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『極上スマイル』が良すぎる

極上スマイルとは?

まぁまず極上スマイルの説明から始めましょう。極上スマイルとはテレビアニメ「Wake Up, Girls!」の挿入歌です。
Wake Up, Girls!は2014年に放送されたアイドルグループを題材としたアニメであり、極上スマイルもアイドルソングです。

まぁ、とにもかくにも聴いてください。


(といいつつも私はこのアニメや歌に出会ってから日が浅いです。気を付けますが間違えてたらごめんなさい。)

分析

まず念頭に置いていてほしいのがこの楽曲は東日本大震災がテーマの一つにあるだろう。というポイントです。
なんとなく聴いていると、「あ~よくあるアイドルソングだなぁ」って思ってしまいがちですが、私が考えるにこの楽曲には「日本人として、アイドルとして東日本大震災へこう向き合うべきだ」という強い意志が感じられます。
詳しく考えていきましょう。

以下、震災の話をします。

現在の日本社会は原爆、敗戦、GHQという歴史的事実の延長線上にあるため、どうしても国民性として「被害者意識を持ちがち」というものがあります。
自分は可哀想、弱い立場にあるとアピールすることで状況を好転させようとしたり、罪悪感なく自己満足したりする人間性が目立ちます。特にツイッター上や窮地に立たされた人間では顕著ですね。

そこに起きたのが東日本大震災です。
上記した国民性が故に震災を題材にした番組、記事、音楽では、「どれ程辛かったか」、「どれ程死者が出たか」、「どれ程被害総額がでたか」などとネガティブな話題が多く見受けられました。
それも、震災による被害が少ない地域ほどそれらの話題で持ちきりになりました。被災地ではそんなの言ってる場合じゃなかったですからね。

被害は受けていない、けれども同じ日本人。それだけの理由で無いはずの傷の舐め合いをして気持ちよくなった人間がたくさんいました。
「震災後に被災地に全国から千羽鶴が送られてきたけど現場の人間はそんなものより実用性あるものをくれと言った」という有名なエピソードもこれが故に起きたのでしょう。

(余談ですが)私が中学二年生の時三月十一日に同学年のツイッターをしていた人間は雁首揃えてポエムツイートをしていました。中国地方で生まれ育った我々は直接的な実害はありませんでしたが、あたかも当事者のように「あの悲劇を忘れない」だのなんだの。当時私は違和感を覚えていましたが語彙力もなかったもんで「東日本大震災はお前らのポエム大会のためにあったんじゃない」と批判したところ「他人と違う意見を言っている自分に酔ってる」と一蹴されました。んで、やったことはポエムツイートと3.11とヤフーで検索するだけ。ご立派なもんで。今ならちゃんと批判できるのにな;;
これも被害者意識の表れと考えられます。

ですが極上スマイルは

起きてしまったことは悲しいし辛いけども、笑顔で前を向く姿勢を体現しています。

シンドイ季節を知ってるから
かわらぬ笑顔を見せる
ニッポンの笑顔が上書きする
なんかツライ時も
ニッポンの笑顔がもてなしする
咲きこぼれるサクラ色
シンドイ季節を知ってこその
笑顔 極上スマイル

極上スマイル より

引用は極上スマイルの一番のサビです。ここから一言一句するほど私も野暮じゃありませんが、本当に素敵な歌詞だと思います。

天気がいい日はでかけよう
電車に乗ってちょっと遠出しよう
田園風景 すてきな野菜もとれる
ちょっぴり苦手なものだって
おいしいのたべたら好きになる
オイオイ今まで知らないでごめんと思う
海も広い 山もすごい
メイド・イン・ジャパンは最高さ マイマイマイスター
なんだってうみだせる
遊びに来て 会いに来てね
この端から端まで お箸の国へ

極上スマイル より

上記は二番のサビ前までを引用しました。ここでは東北の雄大な自然とそこで採れる食べ物の素晴らしさを歌っています。

勘違いしてほしくないのが、私も東日本大震災に深く心を痛めました。ただ被害者ヅラしなかっただけで。きっと、作詞された只野菜摘さん、本作監督の山本寛さんもそうだったんじゃないかと勝手に考えています。

だけども、ポップにアイドルソングとして東北のすばらしさや、「笑顔で乗り越えよう」とカラ元気でもいいから歌いあげること、その姿勢そのものがとても美しいと感じました。

楽しそうに歌うワグちゃんとそれを合いの手を入れながら盛り上げるワグナーの姿を画面越しに見てこれが復興なんだなと思うと私の目に涙がツー;;

おわり


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