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ダウンしないため ダウンしてしまったら〜教育現場独特の文化 当たり前にとらわれない〜

「『できない』事柄があることを認める、プライドを高く持ちすぎない、話し相手を見つける、気持ちを抑えすぎない、軽率なアドバイスはできないし、しない方がいい時もある」
 

 教育現場の当たり前の文化として、①「できない」と言えない②頼む・断るが苦手③気持ちが言えない④「どうすればいいですか?」に何か答えなければと思うーーなどがあるようです。思い当たりませんか。
 これらは、私情をはさまず事実を伝え、なんでも努力して強い責任感で取り組もうとする、教員のいい特長だと思います。そして、メンタルヘルスの疾患で休業する人に多く見られる特徴でもあると思います。
 各項目に対して、具体的に述べます。
 ①「(今は)できない」と言う勇気を持ちましょう。できない事柄があるのを認めるのも、力の一つです。
 ②頼む・断るができないのは、プライドが高すぎたり、相手を信用しないために起こったりする場合があります。「申し訳ないから」は、本当の気持ちを隠したい言い訳に過ぎません。
 ③知的に理解して、気持ちがついていかない時はあります。その気持ちを話す相手を見つけましょう。気持ちを抑えてばかりだと、▽肩が凝る▽お腹の調子が悪い▽頭痛・腰痛がするーーなど、身体に変調をきたす場合があります。
 ④「どうすればいいですか?」には毎日答えなくて大丈夫です。不治の病の患者さんに「前向きに生きたい。どうすればいいですか?」と言われた時のように、軽率なアドバイスなんてできないし、しない方がいい時があるものです。
 教育現場に毎日遅くまでいると、当たり前になりすぎて、おかしい事柄におかしいと感じる心が鈍くなる場合があります。時々、早く職場を後にして、全く別の交流を持ったり、家でしっかり寝たりするのをお勧めします。
 過酷な勤務の実態を知った上で、あえて申し上げます。教育現場の当たり前にとらわれすぎずに、どうか自分の命を守ってください。休業しても、誰も助けてはくれません。

引用文献 公立学校共済組合近畿中央病院メンタルヘルスケア・センター副センター長 井上麻紀  「教育新聞」 2016.12.5

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