伊藤潤二コレクション

最近アニメの、伊藤潤二コレクションを観ている。
伊藤潤二の漫画はあまりたくさん読んだことはない。富江も最初の方しか読んでいないし、家には以前友人がくれた“うずまき”と“怪奇カンヅメ”がある。他にちらちらと江古田の本が置いてある喫茶店で読んだりした。
先週放送されていた“緩やかな別れ”は未見だったのだけど、とても美しいお話だった。
伊藤潤二コレクションのアニメは原作にとても忠実に再現されていて、恐らくにほぼそっくりそのままトレースされている。彼の漫画の良さは、そのストーリーや魅力的なキャラクターの作画ももちろんそうだとは思うのだけど、その世界を形作る空気感の背景がとても素朴に描かれているように思う。鬱屈としたような、灰色の街の風景を、とても良く表していたりする。
ちなみに「辻」という言葉の意味を四辻の回で知った。
“緩やかな別れ”について書きたかったのはもちろんそのお話の良さもあるのだけど、直後に原作の漫画の方を読んで、ラストのカットはアニメの方が勝っている、と思ったからだ。カラーになること(その情報量による質の変化)とその透明度が若干違う。その笑顔もまた、よかった。
終わりに、こういった話を好むのに、「永い言い訳」とのリンクを想起した。死に対する涙の対価は、愛に相当するのかもしれない。


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