さくらんぼ計算

さくらんぼ計算、というものを初めて見た時、
『なんじゃこれ』と思ったと同時に、
『よく考えてあるな』とも思った。

繰り上がり計算でつまづく子には、一定の効果があると思うし、
『数字を分解する発想』は、後々使わないといけない。

でも。

☆『さくらんぼ計算』の途中式を書いていないので減点
☆暗算で出来る子にも強制なので、混乱を招く

などの弊害がある。

まず、途中式を書くこと、これは非常に大切だと思う。
y=3x^3 を2階微分しろ、となると、

y = 3x^3
y' = 9x^2
y'' = 18x

と、微分→2階微分の過程を書いておかないと、
自分自身が解らなくなる。
(もっと複雑なものなら尚更)

また、図形の問題とか、証明問題など、
必要不可欠な文言は必ず書かないといけない。

そういった意味で
『途中式を書くこと』は『とても大切』だと思うのだが、
『さくらんぼ計算』は途中式として
わざわざ書かなければならない事なのだろうか。

それと、『さくらんぼ計算』が鬱陶しいな、と思う理由の一つに、
後ろの数を分解する
というのがある。

自慢じゃないが、私、九九は半分しか覚えていない。
暗唱させられた小学生の頃から、
半分覚えてあとは頭の中でひっくり返す、という、
非常にめんどくさがりな方法でしのいできた。

『さくらんぼ計算』の問題を見てみると、
9+2=9+1+1=10+1=11
7+6=7+3+3=10+3=13
などは、わかる。
だが、
3+8=3+7+1=10+1=11
5+9=5+5+4=10+4=14
とか、
なんで後ろの数字を分解するの?
って思ってしまう。

もう、桁数関係なしに、
筆算すればいいじゃない
とも思ってしまう。

今、気付いたのだが、
『そろばん』と『さくらんぼ計算』は真逆で、
『さくらんぼ計算』が【後ろの数を分解】するのに対し、
『そろばん』は【前の数を分解】する。
たしか、古に行ったそろばん教室で、
3+8は 2とるの10 (1の位から2を引いて10の位を1足す)
とかやった気がする。

今はやっていないのかもしれないけれど、
昔は小学校でも『そろばん』を少しやった。
『そろばん』をやった事がある人にとっては、
真逆の行動だから、違和感半端ないのではないだろうか?

色々と書いてみたけれど、結局、
『さくらんぼ計算』という謎の価値観の押し付け
が気持ち悪いのと、
出来る子とそうでない子の差が激しすぎて、
結局どちらのフォローも出来ない現場の体制

に問題があるのと、
親がこどもをフォローできるか
が大きなカギだな、と思う。


なんか、小学校の算数って病んでるなぁ、と思ってしまいました。
そんな私は微分積分極限複素数平面の問題に追われていて、
ディラックの海で溺れそうになっています(´・ω・`)

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