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身体障害者手帳の写真(23人目のAさん)

往診担当の先生から連絡がありました。
Aさんの身体障害者手帳の診断書を書いたからあとよろしく。

Aさんは70歳。一人暮らしの女性。
もともと脳梗塞後遺症で左半身に軽いマヒが残っていましたが、最近右大腿骨頸部骨折で入院。
退院後は介護保険サービス利用で在宅生活をしていました。

身体障害者手帳の申請には写真と申請書が必要なので、Aさんに電話で説明しました。
写真は横3cm×縦4cm、スナップ写真を切り取ってもいいけど帽子はかぶってたらだめ。
申請書には印鑑必要です。
どんなハンコでもいいです、と。
ちょうど担当のケアマネジャーが訪問予定だったので、ことづけました。
申請書を確認すると氏名、住所、印鑑ばっちり。
写真は切り取ってお年玉袋に入れてくれていました。
封を開けて写真を確認・・・・・・。
確かにAさんの写真です。
でもすごく若い。
退院して若くなったのかな?
そんなことはありません。
70歳なのにどう見ても30代に見えるのです。
写真の色も髪型も年代を感じます。
ケアマネに見せると、「あらまあ・・・」と。
説明が足りませんでした。
写真の説明で、「最近の」という言葉が抜けていました。
多分Aさんの若かりし頃のお気に入りの写真を用意してくれたのかもしれません。
このまま市役所に持って行くのはちょっと、と思いAさんに電話して、写真を撮らせてもらうことにしました。
Aさんの家は病院のすぐ近く。
日にちと時間を伝え、訪問しました。

約束の時間に訪問。
するとなんと・・・。
化粧してよそ行きの格好をしたおしゃれなAさんが待ってくれてるではないですか。
またまたしまった、と思いました。
写真は「顔だけ」と言うのを忘れていました。
おまけに化粧しなくてもいいということも(まあ別に化粧はいいか)。
せっかくなので顔写真とおしゃれしたAさんの写真も記念に撮らせていただきました。

後日おしゃれ姿のAさんの写真を持っていくとすごく喜んでくれました。
おしゃれしたいという気持ち、いつまでもありますよね。
ステキなAさんでした。

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