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狂歌・ワイン:ニースの食べ物

白ワインのことでいろいろ思い出すことがありました。特にニースでの話です。ニースにはデリケートな料理がいくつかあって、そのうちの一つがオリーブオイルとレモンで〆たイワシとかカタクチイワシ。市場で安く買える料理だったのを覚えています。あとは有名なクルジェット(ズッキーニ)の花のベニエ(天ぷら)。それと生のパット・フレッシュ(生パスタ)とかピザも美味しかった。ニースのピザはソフィア・ローレンが自分で書いた(という振れ込みの)料理本でほめてました。もちろんオリーブオイルとレモンでしめたイワシには白が合います。それからブタルグとかプタルグと言うカラスミもあの頃はそれほど高くなく手に入りました。それも市場の乾物屋の店先にぶら下げて売っていた、その頃は。白い不透明な蜜蝋で包んだもので、なんとも言えずきれいだったな、あの半透明の白さが。味が濃厚すぎて、それほど好きなものではありませんでしたけど、時々買ってはいました。もの好きだったのかな。それからオリーブもよく食べたな。いろいろな種類があったし、安かったし。ビールのつまみには最高でしたね。市場では大きいの、小さいの、黒いの、緑色の、辛いの、辛くないのと、たくさんの種類を樽に入れて売っていた。

大粒のオリーブの実を椀に盛り日がな種吐く光悦の皿

(いや、光悦の皿はパリの東洋美術館で見ただけです。)

でね、一緒に飲むのは地場ワインのコート・ド・プロヴァンスのロゼ。これが曲者で、いったいにうまいと思ったことがない。アルコール臭いし。そのくせやたら高い。レストランとかブラッスリーに置いているワインでした。その思いがあるものだから絶対に買いませんね、このワイン。大嫌い。ボージョレ・ヌーヴォーと同じ手合い。ない方がいい。

生のパスタはニースの国鉄駅をさらに奥に入ったところにある単軌道列車の駅裏の店がニース一との評判で毎朝行列ができる人気店でした。実にうまいパスタで、イタリアでもあれほどの味には出会わなかった。

この単軌道列車の鉄道はその頃は荒廃気味で廃止の話も出ていたはずです。今は駅も改装されて観光列車になっているようです。この列車に乗ってニースの後背地を何度も訪ねたことがありますが、記憶にはほとんど残っていません。

そうそう、思い出した。魚を買うときはスーパーのカジノを利用していました。そのスーパーの魚屋のお姉さんがきれいな人で、濃い青色の目をした人でした。あの頃は色付きコンタクトなんてまだなかった頃だから、あれは本物だと思うけど・・・不器用な感じの若い恋人がいて、なんとなく不満そうな風だった。。。お互い好意を持ってはいたんだけど、何もせず。こっちにも恋人がいて面倒はいやだったし。あの人を選んでいたら人生が変わっていたんだろうな。今はオバアチャンだろうし、、、

絵:アクリル、15F ちょっとピカソ風に。

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