩色に湯とある。只者ではない。  気圧されて入口が分からずウロウロしていると、外のベンチで佇むお兄さんが教えてくれる。  中庭に人が寛いでいて、店は満席。看板には作家さんの椅子展示中とあり、興味を惹かれる。この来客の多さはそのためのか?  テイクアウトを

      • キュクロプスに誘われ その4因島

        2日目朝  岡山での朝食はホテルビュッフェ。20Fから天上人の景色が、豪華にして最大のご馳走。腹を満たし田中達也のミニチュア展ではしゃいだ後、次の目的地、因島迄また西へ。  因島大橋!!しまなみ海道!!海のない県民性ゆえ、とりあえず海が見えれば歓喜!!これで何度目かの因島。  そもそもミチル氏とは、『しまなみカレールリオン』での個展を見に行った事から、縁が生まれた。そして、この夏二回目の二人展を京都で開催したばかりだったので、そのミチル氏の参加する『瀬戸内界隈展』ギャラリ

        • キュクロプスに誘われ その3お好み焼き

           予定より1時間ほど早く広島着。原爆ドーム辺りを走る。かつてガイドさんから教わった爆心地は、ドームの真上とチト違う。首を振って600m上空を見上げる。77年前のでっかい雲と目が合う。 「ギャラリーたむら」参拝。そこには神神しく佇む作品たち。完全に魂を持ってかれ、溜息と唸りしかないやん。  前川秀樹さんの作品にはここと東京でしかお目にかかれない。なので昨年も全く同じ時期にここに来た。    その時もしてやられ、駆り立てられたので、ここまで作品を作ってきた経緯。勿論、今年も魂を

        キュクロプスに誘われ その⑥津山ホルモンうどん

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        • 【幻想スケルトンシリーズ】
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        記事

          キュクロプスに誘われ その2

          旅行のメモリ…思い出して描く。  ひたすら西へ 立ち上がる雲  相変わらず暑い日が続く。車は快調に距離を稼ぎ、余裕で岡山に着くことがわかる。  このまま、調子に乗って広島まで走れそうだ。 わかってる。そういう無理をすると、必ず体にくることは。  ホテルを岡山から広島にすれば、幾分か無駄は省けるはず。でも、当日だからキャンセルはもう効かない。…コロナ禍なので車で移動した方が…ええい、行ってしまおう!広島に向かうのは、ギャラリーたむらコレクション展を見るためと、お好み村でお好み

          キュクロプスに誘われ その2

          キュクロプスに誘われ 2022夏の旅 その1

          旅行のメモリ…思い出して描く その① 出発  岐阜個展、京都二人展で出し切ったので、インプットの旅に出ることにする。ミチル氏に倣い絵日記は無理だが、メモリとして旅日記を記す。主たる目的地は、広島、因島、津山なので、自由度を重視して車で出かける。  展覧会でG-Funなるアルミフレームを扱ったら、改めて車中泊への興味が沸き、その思想で床面フラットを存り合わせの素材でDIY。  夜中に岐阜を発つ。  岡山迄車、そこから鉄道という作戦。ひたすら西へ。  妻と交代で真夜中ドライブ。

          キュクロプスに誘われ 2022夏の旅 その1

          ヨロコピタンの生態

           ヨロコピタンを目撃した方なら、彼らの多くが、頭に何かしら枯れた植物をさしているのに気がついたことでしょう。  これはヨロコピタンたちの習性とも言われ、ああ見えて、彼らはその枯れた植物を蘇生しようと一生懸命なのです。  生命の水で有名な養老の滝。かつてある若者がその水をひょうたんにくんで持ち帰り、老父に飲ませると若返ったというエピソードがあります。  そんな養老に誕生したヨロコピタン。実は彼らは、さまざまな生命をリフレッシュさせる為に生まれた精霊なのです。  だから、枯れた植

          ヨロコピタンの生態

          ヨロコピタンが消えた

           ヨロコピタンはまだまだ謎の存在であり、その生態は解明されない部分が多い。  養老にある歴史深い宿、千歳楼にヨロコピタンは現れ、きっかり1週間経った日曜の午後、忽然と消えた。  その日は、朝から天気がおかしかった。3月半ば、春のような日差しを感じたかと思えば、次の瞬間にはみぞれが降る不安定な気候だった。千歳楼のある養老山脈の麓にも雪が舞い、時には横殴りに吹雪いて落ち着かなかった。  昼下がりの午後、ヨロコピタンもまだ2階の大広間にいて、そこにいる人たちは一様に、窓から見える雪

          ヨロコピタンが消えた

          ヨロコピタンの生態

           ヨロコピタンを目撃した方なら、彼らの多くが、頭に何かしら枯れた植物をさしているのに気がついたことでしょう。  これはヨロコピタンたちの習性とも言われ、ああ見えて、彼らはその枯れた植物を蘇生しようと一生懸命なのです。  生命の水で有名な養老の滝。かつてある若者がその水をひょうたんにくんで持ち帰り、老父に飲ませると若返ったというエピソードがあります。  そんな養老に誕生したヨロコピタン。実は彼らは、さまざまな生命をリフレッシュさせる為に生まれた精霊なのです。  だから、枯れた植

          ヨロコピタンの生態

          『ヨロコピタン』養老に凱旋

           想えば、3年前、平成と令和の狭間で、養老天命反転地に突如出現した『ヨロコピタン』。  その後、大阪、神戸、名古屋など神出鬼没的に現れては、その目撃談が報告されてきた。なんの目的でそれほどの距離を彼らは旅したのだろう?  各地での出会いの中で、縁をいただき、その地や家に棲みついたものもいるという。  それが、突如、発祥の地である養老に終結したのである。『千歳楼』。盲点だった。積み重なった歴史が彼らを導いたのか、或いはこの地に湧く長寿の薬とされる水に惹かれたのか、多くの文人に愛

          『ヨロコピタン』養老に凱旋

          発掘

          xxxx年  ザ・ナショナルジオグラフィティ 春季号 巻頭記事より  極地観測隊によって永久凍土(ツンドラ)の下から凍結された謎の生命体の死骸が発掘された。発掘されたのは表皮の一部ではあるが、約1万年前頃に地表に存在していた生物の死骸の一部とみられる。永年氷点下以下で凍結されていたことにより保存状態はよく、黄色い色素までもが鮮やかに残っている。  我々の祖先は人類と言われているが、今回の発掘は、人類が栄えた同時期に別種の生命体が存在していた可能性を示唆している。人類の身体を

           世の中では鬼滅だのと騒いでいるが、毎年恒例、加納の鬼は、街角にすっくと立って鬼にらみをきかせている。  毎年この時期に出現する巨大な鬼。この辺りでは当たり前の光景になっている。確かに街角にこれくらい巨大なものが突如現れたら、初見ならビビる。  これも毎年のように見慣れれば、まあ、確かに大きいけれども、造形的には稚拙だな〜と思ってきた。進撃の巨人が流行った頃は、何メートル級の巨人はこんなスケール感なんだなーと、変にリアリティを覚えもした。  今年は、また全く見えかたが違う。

          コロナの頃な

          第一章   早朝、走ることを習慣にしている。40を目の前にし、身体が鈍ってきた。体力維持のために始めたランニングだが、最近は走ること自体が楽しく思える。  金華山の麓、長良川左岸を長良橋から忠節橋に向かって走る。冷えた空気の中を吐く息が白い。堤防下、よく整備されたランニングロード。早朝からすでに何人か同じように走っている人とすれ違う。  忠節橋下で折り返せば、東を目指して走る形になり、眩しさの中、黄金色の朝日に包まれるのもこの時間このコースを走る魅力だ。身体が充分に暖まった

          コロナの頃な

          正しいアートフォーラムの巡り方 岐阜小旅行『それぞれの住処から コネクト展2020』を巡る

          アートファンの1人として、また、中の人として『コネクト展2020』の回り方を提案いたします。  まず基本的に、例年はお寺の中で開催していたこのアートイベントですが、今年は市内の各ギャラリーを巡るサーキット型として開催されます。  移動の仕方は自由です。チャリンコ、車、バス。根性がいるでしょうが、スポーツ派の人は徒歩とかジョギングもあり!!  岐阜駅を起点にすれば、まずは柳ヶ瀬あたりまで出ます。ドンキホーテを東に行けばギャラリーいまじんに到着!! ここで鑑賞できるのは『-ここに

          正しいアートフォーラムの巡り方 岐阜小旅行『それぞれの住処から コネクト展2020』を巡る

          エピローグ           スターシップトゥルーパーズもしくは第一次カメムシ大戦。

          これまでの経緯。 ・義父亡くなる  2019秋 古民家を管理する必要に迫られた。 ・スターシップトゥルーパーズ  2019晩秋 久しぶりに山に行ってみると、山の家は荒れ果てていた。外は猿が我がもの顔で、遊び場にしているらしい形跡。あちらこちらにコロコロとした糞がある。屋根の上までも。どうやら積んである薪を投げ捨てる遊びが流行しているらしい。薪も散乱。  中に入ると、おぞましいことに、カメムシがビッシリ。スターシップトゥルーパーズの世界観。 ・アウトドアという名のレジス

          エピローグ           スターシップトゥルーパーズもしくは第一次カメムシ大戦。

          偉大な進歩

          ◯師匠から水をいかに確保するかを習う。 ◯天井を抜き、囲炉裏を使えるようにする。 ◯ユンボを復活させ動かす。  この日は、朝から山奥でリフォームの続き。この数日続く大雨のせいで、水が止まった。おそらく水源がいかれたのだと想像する。  囲炉裏を仕上げる為に天井を抜く作業。頭から畜年の埃を被るが、元の重厚な梁などが出てくるのは嬉しい。  突然SNSでヘルプを求めていた山の師匠が、来てくれた。あちこちを見て、原因を突き止める。結果、水源地まで行くことに。  水源地での作業は、ラ